下駄骨折とは?捻挫と間違えやすい第5中足骨基部骨折の見方

足首の捻挫で終わらせない外側足部痛の見方
骨上の圧痛を拾えるかが分かれ目

下駄骨折は、足首の捻挫として見逃されやすい骨折です。外くるぶしだけでなく、第5中足骨基部の圧痛や荷重痛まで確認することが重要です。

この記事について

この記事は、足首をひねった後に「捻挫」として来院したケースで、下駄骨折を疑うための臨床的な見立てを整理したものです。足部外側の骨上圧痛、腫れ、荷重時痛、受傷機転を確認し、怪しい場合に医療機関での画像確認へつなげる判断軸をまとめています。

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髙原佑輔

捻挫っぽく見えても、骨上の圧痛があれば話は変わります。外くるぶし周辺だけで終わらせず、第5中足骨基部まで触って確認することが大切です。

結論:足首をひねった後の外側足部痛では、捻挫だけで判断せず、第5中足骨基部の圧痛や荷重痛から下駄骨折を疑えるかが重要です。

下駄骨折とは、足の外側にある第5中足骨の基部に起こる骨折です。足首を内側にひねるような受傷機転で起こることがあり、見た目や訴えが足関節捻挫と似ているため、初期評価で見逃されることがあります。

「捻挫だと思う」という訴えだけで評価を終えると、足部外側の骨折を拾いきれないことがあります。特に第5中足骨基部にピンポイントの圧痛がある場合は、単なる靭帯損傷として扱わず、骨折の可能性を考える必要があります。

下駄骨折が確認された足部レントゲン画像
下駄骨折の症例画像。捻挫の訴えでも、骨上の圧痛がある場合は画像確認につなげる判断が重要です。

下駄骨折とは?

下駄骨折は、第5中足骨基部の裂離骨折として説明されることが多い骨折です。足をひねった際に、足部外側へ牽引力や圧縮力が加わり、第5中足骨の根元付近に骨折が生じます。

起こりやすい場所 足の外側、小趾側にある第5中足骨の基部です。外くるぶしより少し前下方の足部外側に痛みが出ます。
紛らわしい症状 足首をひねった後の痛み、腫れ、歩行時痛があり、足関節捻挫と似た訴えになることがあります。
確認したい所見 第5中足骨基部の骨上圧痛、限局した腫れ、荷重時痛、歩き方の変化、受傷時のひねり方を確認します。

下駄骨折は「足首の捻挫」と同じ流れで来院することがあります。だからこそ、足関節だけでなく足部外側まで触って確認します。

捻挫として見逃しやすい理由

足首をひねった直後は、本人も「捻挫した」と表現することが多くあります。腫れや痛みも足関節外側に近い場所へ出るため、外側靭帯損傷だけを想定しやすくなります。

しかし、足部外側の骨上に明らかな圧痛がある場合は、靭帯だけでなく骨の損傷を疑う必要があります。特に第5中足骨基部のピンポイントな痛みは、見逃したくない所見です。

整理

捻挫か骨折かを、本人の訴えだけで分けることはできません。どこを押すと痛いのか、骨上か靭帯部か、荷重できるかを確認することで、紹介や画像確認の必要性を判断しやすくなります。

骨上の圧痛を必ず確認する

足関節捻挫を疑う場面でも、外くるぶし周辺だけを見て終わらせず、第5中足骨基部を触診します。骨の上を押して鋭い痛みが出る場合や、限局した腫れがある場合は、骨折の可能性を考えます。

  • 第5中足骨基部にピンポイントの圧痛がある
  • 足部外側に腫れや内出血がある
  • 荷重すると足の外側に痛みが強く出る
  • 受傷直後から歩きにくい、体重をかけにくい
  • 外側靭帯部だけでなく、骨上の痛みがはっきりしている

骨上の圧痛がある場合は、「捻挫だろう」で進めず、骨折の可能性を考えて医療機関での画像確認につなげることが大切です。

怪しいときは紹介につなげる

下駄骨折が疑われる場合、整骨院の評価だけで完結させるのではなく、医療機関で画像確認を行う流れが安全です。骨折の有無、転位の有無、固定や免荷の必要性を確認する必要があります。

転位がない場合 比較的保存的に進むこともありますが、固定・荷重制限・経過確認は医師の判断を踏まえて行う必要があります。
転位がある場合 対応方針が変わる可能性があります。痛みの強さだけで判断せず、画像で骨片の位置を確認することが重要です。
見逃した場合 痛みが長引く、歩行時痛が残る、スポーツ復帰が遅れるなどのリスクがあります。初期判断が大切です。

臨床での確認手順

足首をひねった患者さんでは、足関節の靭帯だけでなく、足部外側まで含めて確認します。特に「どこを押すと一番痛いか」を曖昧にしないことが重要です。

1. 受傷機転 足をどうひねったのか、内返しだったのか、段差や着地で起きたのかを確認します。
2. 痛みの場所 外くるぶし周辺なのか、第5中足骨基部なのか、足背や足底にも痛みがあるのかを分けて確認します。
3. 骨上圧痛 第5中足骨基部を触診し、骨の上に限局した痛みがないかを確認します。
4. 荷重痛 歩行や片脚荷重で痛みが強くなるかを確認します。無理に歩かせる必要はありません。
5. 紹介判断 骨折が疑わしい場合は、医療機関での画像確認へつなげます。早めに確認するほど方針が立てやすくなります。

関連症状:こんな訴えと合わせて見る

  • 足首をひねってから足の外側が痛い
  • 小趾側の足の根元を押すと強く痛い
  • 捻挫だと思ったが、歩くと足部外側に響く
  • 外くるぶしより前下方に腫れや内出血がある
  • 体重をかけると痛みが強く、歩き方が崩れる
重要

強い腫れや内出血がある、体重をかけられない、骨上の圧痛がはっきりしている、変形がある、痛みが強くなる場合は、早めに医療機関で確認することが必要になることがあります。

下駄骨折は「捻挫の中に紛れる骨折」として見る

下駄骨折は、足首をひねった後に起こりやすく、足関節捻挫と似た訴えで来院することがあります。だからこそ、外くるぶし周辺だけでなく、第5中足骨基部まで確認することが大切です。

骨上の圧痛、荷重痛、限局した腫れがある場合は、捻挫として進める前に骨折の可能性を考えます。怪しいと感じたら医療機関へ紹介し、画像確認によって転位の有無や固定の必要性を判断してもらう流れが安全です。

とんとん整骨院では、痛みの場所だけでなく、受傷機転、圧痛部位、荷重時の反応を丁寧に確認し、必要に応じて医療機関での確認につなげることを大切にしています。

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髙原佑輔

捻挫として来た方ほど、骨折が隠れていないかを丁寧に見ます。骨上の圧痛が怪しければ、無理に施術で抱え込まず、画像確認につなげる判断が必要です。

髙原佑輔
株式会社とんとん/とんとん整骨院。店舗統括・物理療法指導責任者。柔道整復師。

2014年より整形外科に勤務し、骨折・捻挫など多数の外傷症例を経験。勤務先で出会った患者の「私、ここの病院に30年通ってるの」という一言をきっかけに、「症状を抑え続ける」のではなく「通院に頼らない身体づくり」を追求するようになる。その後、大手整骨院グループの技術統括責任者を経て現職。現在は、とんとん整骨院グループを統括し、物理療法の品質管理・スタッフ指導を担うほか、noteでは物理療法やテーピングに関する技術情報の発信にも取り組んでいる。

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