どこの筋肉が原因になっているか正確に診断します。
一つの筋が原因の場合もあれば、いくつか組み合わさっている場合もあります。
うつ伏せになり、両手先で骨盤の出っ張りに軽く触れます。これから足を動かしてもらう検査を行いますが、この骨盤の出っ張りが「足の動き始めで動いたら」陽性です。
【Type A】
膝を伸ばしたまま、片足を上へ持ち上げると出っ張りが動く
【Type B】
膝を曲げる出っ張りが動く
【Type C】
膝を曲げたまま、足を内側に倒すと出っ張りが動く
【Type D】
両手を床、ベッドに置き、腕のみの力で上体を反ると出っ張りが動く
【Type A】
股関節深部の筋肉(腸腰筋)が「廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)」を起こし、固まっています。あまりに腸腰筋を使わない期間が長く、筋肉としての柔軟性が無くなっているのです。その影響で、股関節の動きが制限されています。
股関節の硬さを腰部がかばい、症状を発生させています。
【Type B】
お尻の筋肉(大臀筋)が弱いせいで、ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)を使い過ぎて、固まっています。その筋肉は骨盤から膝まで付いている筋肉なので、股関節の動きも制限されてしまいます。
股関節の硬さを腰部がかばい、症状を発生させています。
【Type C】
お尻の脇の筋肉(中臀筋)が弱いせいで、股関節の浅部にある筋肉(大腿筋膜張筋)の使い過ぎで固まっています。その筋肉は骨盤から膝まで付いている筋肉なので、股関節の動きも制限されてしまいます。
股関節の硬さを腰部がかばい、症状を発生させています。
【Type D】
腹筋(腹斜筋)が弱いか、もしくは伸びきってしまっているため、腰の関節(腰椎)が安定しない状態です。
さらに腰の筋肉(起立筋)が強過ぎるか、もしくは短くなってしまっているため、常に過剰に腰を反った状態になっていることも、痛みの原因です。
緩めるべき筋肉 | 鍛えるべき筋肉 | |
Type A | 大腿筋膜張筋 大腿四頭筋 |
腸腰筋 |
Type B | 大腿四頭筋 | 大臀筋 |
Type C | 大腿筋膜張筋 | 中臀筋 |
Type D | 起立筋 | 腹斜筋 |
比較的女性に多い
立っているより座っている方が楽
下っ腹が出てしまう
全腰痛の中で最も多いタイプ
脊柱管狭窄症になりやすい
もしくは併発している
少し歩くと足が辛くなり、歩けなくなる
→座って休むとすぐ回復
→脊柱管狭窄症の疑い
1日5秒×5~10回。胸と膝がくっついた状態を維持できるようになるまで(2~3週間)行い、その間腰痛がその後2週間、腰痛が出現しなければ終了とする。
力の入っている箇所により、エクササイズの変更が必要となる。1~2週間継続後、腸腰筋のトレーニングを再開する。
1日1分×3回。うつ伏せで膝が90度以上、容易に曲がるようになるまで(1~2週間)行い大臀筋のトレーニングに移行する。
1日5秒を~10回×2~3セット。1ヶ月以上継続し、その間腰の痛みが無ければ治療を終了とする。
腰の痛みが出ない範囲で行う。強いストレッチは逆効果となるため「あ、伸びてきたな」程度のストレッチに留める。
トレーニング中に腰の痛みが出現する場合、腰に力が入る感覚が強い場合、もも裏に力が入る・つってしまう場合、大腿四頭筋のストレッチを1~2週間継続してから、再びチャレンジする。
1日1分×3回。「お尻に手を当てながらの後屈」が痛くなくなるまで(1~2週間)行い、中殿筋のトレーニングに移行する。
1日5秒を5~10回×2~3セット。1ヶ月以上継続し、その間腰の痛みが無ければ治療を終了とする。
1日5秒を5~10回×2~3セット。レベル1~3まで、それぞれのトレーニングが容易に出来るようになったら次のレベルのトレーニングに進む。60日以上継続し、その間腰の痛みが無ければ治療を終了とする。
ベッド(床)と腰にスペースが出来てしまう、お腹の中央部(腹直筋)に力が入ってしまう、腰に痛みが出てしまう場合は、レベルを1段階下げて行うこと。