スポーツのあとに出る首肩のこり、ゴルフを始めてからの首肩こりをどう考えるか。症例をスタッフで検討

スポーツのあとに出る首肩のこり、なぜ「肩甲骨の姿勢と支える力」に着目したのか

1つの症例を、担当した塩谷健太先生(とんとん整骨院 ときわ台店)と、瀬谷崎・まなぶ・教子とともに検討します。ゴルフを始めてから続く首肩のこり。首肩そのものでなく、肩甲骨の姿勢と支える力に出どころを見た判断について、所見という事実と、経過という結果から、その妥当性を確かめていきます。

とんとんでは、1つの症例を担当者だけの判断で終わらせず、スタッフ同士で検討して見方を確かめています。今回は、半年前にゴルフを始めてから首肩が痛むようになり、その後は仕事中にも首肩の張りが続くようになった30代の男性の症例です。事実と結果から見ていきます。

症例カルテ:スポーツのあとに出る首肩のこり、肩甲骨の姿勢と支える力に着目
今回検討する症例(担当:塩谷先生)。詳しい経過は症例レポートに掲載しています。
事実:所見と経過

主訴=ゴルフを始めてから続く首肩のこり、仕事中の首肩の張り(30代・男性)。背景=半年前にゴルフを始めてから首肩が痛むようになり、その後は仕事中にも強いこり感が続いた。所見=首を動かすと張り感・こり感、肩甲骨が外に開いて下がる姿勢のかたより、肩を支える筋肉(僧帽筋)の働きの低下。とらえ方=肩甲骨の姿勢のかたよりと支える力の低下により、首肩に負担が集まっていたと考えた。対応=胸の前(小胸筋・前鋸筋・上腕二頭筋)の押圧、肩を支える筋肉(僧帽筋)のトレーニング、胸まわりのセルフケア。経過=日常で感じていた首肩のこりが和らぎ、ゴルフや仕事を続けても負担が気になりにくくなった。現在は再発予防のメンテナンスを継続。
※経過には個人差があり、すべての方に同じ変化を保証するものではありません。気になる症状は医療機関への受診もご検討ください。

ゴルフを始めてから首肩がこる、原因は肩甲骨の姿勢か

主訴はゴルフを始めてから続く首肩のこり。けれど塩谷先生は、首肩そのものより、肩甲骨の姿勢と支える力に出どころがあるのではないか、と考えました。その根拠を確かめます。

塩谷先生塩谷先生

主訴は、ゴルフを始めてから続く首肩のこりでした。所見をとると、肩甲骨が外に開いて下がり、胸の前が硬く、肩を支える筋肉の働きが落ちていました。痛む首肩そのものより、その土台になる肩甲骨の姿勢と支える力に出どころがあるのではないか、と考えました。

まなぶ先生まなぶ先生

首肩がこると、首肩そのものが疲れているように思えます。それでも肩甲骨に目を向けたのはなぜですか。

塩谷先生塩谷先生

首肩を楽に保つには、肩甲骨が背中で支えにつく位置にいて、肩を支える筋肉が働いていることが要ります。肩甲骨が外へ開いて下がると、首肩の筋肉が引っぱられ続けてこりがたまる。ゴルフのスイングで体をひねる動きを繰り返したことも、その姿勢を強めた背景になっていたと考えました。

趣味のゴルフを、続けながら整えていけるか

この方は、ゴルフを続けたい、という希望がありました。そこを確かめます。

教子先生教子先生

趣味を続けたい、という希望なんですよね。念のため、腕や手のしびれ・力の入りにくさ、頭痛や吐き気、安静にしても強く痛む、急に強くなった・だんだん悪化するといった、急いで受診すべきサインは外せていましたか。

塩谷先生塩谷先生

そこは確認しました。腕や手のしびれ・力の入りにくさ、頭痛や吐き気、安静時の強い痛みはなく、こりは首肩を動かす・同じ姿勢を続けることに伴って変わりました。こうしたサインがあれば医療機関の受診をご案内します。今回はそれらがないことを確かめたうえで、続けたい気持ちを大事にしながら進めました。

瀬谷崎瀬谷崎

始めたばかりの趣味でこるからと、やめてしまうのはもったいない。危ないものを外したうえで、肩甲骨が支えにつけるようにして、胸の前の硬さをゆるめる。同じスイングや仕事でも首肩に集まる負担は小さくできます。続けながら整える、という方向が妥当だと思います。

首肩のこりに強い体にするための介入と経過

首肩を直接ほぐすだけで終わらせない、というのが今回の要点でした。

まなぶ先生まなぶ先生

首肩そのものでなく、肩甲骨や胸の前のほうから整えていったんですね。

塩谷先生塩谷先生

はい。硬くなっていた胸の前をゆるめて、肩甲骨が動きやすいようにし、肩を支える筋肉を使えるようにしました。胸まわりのセルフケアや日常動作の見直しも一緒に続けてもらって、日常のこりがまず和らぎ、ゴルフや仕事を続けても負担が気になりにくくなっています。

瀬谷崎瀬谷崎

首肩のこりの出どころを、首肩そのものでなく、肩甲骨の姿勢と支える力に戻して整えにいっているのが要点ですね。支えにつけば、同じスイングや仕事でも首肩に集まる負担が小さくなる。落ち着いた経過もその方向を支持しています。ただ体をひねる趣味を続ける前提なので、胸まわりの柔軟性と支える力づくりは続けていきたいところです。

考察:肩甲骨の姿勢と支える力からとらえる、スポーツのあとに出る首肩のこり

所見という事実(肩甲骨が外に開いて下がる姿勢のかたより・肩を支える筋肉の働きの低下・首肩を動かしたときの張り感)と、経過という結果(日常の首肩のこりが和らぎ、ゴルフや仕事を続けても負担が気になりにくくなったこと)。この両方が、「首肩そのものでなく、肩甲骨の姿勢と支える力に出どころを見た」という見立ての妥当性を支えています。スポーツのあとに首肩がこるのは、肩甲骨が支えにつけず、足りない分を首肩の筋肉が受け続けるため。その場をほぐすだけで終わらせず、肩甲骨が支えにつき、肩を支える力を使えるように整える。この症例では、その姿勢が妥当だったと言えます。

※本記事は実際の症例をもとにスタッフで検討したものです。経過には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。強い痛みやしびれ、安静時にも続く痛み、力が入りにくいなどがあるときは、医療機関への受診もご検討ください。

瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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