手のしびれは、原因の場所さがしから。とんとんの手のしびれアプローチ

そのしびれ、首・胸の出口・肘・手首のどこから来ているか

手がしびれるとき、原因は手そのものにあるとは限りません。多くは、手につながる神経が、首から手首までの通り道のどこか一か所で圧迫されて起こると言われています。とんとん整骨院が手のしびれをどう見て、どう考え、どうアプローチをするのか。とんとん社長 瀬谷崎将也と臨床技術責任者 伊藤聡史が分かりやすくご紹介します。

手のしびれで最初にやるべきは、どこが原因か、つまり場所の見当をつけることです。圧迫されている場所が『首・胸の出口・肘・手首』のどこかによって、しびれる指も、悪化する姿勢も、合う対処も変わります。場所を取り違えると、良かれと思ったケアが合わないこともあるため、まずここから整理します。

手や指のしびれ。原因が手そのものではなく、首から手首までの通
手や指のしびれ。原因が手そのものではなく、首から手首までの通り道にあることも少なくありません。
首から腕にかけての疲れとしびれが施術を経て楽になった例もあり
首から腕にかけての疲れとしびれが施術を経て楽になった例もあります(症例レポートを読む)。
川口流世川口流世

この方は、3年ほど前から続く右の首から腕にかけての疲れとしびれでご来院されました。動きを調べると、腕そのものより首の動きで症状が出ていて、肩甲骨が外に開いて下がる姿勢のかたよりが首肩への負担に関わっていたため、そこから整えていきました。

瀬谷崎将也瀬谷崎

しびれを感じるのは腕や手でも、負担のおおもとは首と肩甲骨まわりにあった例ですね。原因の場所を確かめてから進めるのが、遠回りに見えて近道だと思います。

手のしびれの原因は、手そのものとは限らない。通り道の4か所を疑う

伊藤聡史伊藤聡史

社長、手がしびれる方は『手が悪くなった』と思われがちですが、実際は違うことが多いですよね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

ええ。手につながる神経は首から出て、胸の出口、肘、手首と長い通り道を通ります。しびれの多くは、この通り道のどこか一か所での圧迫が関わっている。首、胸の出口、肘、手首。この4か所のどこかによって、しびれる指も悪化する姿勢も、合う対処もまるごと変わります。

伊藤聡史伊藤聡史

見当をつける手がかりは2つですね。まず、どの指がしびれるか。親指から中指なら手首の手根管(しゅこんかん)症候群、小指と薬指なら肘の肘部管(ちゅうぶかん)症候群が考えやすい。腕全体や広い範囲で、首肩のこりを伴うなら、首や胸の出口が考えやすい。

瀬谷崎将也瀬谷崎

もうひとつは、どんな動作で悪化するかです。首を後ろに反らす・傾けると響くなら首。つり革や洗濯物干しなど腕を上げ続けると強くなるなら胸の出口。頬づえや長電話など肘を深く曲げていると強くなるなら肘。明け方に強くて、手を振ると楽になるなら手首。動作も場所を教えてくれます。

ここがポイント

手のしびれの多くは、首から手首までの神経の通り道のどこか一か所での圧迫が関わると言われています。手がかりは『どの指がしびれるか』と『どんな姿勢・動作で悪化するか』の2つ。場所を取り違えると、良かれと思ったケアが合わないこともあるため、まず場所の見当をつけることが大切です。

しびれの範囲の見方はしびれの範囲はどこまで?デルマトームと末梢神経分布の見方、胸の出口は胸郭出口症候群(TOS)のしびれ・冷感・むくみ、肘は小指と薬指がしびれるのはなぜ?、手首は手指のしびれ、夜中に強くなるのはなぜ?にまとめています。しびれより肘の痛みそのものが主役ならとんとんの肘の痛みアプローチもどうぞ。

場所さがしの前に。急いで受診したいサイン

伊藤聡史伊藤聡史

場所さがしの前に、外しておきたいサインがありますね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

はい、ここが一番大事です。突然の片手のしびれに、ろれつが回らない・顔がゆがむ・力が入らないを伴うときは、脳の緊急事態のおそれがあるので、迷わず救急(119)へ。両手がしびれて、箸やボタンが急に不器用になった、脚がもつれるという場合は、首の脊髄(頚髄症=けいずいしょう)の疑いがあるので、早めの受診をおすすめします。

伊藤聡史伊藤聡史

両手足が手袋や靴下をはいた形にしびれるなら、糖尿病など全身の病気のこともある。しびれる指の筋肉がやせてきた・力が入らない・物をよく落とすのも、神経の障害が進んでいるサインなので、施術より先に受診をおすすめしています。

瀬谷崎将也瀬谷崎

そうですね。こうしたサインを外したうえで、姿勢や使い方から来る圧迫のしびれとして見ていきます。何科か迷うときは、整形外科、または脳・脊髄・末梢神経を幅広く診られる神経内科が目安になります。

こんなときは医療機関へ

次のようなときは、姿勢や使いすぎではなく、脳・脊髄・全身の病気が隠れていることがあります。早め(一部はすぐ)に医療機関を受診してください。

  • 突然のしびれに、ろれつが回らない・顔のゆがみ・力が入らないを伴う(すぐ救急へ)
  • 両手がしびれて、箸・ボタン・字が急に不器用になった。脚がもつれる
  • 両手足が、手袋や靴下をはいた形にしびれる
  • しびれる指の筋肉がやせてきた、力が入らない、よく物を落とす

