姿勢は「正しく固める」ものではない。とんとんの姿勢アプローチ

ピンと伸ばし続けるより、動ける体へ

姿勢が悪いから不調が出る、だから良い姿勢をキープしないといけない。そう思って、つい体に力を入れて頑張ってしまいます。けれど、固めて頑張る姿勢が答えとは限りません。とんとん整骨院が姿勢の悩みをどう見て、どう考え、どうアプローチをするのか。とんとん社長 瀬谷崎将也と臨床技術責任者 伊藤聡史が分かりやすくご紹介します。

「良い姿勢」と聞くと、背すじをピンと伸ばして固める姿を思い浮かべます。けれど、一つの姿勢を固めて保ち続けること自体が、別の負担になることがあります。大切なのは、どこかが固まって動けていないせいで、他の場所が無理をしていないか。姿勢は「形」より「動き」で見たほうが分かりやすいことがあります。

良い姿勢と猫背の比較。ただ姿勢は「形」だけでなく「動き」で見
良い姿勢と猫背の比較。ただ姿勢は「形」だけでなく「動き」で見ることが大切です(姿勢の悩みのページより)。
朝の首のこわばりや締めつけ感を、姿勢から整えた例もあります(<a hre
朝の首のこわばりや締めつけ感を、姿勢から整えた例もあります(症例レポートを読む)。
新谷優樹新谷優樹

この方は、朝起きたときの首のこわばりと締めつけ感が気になっていました。首そのものだけを見るのではなく、背中や胸郭、肩甲骨の動きまで確認して、固まっていたところを動かせるように整えていきました。

瀬谷崎将也瀬谷崎

姿勢を『良い形で固める』のではなく、動きを取り戻していった例ですね。首の症状でも、背中や胸郭の動きが関わっていることがあります。

良い姿勢を「固める」ことが、別の負担になることがある

伊藤聡史伊藤聡史

『姿勢を良くしなきゃ』と背すじを力んで伸ばし続ける方が多いですが、一つの姿勢を固めて保つこと自体が負担になりますね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

そうなんです、伊藤先生。人の体はこまめに動いて負担を分散している。固めると分散できなくなる。

伊藤聡史伊藤聡史

猫背も背中だけの問題とは限らない。股関節や胸郭、肩甲骨が動かない分を、背中が丸まって補っていることが多い。

瀬谷崎将也瀬谷崎

ええ。だから『形』より『動き』で見たほうが、どこを変えればいいかが見えてきます。

ここがポイント

一つの姿勢を固めて保ち続けることは、それ自体が負担になることがあります。人の体はこまめに動いて負担を分散しているためです。猫背などの姿勢も背中だけの問題とは限らず、股関節や胸郭、肩甲骨の動きの低下を背中が補っていることがあります。姿勢は「形」より「動き」で見る、という考え方です。

猫背を胸郭から見る話は猫背の評価に肋骨下角を。背骨と肩甲骨だけで見ない胸郭チェック、首の前傾と姿勢は首の前傾姿勢はどれくらい負担になるのか、体のつながりは痛い場所が、悪い場所とは限らない。運動連鎖とはにまとめています。

どこが動いていないかを見極める

伊藤聡史伊藤聡史

ただ、姿勢のせいと決める前に、別の原因を疑うサインの除外は要りますね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

はい。手や脚に広がるしびれや力の入りにくさ、安静でも強く痛む、急に強まる痛みがあれば、姿勢の話で片づけず受診を。それを外したうえで、どこが動いていないかを見ます。

伊藤聡史伊藤聡史

固まっている部位と、その分を補っている場所を切り分ける。

瀬谷崎将也瀬谷崎

ええ。そこが分かれば、固めるより動かす方向が定まります。

まれに、この場合は先に医療機関へ

次のような場合は、姿勢の問題と決めず、早めに医療機関を受診してください。

  • 手や脚に広がるしびれ、力が入りにくい感じがある
  • 安静にしていても強く痛む、夜間に痛みで目が覚める
  • 急に強まった痛みや、転倒など強くぶつけた後の痛み
  • 発熱を伴う、または体重減少などの体調変化がある

