ぎっくり腰になったらどうする?やってはいけないことと回復の考え方

ぎっくり腰、まず何をすればいい?

重い物を持った瞬間や、ふとした動作で急に腰が痛くなって動けない。ぎっくり腰かな、と思っていませんか。「とにかく安静」は今は勧められません。多くは数日から2週間ほどで和らいでいきます。ここでは対処・やってはいけないこと・受診すべき危険なサイン・よくある疑問までをまとめました。

朝の洗顔や、荷物を持ち上げた瞬間に腰がギクッ。痛くて動けない、起き上がれない。急に起きた強い腰痛(ぎっくり腰、急性腰痛)は誰にでも起こります。まずは「どうすればいいか」を見ていきます。

まなぶ先生まなぶ先生

「ぎっくり腰になったら、とにかく安静ですよね」と患者さんからよく聞かれます。

教子先生教子先生

「クセになるから怖い」と不安そうに来られる方も多いですよね。

瀬谷崎瀬谷崎

実は「ずっと安静」は今は勧められていないんです。痛みの範囲で少しずつ動いたほうが、回復を妨げにくい。多くは数日から2週間ほどで和らぎます。ただ、足のしびれや尿の出にくさ、発熱を伴うときは別なので、まず確認が必要です。

ぎっくり腰って、どんな状態?

ぎっくり腰は、急に起きた強い腰の痛みの総称です。腰の筋肉や関節などに負担がかかって、痛みと、かばうための筋肉の緊張が起こった状態と考えられています。重い物を持つ、ひねる、前かがみ、くしゃみなどがきっかけになります。

多くは数日から1〜2週間で自然に和らいでいく、良性の経過をたどります。「動かすと激痛が走るから動けない」と感じても、原因が重い病気であることはまれです。ただし、後で述べる危険なサインがあるときは別です。

なってしまったら(対処)

無理をせず、でも固めすぎないのが基本です。

  • 楽な姿勢で休む:横向きで膝を抱える、あお向けで膝を立てるなど、痛みの少ない姿勢で
  • 痛みの範囲で動く:痛くない範囲で少しずつ体を動かす
  • 長く寝込まない:数日以上の安静はかえって回復を遅らせます
  • 痛みが強い時期は無理な動作を避ける:重い物・急なひねりは控える
  • コルセットは一時的に:痛い時期の補助に。頼りきって長期使用はしない
やってはいけないこと

痛いからと何日も寝込む、強く揉む・ボキボキ鳴らす、痛みを我慢して無理に動く・重い物を持つ。これらはかえって長引かせることがあります。「安静にしすぎず、痛くない範囲で動く」が回復のコツです。

クセになる?どれくらいで治る?

ぎっくり腰の多くは、数日から1〜2週間で和らいでいきます。「クセになる」と言われますが、これは腰に負担のかかる生活や使い方が続くと繰り返しやすい、ということ。痛みが落ち着いたら、お腹や背中を支える運動や、持ち上げ方の工夫で、繰り返しを減らしていけます。固めて動かさないより、少しずつ動いて回復させるほうが近道です。

こんなときは早めに相談を

受診・相談の目安(とくに上ふたつは急いで)

足のしびれや力の入りにくさが強い・両足に出る/おしっこや便が出にくい・もれる(馬尾症候群のサイン)/発熱を伴う/転倒・事故のあとの痛み/がんや骨粗しょう症の既往がある/安静にしても夜も強く痛む・どんどん悪化する。こうしたときは、ただのぎっくり腰と決めつけず、整形外科などを受診してください。多くは良性ですが、まれに重い病気が隠れていることがあります。

よくある質問

Q. ぎっくり腰はとにかく安静ですか?
「ずっと安静」は今は勧められていません。痛みの範囲で少しずつ動いたほうが回復を妨げにくいとされています。何日も寝込むのは避けましょう。

Q. 温める、冷やす、どっちですか?
強く痛む初期は無理に刺激せず、楽な姿勢で休むのが基本です。落ち着いてきたら温めて筋肉をゆるめると楽に感じることが多いです。

Q. 揉んだりストレッチしたりしていいですか?
痛みが強い時期の強い刺激は避けましょう。痛みが引いてきたら、痛くない範囲でやさしく動かす程度にとどめてください。

Q. どれくらいで治りますか?
多くは数日から1〜2週間で和らぎます。長引くときや、しびれ・尿の異常などがあるときは受診してください。

「安静第一」より「痛くない範囲で動く」

ぎっくり腰は、固めて安静にするより、痛くない範囲で少しずつ動くほうが回復を妨げにくい症状です。落ち着いてからは支える運動で繰り返しも減らせます。足のしびれや尿の異常など危険なサインがあるときは、急いで受診してください。対処に迷うときは一度ご相談ください。

瀬谷崎瀬谷崎

安静にしすぎず、痛くない範囲で少しずつ動くことから。足のしびれや尿の出にくさ、発熱があるときは、ぎっくり腰と決めず受診してください。

瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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