超音波治療の周波数と当て方。1MHz・3MHzとプローブ角度

深さに合わせて選び、狙う場所へ当てる
超音波治療の基本を整理

超音波治療は、周波数と当て方の両方が大切です。1MHz・3MHzの使い分けと、プローブを目的部位へ向ける意味を整理します。

この記事について

この記事では、超音波治療で使われる1MHz・3MHzの周波数選択と、プローブの当て方を整理します。届けたい組織の深さに応じて周波数を選び、アプローチしたい部位に向けてプローブを当てるための基本をまとめます。

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指導統括:髙原

超音波は、周波数で届きやすい深さが変わります。さらに、狙いたい場所に向かってまっすぐ入れる意識も大切です。設定と当て方をセットで考えます。

結論:超音波治療では、深層なら1MHz、浅層なら3MHzを基本に考え、目的部位へ向けてプローブを当てることが重要です。

超音波治療は、音波のエネルギーを組織へ伝える物理療法です。出力や周波数の設定も大切ですが、実際の臨床では「どの方向へ当てているか」「プローブと皮膚の間に隙間がないか」も結果に影響します。

同じ設定で照射していても、周波数の選択が目的部位の深さと合っていなかったり、プローブの角度がずれていたり、皮膚との間に空気が入っていたりすると、目的の組織に十分な超音波が届きにくくなります。超音波は設定だけでなく、当て方まで含めて考える必要があります。

超音波治療における1MHzと3MHzの深達度を示した図
1MHzは深層、3MHzは浅層への照射を考えるときに使い分けます。
超音波の周波数と深達度の違いを示した解説図
届けたい組織の深さに応じて、周波数を選ぶことが基本になります。

1MHzと3MHzは深さで使い分ける

超音波治療でよく使われる周波数には、基本的に1MHzと3MHzがあります。大まかに整理すると、1MHzは深層、3MHzは浅層を狙うときに選択されます。

目安として、1MHzは約2〜6cmの深部組織、3MHzは表層から約2cmまでの浅い組織を考えるときに使われます。どちらを使うかは、痛みの場所だけでなく、アプローチしたい組織の深さをもとに判断します。

1MHz 深層への照射を考えるときに選択します。
目安として約2〜6cmの深さにある組織を狙う場合に使われます。
3MHz 浅層への照射を考えるときに選択します。
目安として表層〜約2cmの組織を狙う場合に使われます。
選び方 「痛い場所」だけで選ぶのではなく、狙いたい組織が浅いのか深いのかを考えます。
腱、靭帯、筋、関節周囲など、目的部位の深さに合わせて周波数を選択します。
整理

超音波の周波数は、深さの選択です。深部へ届けたいなら1MHz、浅い組織を狙うなら3MHzを基本に考えます。

超音波は空気を介すると伝わりにくい

超音波を身体に伝えるためには、プローブと皮膚の間に空気の隙間を作らないことが大切です。空気が入ると超音波の伝播が妨げられ、皮膚や組織へエネルギーが入りにくくなります。

そのため、超音波治療ではゲルを使います。ゲルは単なる滑りを良くするものではなく、プローブと皮膚の間を埋めて、超音波を伝えやすくするための媒介です。

ゲルの役割は「すべりを良くすること」だけではありません。プローブと皮膚の間の空気をなくし、超音波を身体へ伝えるための接触条件を整えることが大きな目的です。

プローブの角度で伝わり方が変わる

超音波は、基本的にプローブから出た方向へ進みます。そのため、アプローチしたい組織に向かってプローブを当てることが重要です。目的部位に対して角度がずれていると、狙った場所へ十分にエネルギーが届きにくくなります。

たとえば、皮膚面に対してただ平らに当てるだけでは、深部の狙いたい部位に対して方向が合っていないことがあります。どの組織を狙うのかを決めたうえで、プローブの面をその方向へ向ける意識が必要です。

