扁平足・回内足は「支える力」から立て直す。とんとんの扁平足アプローチ

土踏まずは、筋肉の綱引きで保たれている

扁平足は、土踏まず(内側のアーチ)が低くなった状態で、足が内側に倒れ込む回内足(かいないそく)もほぼ同じ状態を指します。アーチが落ちると、足の痛みだけでなく膝や姿勢にまで影響が及ぶことがあります。とんとん整骨院が扁平足をどう見て、どう考え、どうアプローチをするのか。とんとん社長 瀬谷崎将也と臨床技術責任者 伊藤聡史が分かりやすくご紹介します。

土踏まずは、骨の並びと、それを支える筋肉・靭帯で保たれています。カギになるのは、落ちたアーチを「支える力」を取り戻すこと。まず、なぜ土踏まずが落ちるのかから整理します。

足の裏を両手で支える様子
土踏まず(内側のアーチ)が低くなる扁平足。長く歩くと足の内側や足裏が疲れやすくなることがあります。

土踏まずは、筋肉の綱引きで保たれている

伊藤聡史伊藤聡史

社長、扁平足というと「生まれつきの足の形」と思っている方が多いですが、実際は違うケースも多いですよね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

ええ。私たちはアーチの低下を、支える筋が働けず、引き下げる方向の筋が硬くなってバランスが崩れた状態、いわば綱引きの崩れと捉えています。支える側の主役は後脛骨筋(こうけいこつきん)。内側のアーチを引き上げる一番の支えです。ほかに足裏の小さな筋肉たちも支える側です。引き下げる側は、ふくらはぎ(下腿三頭筋)や前脛骨筋などの硬さです。

伊藤聡史伊藤聡史

後脛骨筋は、捻挫などのケガや使いすぎで働きが落ちると、アーチが下がって腱が引き伸ばされ、さらに支えられなくなるという悪循環に入りやすい。中年以降に痛みを伴って進む「成人期扁平足」は、この後脛骨筋の腱の機能不全が中心にあると言われていますね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

そうです。それと、足だけの問題で終わらないのがポイントです。足が内に倒れると、すねの骨が内に傾き、膝が内に入るニーインの形になりやすい。膝や股関節、姿勢まで負担が伝わっていきます。扁平足を足だけで見ず、体のつながりで捉えるのが当院の考え方です。

ここがポイント

土踏まずは「支える筋」と「引き下げる筋」の綱引きで保たれていて、扁平足はこのバランスが崩れた状態と考えられています。カギは内側のアーチを引き上げる後脛骨筋。ここが働けない悪循環を断つことが立て直しの出発点です。

付き合い方の全体像は扁平足は治したほうがいい?土踏まずが低い足の付き合い方、体のつながりは痛い場所が、悪い場所とは限らない。体の「運動連鎖」とはにまとめています。

柔らかい扁平足か、硬い扁平足か

伊藤聡史伊藤聡史

見極めの分かれ目は、タイプでしたね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

ええ、ここが対処の分かれ目です。座って足を浮かせたり、つま先立ちをすると土踏まずが出てくるのが「柔らかい扁平足」。支える力を取り戻すことで変えられる余地が大きいタイプです。一方、浮かせても土踏まずが出てこないのが「硬い扁平足」。骨の形や進行した変形が背景にあるので、装具や医療機関との連携が必要になります。ここは正直にお伝えしたいところで、骨の形そのものを手技で変えることはできません。

伊藤聡史伊藤聡史

セルフチェックとしては、後ろから見るとかかとが外に傾いて、足の指が外側からたくさん見える。靴の内側ばかり早くすり減る。長く歩くと足の内側や足裏が疲れる・痛む、あたりですね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

それと、子どもの扁平足と大人の扁平足は別ものです。子どもは多くが成長とともにアーチができて自然に整うと言われています。注意したいのはむしろ大人で、中年以降に新たに進む・痛みを伴う扁平足は、後脛骨筋腱の機能不全が進んでいることがあります。内くるぶしの後ろから下が腫れて痛む・片足でのつま先立ちがしにくいときは、早めに整形外科での確認をおすすめします。

こんなときは医療機関へ

次のようなときは、進行する変形や別の病気が隠れていることがあります。施術より先に、または並行して医療機関の受診をおすすめします。

  • 内くるぶしの後ろから下が腫れて痛い。片足でのつま先立ちがしにくい(成人期扁平足の進行)
  • だんだん変形が進む・足が硬くなって歩きにくい。浮かせても土踏まずが出ない(構造的な扁平足)
  • 足首や足が急に赤く腫れて熱を持つ・強く痛む(感染や痛風など)
  • 複数の関節が腫れて痛む・朝に手足がこわばる(関節リウマチなどの疑い)
  • 足のしびれ・力の入りにくさを伴う。子どもで片足だけ・痛みや歩き方の異常がある