末梢と中枢の切り分けは手指のしびれで末梢と中枢を切り分ける、首由来の危険サインの整理は首から腕・手に広がるしびれ。頚椎神経根症と危険サインの整理もどうぞ。

圧迫している場所をゆるめ、神経の滑りを助ける

伊藤聡史伊藤聡史

場所の見当がついたら、施術はどう進めますか。

瀬谷崎将也瀬谷崎

流れはどの場所でも共通で、3つです。まず、しびれる指と悪化する動作を施術者が確かめて、どこで圧迫されているかを見極める。次に、圧迫の原因になっている筋肉のこわばりをゆるめ、硬くなった関節の動きと、神経そのものの滑りを助ける。最後に、ぶり返しにくいよう、姿勢や関節のバランスを整える。狙う場所が、首なら首から肩の筋肉、胸の出口なら首の前から胸の筋肉、肘なら前腕の内側、手首なら手のひら側の筋肉、と変わるだけです。

伊藤聡史伊藤聡史

神経の滑りを助ける神経モビライゼーションでは、神経を優しく滑らせる方法と、軽く伸ばして張力をかける方法を、症状の強さに合わせて使い分けますね。しびれや痛みが強い時期は、滑らせる方を中心に。

瀬谷崎将也瀬谷崎

ええ。それと、しびれは神経の圧迫が関わるので、こり感のあるところをもむだけでは変わりにくい。圧迫している場所そのものにアプローチすることが基本だと考えています。なで肩や巻き肩など土台の姿勢を整えるのは、背中の痛みと同じ方向のアプローチになります。

ご自宅でできる工夫
  • 頬づえ・長電話・腕枕など、肘を深く曲げ続ける姿勢を減らす
  • 明け方に強いしびれは、寝るときに手首を反らせない工夫を。続くなら早めに相談を
  • 同じ姿勢を続けず、30分〜1時間に一度は肩甲骨を動かす
  • しびれが続く・強くなるときは、自己判断で済ませず医療機関や専門家に相談する

姿勢の土台から整える話はとんとんの背中の痛みアプローチ、首側から見た話はとんとんの頚椎ヘルニアアプローチとんとんのストレートネックアプローチ、症例のまとめは首から腕の痛み・しびれナビもあわせてどうぞ。

とんとんの手のしびれへのアプローチの流れ

ここまでの考え方を、実際の進め方として整理すると、次のような流れになります。

  1. 急いで受診すべきサインを外す脳や脊髄、全身の病気を疑うサインがないかを最初に確認します。急な症状は医療機関が先です。
  2. 圧迫の場所を見極めるしびれる指と悪化する動作から、首・胸の出口・肘・手首のどこで圧迫されているか、見当をつけて確かめます。
  3. 圧迫元をゆるめ、神経の滑りを助ける原因の場所の筋肉のこわばりをゆるめ、関節の動きと神経の滑走を助けます。
  4. 姿勢と使い方を整えるぶり返しにくいよう、肩甲骨や姿勢、日常の使い方を整えます。

手のしびれは、場所さがしが対処の第一歩

手のしびれの多くは、首・胸の出口・肘・手首のどこか一か所での神経の圧迫が関わると言われています。だからこそ、こり感のあるところをもむだけで終えず、まず危険なサインを外し、圧迫の場所を見極めて、そこをゆるめ・動かし、姿勢と使い方を整える。これがとんとんの手のしびれへのアプローチです。変化の出方には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。

※本記事は一般的な情報です。症状の感じ方や経過には個人差があります。強い痛みやしびれ、安静時にも続く痛み、力が入りにくいなどがあるときは、自己判断せず医療機関への受診もご検討ください。

よくある質問

両手ともしびれます。ありえますか?

手根管症候群は左右どちらにも出ることがあります。ただし、両手に加えて足もしびれる、箸やボタンが急に不器用になった、という場合は、首の脊髄や全身の病気のこともあるため、早めの受診をおすすめします。

レントゲンで異常なしと言われたのにしびれます。

神経の圧迫は、骨のレントゲンだけでは分かりにくいことがあります。MRI(エムアールアイ)や神経の検査で分かる場合もあり、異常なしでも原因が見つかることは珍しくありません。

こりのあるところをもんでもらえば、しびれは取れますか?

しびれは神経の圧迫が関わるため、こり感のある所をもむだけでは変わりにくいものです。圧迫している場所そのものをゆるめ・動かし、神経の通りを助けていく施術が基本になります。

何科に行けばいいですか?

整形外科、または脳・脊髄・末梢神経のすべてを診られる神経内科が目安です。急な症状(ろれつが回らない・力が入らないなど)のときは、救急を受診してください。

放っておいても大丈夫ですか?

一時的な圧迫なら軽くなることもありますが、肘部管症候群・手根管症候群は、進むと筋肉がやせて回復しにくくなると言われています。続くしびれは、早めの相談・受診をおすすめします。

手のしびれでお困りの方へ

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瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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