姿勢から整えた実際の例は朝に感じた首のこわばりと締めつけ感。姿勢から整えた例、寝起きの腰のこわばりは朝起きると腰がこわばる、寝起きの腰痛をどう考えるかもどうぞ。

固めるより、動かす

伊藤聡史伊藤聡史

整える段では、『良い姿勢を一日中キープ』と力ませると、かえって疲れて続きませんね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

そのとおりです、伊藤先生。良い姿勢を一瞬作るより、こまめに姿勢を変えられること、固まった股関節や胸郭を動かせることのほうが大事です。

伊藤聡史伊藤聡史

習慣に落とし込めるかが、長期の結果を分けますね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

おっしゃるとおりです。頑張りすぎず続けられる工夫をお伝えして、動ける体で付き合えるようにします。

ご自宅でできる工夫
  • 「良い姿勢を固める」より、こまめに姿勢を変えることを意識する
  • 固まりやすい股関節・胸郭・肩甲骨を、痛みのない範囲で軽く動かす
  • 長時間同じ姿勢を避け、30分〜1時間に一度は体を動かす
  • しびれや強い痛みがあるときは、姿勢の問題と決めず医療機関に相談する

付き合い方の土台は痛い場所が、悪い場所とは限らない。運動連鎖とは、動作で変わる痛みの見方は曲げる、反る、ひねるで変わる腰痛もどうぞ。

固まった胸郭や肩甲骨を動かせるように整えていきます(施術の様
固まった胸郭や肩甲骨を動かせるように整えていきます(施術の様子)。

とんとんの猫背や姿勢へのアプローチの流れ

ここまでの考え方を、実際の進め方として整理すると、次のような流れになります。

  1. 姿勢の問題と決めず、サインを外すしびれや強い痛みなど、姿勢以外の原因を疑うサインがないかを最初に確認します。
  2. どこが動いていないかを見極める股関節・胸郭・肩甲骨など、固まって動けていない部分と、その分を補っている場所を確認します。
  3. 固めるより、動かす動いていない部分をゆるめ、こまめに姿勢を変えられる体にして、一部に負担が集中しないようにします。
  4. セルフケアと習慣づくり頑張りすぎず続けられる工夫をお伝えし、付き合っていけるようにします。

姿勢は「形」より「動き」。固めるより、動ける体へ

姿勢が悪いから不調が出ると考えがちですが、一つの姿勢を固めて保ち続けること自体が負担になることがあり、猫背なども股関節や胸郭の動きの低下を背中が補っている場合があると言われています。だからこそ、姿勢以外の原因を疑うサインを外したうえで、どこが動いていないかを見極め、固めるより動かす方向で整えていく。これがとんとんの姿勢の悩みへのアプローチです。回復のしかたには個人差があります。

※本記事は一般的な情報です。症状の感じ方や経過には個人差があります。強い痛みやしびれ、安静時にも続く痛み、力が入りにくいなどがあるときは、自己判断せず医療機関への受診もご検討ください。

よくある質問

良い姿勢をキープすれば不調は防げますか?

一つの姿勢を固めて保ち続けること自体が負担になることがあります。良い姿勢を固めるより、こまめに姿勢を変えられること、固まった部分を動かせることが大切だと考えています。

猫背は背中を伸ばせば直りますか?

猫背は背中だけの問題とは限らず、股関節や胸郭、肩甲骨の動きの低下が関わっていることがあります。どこが動いていないかを見て整えていくことが大切です。

姿勢矯正グッズは効果がありますか?

固定して支えることが一時的に楽なこともありますが、固めるほど自分で動いて分散する力は育ちにくくなります。動かせるようにする視点もあわせて持つことをおすすめします。

しびれがあっても姿勢の問題ですか?

手や脚に広がるしびれや力の入りにくさがある場合は、姿勢の問題と決めず、まず医療機関の受診をおすすめします。判断に迷うときは、来院前にお電話でご相談ください。

猫背や姿勢でお困りの方へ

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瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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