支える筋を働かせ、引き下げる硬さを取り除く

伊藤聡史伊藤聡史

施術は、綱引きの両側にアプローチするわけですね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

ええ。まず支える側です。後脛骨筋や足裏の筋(母趾外転筋など)、横アーチを支える足の中の小さな筋肉(内在筋=ないざいきん)を働かせていきます。ここで活躍するのがEMS(電気による筋刺激)です。アーチを支える筋は自分でうまく力を入れるのが難しい場所で、「力の入れ方が分からない」という方が多い。EMSなら、自力では使いにくい筋を直接働かせて鍛えられます。

伊藤聡史伊藤聡史

引き下げる側は、ふくらはぎや前脛骨筋の硬さをゆるめる。それと足首の動きも大事ですね。足首を反らす動きに制限があるとアーチや歩き方に影響するので、距骨(きょこつ)や腓骨の動きを確認して調整して、アーチの頂点にある舟状骨(しゅうじょうこつ)を支えられる状態にしていく。

瀬谷崎将也瀬谷崎

そのうえで、回内足から膝・股関節・骨盤へのつながりを評価して、必要ならインソールもご提案します。セルフケアの主役はショートフットエクササイズです。足指を曲げずに母趾の付け根で床を軽く押して、土踏まずを引き上げる運動。昔よく使われたタオルギャザーは座って行う非荷重の運動で日常動作に結びつきにくいと言われていて、いまは体重をかけて行うショートフットが主流です。

ご自宅でできる工夫
  • ショートフットエクササイズ。足指を曲げずに母趾の付け根で床を押し、土踏まずを引き上げる。慣れたら立って・片脚でと、体重をかけて行うほど効果的と言われています
  • 母趾でしっかり踏む・足指を使う感覚づくり
  • ふくらはぎのストレッチ(アーチを引き下げる側の硬さをゆるめる)
  • 足に合う靴・アーチサポートのインソール(頼りきりにせず、運動との併用が理想です)

足元の連鎖でつながる症状はとんとんの内反小趾アプローチとんとんの外反母趾アプローチとんとんの足底腱膜炎アプローチとんとんのO脚・X脚アプローチにまとめています。

とんとんの扁平足へのアプローチの流れ

ここまでの考え方を、実際の進め方として整理すると、次のような流れになります。

  1. 進行する変形のサインを外す内くるぶし下の腫れ・つま先立ちのしにくさなど、医療機関で先に確認したいサインがないかを確かめます。
  2. 柔らかいか硬いかを見極める浮かせたときに土踏まずが出るか、支える筋がどれだけ働けているか、足首の動きと全身のつながりを評価します。
  3. 支える筋を働かせ、硬さをゆるめる後脛骨筋・足裏の内在筋をEMSも使って働かせ、ふくらはぎなど引き下げる側の硬さを取り除きます。
  4. 荷重下の運動で仕上げるショートフットエクササイズや靴・インソールの工夫をお伝えし、体重を支えられるアーチづくりを続けます。

扁平足は、アーチを支える力から立て直す

柔らかいタイプの扁平足は、支える筋を働かせることで土踏まずや痛みが変わっていく余地が大きいと言われています。一方で、骨の形の問題や進行した硬い変形を手技だけで戻すことはできません。どちらのタイプかを見極めて、支える力を取り戻す施術と荷重下の運動、必要なら装具や医療機関との連携を組み合わせる。これがとんとんの扁平足へのアプローチです。変化の出方には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。

※本記事は一般的な情報です。症状の感じ方や経過には個人差があります。強い痛みやしびれ、安静時にも続く痛み、力が入りにくいなどがあるときは、自己判断せず医療機関への受診もご検討ください。

よくある質問

扁平足は治りますか?

柔らかいタイプは、支える筋を働かせることで土踏まずや痛みが変わっていくことが多いと言われています。骨の形の問題や進行した変形は完全には戻せませんが、痛みや進行を抑えることは目指せます。

インソールだけで大丈夫ですか?

インソールはアーチを支える助けになりますが、頼りきりだと支える筋が育ちにくくなります。ショートフットエクササイズなどの運動と組み合わせるのが理想です。

痛くないのですが、治したほうがいいですか?

痛みがなければ急ぐ必要はありません。ただし、足の内側が痛む・変形が進む・膝や腰に影響が出ているときは、早めの対応をおすすめします。

子どもの扁平足が心配です。

多くは成長とともに整うと言われています。痛がる・片足だけ・土踏まずが硬い・歩き方がおかしいときは、一度受診してください。

自分では何をすればいいですか?

まずはショートフットエクササイズや足指を使う練習、足に合う靴選びから。やり方や強度はその方の状態に合わせてお伝えします。

扁平足でお困りの方へ

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瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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