一次痛と二次痛とは?Aδ線維・C線維で考える痛みの伝わり方
施術・検査ガイド
鋭い痛みと、あとから残る鈍い痛み
痛みの質を神経線維から整理する
痛みの伝わり方を知ると、問診の聞き方が変わります。Aδ線維は速く鋭い一次痛、C線維は遅く鈍い二次痛に関わります。
この記事は、痛みの伝導とAδ線維・C線維の違いについて整理したものです。一次感覚ニューロンから脊髄後角へ痛みが伝わる流れ、鋭く速い一次痛と、鈍く遅い二次痛の違いを、臨床での痛みの聞き取りに活かすための基本としてまとめています。
結論:痛みは、Aδ線維による速く鋭い一次痛と、C線維による遅く鈍い二次痛を分けて考えると、症状の聞き取りが整理しやすくなります。
痛みは、ただ「痛い」という一言で済ませてしまうと、かなり多くの情報が抜け落ちます。ズキッと鋭く走る痛みなのか、あとからジワジワ残る鈍い痛みなのか。場所がはっきりしているのか、ぼんやり広がるのか。それだけでも、痛みの背景を考える材料になります。
痛みの伝導では、末梢で受け取った刺激が一次感覚ニューロンを通り、脊髄後角で二次感覚ニューロンへ伝わります。この一次感覚ニューロンには、Aδ線維とC線維という性質の違う神経線維が関わります。

痛みはどこを通って伝わるのか
痛みの刺激は、末梢の受容器で受け取られ、一次感覚ニューロンを通って脊髄へ入ります。脊髄後角では二次感覚ニューロンと接続し、そこから上位中枢へ情報が送られていきます。
この最初の入力を担う一次感覚ニューロンには、太さや髄鞘の有無、伝導速度が異なる神経線維があります。痛みを考えるうえで特に重要なのが、Aδ線維とC線維です。
痛みは「患部で起きていること」だけでなく、「神経がどう伝えているか」も関わります。だから痛みの質や時間差を聞くことが大切です。
Aδ線維:速く鋭い一次痛
Aδ線維は、比較的太く、有髄の神経線維です。髄鞘があるため伝導が速く、刺激を受けた直後に感じる鋭い痛みを伝えます。これが一次痛です。
| 伝わり方 | 速く伝わります。刺激を受けた直後に、ズキッ、チクッとした痛みとして感じやすいです。 |
|---|---|
| 痛みの質 | 鋭い、刺すような、場所が比較的はっきりした痛みとして表現されやすいです。 |
| 臨床での聞き方 | 「最初にズキッと来ましたか」「痛む場所は一点で分かりますか」と聞くと整理しやすくなります。 |
C線維:遅く鈍い二次痛
C線維は、細く、無髄の神経線維です。伝導速度が遅く、刺激のあとにジワジワ続くような痛みを伝えます。これが二次痛です。
| 伝わり方 | 遅く伝わります。最初の鋭い痛みのあとに、鈍く重い痛みが残るように感じることがあります。 |
|---|---|
| 痛みの質 | 鈍い、重い、焼けるような、うずくような、広がるような痛みとして表現されやすいです。 |
| 臨床での聞き方 | 「あとからジワジワ残りますか」「痛みの範囲は広がりますか」と聞くと情報が集めやすくなります。 |
Aδ線維は速く鋭い痛み、C線維は遅く鈍い痛み。患者さんの言葉をこの2つに当てはめて聞くと、痛みの性質が整理しやすくなります。
一次痛と二次痛の違い
一次痛と二次痛は、同じ痛みの中でも時間差と質が違います。ケガをした瞬間の鋭い痛みと、そのあとに残るズーンとした痛みを分けて考えるとイメージしやすくなります。
| 一次痛 |
主にAδ線維が関わります。 速い、鋭い、局在が比較的はっきりしている、危険をすぐ知らせる痛みです。 |
|---|---|
| 二次痛 |
主にC線維が関わります。 遅い、鈍い、広がりやすい、あとから残りやすい痛みです。 |
| 評価での意味 | 痛みの質と時間差を分けることで、急性の刺激、炎症、過敏性、慢性化の要素を考えやすくなります。 |
問診では痛みの言葉を分けて聞く
臨床では、痛みの伝導をそのまま患者さんに説明する必要はありません。ただ、こちらが仕組みを理解しておくと、質問の仕方が変わります。
- 最初にズキッと鋭く痛むのか
- あとからジワジワ鈍い痛みが残るのか
- 痛む場所が一点で分かるのか
- 痛みが広くぼんやりしているのか
- 動かした瞬間だけ痛いのか、安静時にも残るのか
- 熱感、腫れ、しびれ、過敏さを伴うのか
痛みの評価では、「どこが痛いか」だけでなく、「どんな痛みが、いつ出て、どれくらい残るか」を聞くことが大切です。
施術・物療でどう活かすか
痛みの伝導を理解しておくと、施術や物療の刺激量を考えるときにも役立ちます。鋭い痛みが強く出る状態なのか、鈍い痛みが長く残る状態なのかで、刺激の入れ方や確認すべき反応が変わります。
| 鋭い痛みが強い | 急性刺激や機械的な痛みが強い可能性を考えます。強い刺激を避け、症状の再現性と安全性を確認します。 |
|---|---|
| 鈍い痛みが残る | 炎症、過敏性、循環、組織の反応などを考えます。施術後の残り方や翌日の変化も確認します。 |
| 痛みが広がる | 局所だけでなく、神経系の過敏性や関連痛、周辺組織の関与も含めて評価します。 |
痛みの伝導を知ることは、難しい神経学のためだけではありません。患者さんの言葉を整理し、刺激量を決めるための実用的な土台になります。
関連症状:こんな訴えと合わせて見る
- ズキッと鋭い痛みが走る
- あとからジワジワ痛みが残る
- 痛む場所がはっきりしない
- 痛みが広がる、重だるく残る
- 動かした瞬間と、その後の痛み方が違う
- 痛みの性質を施術前後で比較したい
急に強い痛みが出た、しびれや脱力を伴う、発熱や外傷を伴う、夜間痛が強い、排尿・排便の異常がある場合は、まず医療機関での確認が必要になることがあります。
痛みの質を分けると、評価の解像度が上がる
痛みは、一次感覚ニューロンを通って脊髄後角へ伝わり、二次感覚ニューロンへ接続します。その入り口で重要になるのが、Aδ線維とC線維です。
Aδ線維は速く鋭い一次痛、C線維は遅く鈍い二次痛に関わります。患者さんが訴える痛みを、鋭いのか、鈍いのか、すぐ出るのか、あとから残るのかに分けることで、痛みの背景を考えやすくなります。
とんとん整骨院では、痛みの場所だけでなく、痛みの質、時間差、広がり方、施術前後の変化を丁寧に確認しながら、身体の状態を多角的に見極めることを大切にしています。