まっすぐ当てる 目的部位へ超音波を届けやすい当て方です。皮膚面だけでなく、狙う組織の位置と深さを意識してプローブを向けます。
角度がずれる 超音波が狙った方向へ入りにくくなり、目的部位への刺激量が不安定になります。出力を上げる前に、まず当て方を確認します。
空気が入る プローブと皮膚の間に空気があると、超音波が伝わりにくくなります。ゲルを十分に使い、隙間を作らないようにします。

斜めに当てる場合はゲルで隙間を埋める

部位によっては、皮膚に対してプローブを斜めに当てたい場面があります。骨の形、腱の走行、関節の角度、痛みの出ているポイントによって、プローブを完全に平らに置くよりも、少し角度をつけた方が狙いやすいことがあります。

このときに注意したいのが、プローブの先端と皮膚の間にできる隙間です。斜めに当てると、接触していない部分に空気が入りやすくなります。そのまま照射すると伝播が不安定になるため、ゲルを多めに使って隙間を埋めます。

ポイント

プローブを斜めに当てる場合は、角度をつけること自体よりも、プローブと皮膚の間に空気を残さないことが大切です。ゲルを多めに使い、先端と皮膚の間をしっかり埋めます。

臨床で確認したいポイント

超音波治療では、周波数、出力、照射時間、照射モードなどの設定に目が向きやすいですが、プローブ操作も同じくらい重要です。設定が適切でも、当て方が雑になると目的部位への刺激量が変わってしまいます。

  • どの組織を狙っているのかを決めてから照射する
  • 目的部位の深さに合わせて1MHz・3MHzを選ぶ
  • 目的部位に向かってプローブの面を向ける
  • 皮膚とプローブの間に空気の隙間を作らない
  • 斜めに当てる場合はゲルを多めに使う
  • 患者さんの熱感・痛み・違和感を確認しながら行う

出力を上げる前に当て方を見直す

反応が出にくいとき、すぐに出力を上げるのではなく、まずプローブの向きや接触状態を確認します。狙いたい場所に向いているか、ゲルが足りているか、プローブが浮いていないかを見るだけで、照射条件が整うことがあります。

骨突出部や凹凸のある部位は特に注意する

足部、手部、肘まわり、膝まわりなど、凹凸が多い部位ではプローブが皮膚に密着しにくくなります。平らな部位と同じ感覚で当てると隙間ができやすいため、ゲルの量や角度を調整します。

安全に行うための注意点

超音波治療は、当て方だけでなく禁忌や照射条件の確認も欠かせません。感覚障害が強い部位、循環状態が悪い部位、急性炎症が強い部位、成長軟骨や妊娠中の腹部など、照射を避けるべき場面があります。

また、プローブを止めたまま照射し続けると、局所的に刺激が集中しやすくなります。目的部位に向けながらも、必要に応じてゆっくり動かし、患者さんの反応を確認しながら行います。

超音波は、設定・当て方・安全確認がそろって初めて使いやすくなる物理療法です。出力だけでなく、プローブ操作まで含めて管理します。

超音波治療は「深さ」と「向き」を合わせて考える

超音波治療では、届けたい組織の深さに合わせて周波数を選ぶことが大切です。深層を狙うなら1MHz、浅層を狙うなら3MHzを基本に考えます。

そのうえで、プローブをどの方向へ向けるかも重要です。超音波はプローブから出た方向へ進むため、アプローチしたい組織に向けてまっすぐ当てる意識が必要です。

また、超音波は空気を介すると伝わりにくくなります。皮膚に対して斜めに当てる場合は、プローブの先端と皮膚の間にできる隙間をゲルで埋め、伝播しやすい接触状態を作ります。

超音波をうまく使うには、周波数、目的部位、照射角度、ゲルの量、患者さんの反応を合わせて確認することが重要です。

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指導統括:髙原

超音波は、周波数で深さを選び、プローブの向きで届ける方向を整えます。設定だけでなく、当て方まで確認しておくと物療の精度が上がります。

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