しびれの問診で何を聞く?部位・経過・危険サインの拾い方

部位、増悪因子、時間経過で危険度が変わる

しびれの問診では、どこがしびれるかだけでは足りません。いつから、どのように、何で強くなり、何を伴うのかまで聞くことで、施術で見てよい症状か、医療機関につなぐべき症状かを判断しやすくなります。

この記事について

この記事は、とんとん整骨院の研修担当 伊藤先生が、しびれ・感覚障害の臨床で確認したい問診ポイントをまとめた解説です。しびれの部位、症状の質、増悪因子、時間経過、危険サインを整理しています。

伊藤先生
研修担当:伊藤

しびれは、場所だけ聞いても判断しきれません。いつから、どう変わっているか、何をすると強くなるか、脱力や歩行障害があるか。問診で拾う情報がかなり大事です。

結論:しびれの問診では、部位・質・経過・増悪因子・随伴症状をセットで聞くことが大切です。

しびれの訴えを聞く時、「どこがしびれますか?」だけで終わってしまうと、重要な情報を取りこぼすことがあります。同じ手のしびれでも、急に出たのか、少しずつ出たのか、首の動きで変わるのか、顔や足にも出ているのかで意味が変わります。

問診は、検査の前に方向を決めるための大切な時間です。神経根、末梢神経、脊髄、中枢神経系、血管性要因など、どの可能性を優先して確認するかを絞っていきます。

まずは範囲と左右差を聞く

しびれの問診で最初に確認したいのは、症状の範囲です。手だけなのか、足だけなのか、顔を含むのか、体幹にもあるのか、片側か両側かを聞きます。

範囲と左右差は、末梢神経、神経根、脊髄、中枢神経系を考える入口になります。たとえば、片側の顔と手足に急に感覚異常が出た場合は、末梢神経だけで説明するのは難しくなります。

片側だけ 末梢神経や神経根だけでなく、中枢神経系の所見も含めて慎重に見ます。急な発症なら特に注意します。
両側にある 脊髄、末梢神経障害、全身性の要因などを考えます。左右対称か、片側優位かも確認します。
顔を含む 顔面の感覚異常がある場合は、中枢神経系のサインとして拾う必要があります。ろれつや麻痺も確認します。
体幹を含む 胸やお腹の高さから下で感覚が変わる場合は、脊髄レベルの関与も考えます。

しびれの場所は、点ではなく範囲で聞きます。片側か両側か、顔や体幹を含むかで確認すべき内容が変わります。

ビリビリなのか、鈍いのか、痛いのか

次に、しびれの質を聞きます。患者さんが「しびれる」と言っていても、実際には異常感覚、感覚鈍麻、神経障害性疼痛、筋力低下が混ざっていることがあります。

ビリビリするのか、触った感覚が鈍いのか、焼けるように痛いのか、力が入りにくいのかを分けることで、検査の方向性が決まります。

  • ビリビリ、ジンジン、ピリピリするか
  • 触った感覚が鈍い、分かりにくいか
  • 熱い、冷たい、痛いが分かりにくいか
  • 焼けるような痛み、電気が走るような痛みがあるか
  • 力が入りにくい、物を落とす、つまずくなどがあるか

いつから、どう変わっているか

時間経過は、危険度を判断する重要な情報です。急に出たしびれ、どんどん広がるしびれ、脱力を伴って進行するしびれは、慎重に扱います。

反対に、何年も同じ範囲で変化が少ない症状でも、日常生活への影響や既往歴、検査所見と合わせて見ます。長く続いているから問題ない、とは決めません。

急に出た 脳血管障害、急性の神経障害、血管性の問題なども含めて確認します。顔面症状やろれつ、脱力を必ず聞きます。
徐々に出た 神経根、末梢神経、糖尿病性ニューロパチー、脊柱管狭窄症など、経過と分布を合わせて見ます。
広がっている 進行性の症状として慎重に扱います。筋力低下や歩行障害、膀胱直腸症状がないか確認します。
繰り返す 姿勢、動作、歩行距離、睡眠姿勢、仕事動作など、誘発条件を細かく聞きます。

何で強くなり、何で楽になるか

しびれが姿勢や動作で変わるかは、とても大切です。首や腰の動き、座位、立位、歩行、睡眠姿勢、仕事動作などで変化するかを確認します。

また、休むと楽になるのか、前かがみで楽になるのか、手を振ると楽になるのか、温めると変わるのかなども聞きます。増悪因子と軽減因子は、検査の優先順位を決めるヒントになります。

問診のコツ

「何をするとしびれますか?」だけでなく、「何をすると楽になりますか?」も聞きます。悪化条件と軽減条件の両方が、原因を考える手がかりになります。

必ず確認したい危険サイン

しびれの問診では、施術で様子を見る前に医療機関での評価を考えるべきサインを拾います。急な片側症状、顔面症状、ろれつ、歩行障害、進行する脱力、排尿・排便の異常などです。

重要

急な片側のしびれ、顔や手足の感覚異常、ろれつが回らない、歩けないほどのふらつき、進行する筋力低下、排尿・排便の異常、サドル部の感覚異常がある場合は、医療機関での評価を優先します。

問診から検査につなげる

問診で得た情報は、その後の検査につなげます。手のしびれなら頚椎、末梢神経、胸郭出口、糖尿病性ニューロパチーなどを考えます。足のしびれなら腰椎、末梢神経、脊髄、血管性要因などを見ます。

大切なのは、問診と検査所見が同じ方向を向いているかです。症状の範囲、筋力、知覚、腱反射、誘発テスト、歩行の変化を合わせて確認します。

しびれの問診で聞きたい項目

  • どこがしびれるか、範囲はどこまでか
  • 片側か両側か、顔や体幹を含むか
  • ビリビリか、鈍いのか、痛いのか
  • いつから出たか、急に出たか、広がっているか
  • 何で強くなり、何で楽になるか
  • 脱力、歩行障害、排尿・排便の異常がないか

しびれの問診は、検査の方向を決める入口

しびれの問診では、部位だけでなく、症状の質、左右差、時間経過、増悪因子、軽減因子、随伴症状を確認します。これらを聞くことで、どの神経系を優先して確認するかが見えやすくなります。

特に、急な発症、片側症状、顔面症状、ろれつ、歩行障害、進行する脱力、排尿・排便の異常は見逃したくない情報です。

とんとん整骨院では、しびれの訴えを一つの言葉でまとめず、問診と神経学的所見を照らし合わせながら、必要に応じて医療機関での評価につなげています。

伊藤先生
研修担当:伊藤

しびれは、問診の段階でかなり情報が取れます。場所だけではなく、質、経過、変化する条件、危険サインまで聞いてから検査に入ると、見立てが組み立てやすくなります。

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