モートン病を評価する。趾間神経の絞扼とマルダークリック、前足部痛の鑑別
セラピスト向け
足指の付け根のしびれを絞り込む
モートン病は、足趾へ向かう趾間神経が中足骨頭の間で絞扼されて生じる絞扼性神経障害です。第3・4趾間に好発し、前足部の灼熱痛やしびれ、「小石を踏む感じ」を訴えます。先細・高ヒールの履物が増悪因子。中足骨頭部痛や疲労骨折、MTP関節滑膜炎との鑑別と、履物・荷重の見直しが要点になります。
前足部の痛み・しびれは原因が複数あります。臨床ではモートン病を、絞扼性神経障害として、病態・評価・鑑別・保存療法に分けて整理します。
病態:趾間神経の絞扼
モートン病は、総底側趾神経が深横中足靭帯の下で機械的刺激を受け、神経周囲の線維化(いわゆる神経腫様変化)をきたした状態です。第3・4中足骨頭間に好発し、ここは内側・外側からの神経が合流して太く、可動性の差で負担が集中しやすいとされます。
荷重や蹴り出しで中足骨頭間が圧迫されると、足趾へ放散する灼熱痛・しびれが生じます。先の細い靴やヒール、開帳足、前足部への荷重集中が増悪に関わります。女性に多い傾向があります。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎疫学と自然経過(期待値の設定)
中年女性に多く、履物の影響が大きい症状です。履物の見直しやパッド・インソールで軽快する例がある一方、神経の変化が進んだ例は保存療法で改善しにくいこともあります。
「履物・荷重の見直しで改善が期待できるが、進行例は保存で取りきれないこともあり、注射や手術が選択肢になる」という見通しを共有しておくと、段階的な相談につなげられます。
評価:単独所見で決めない
- 趾間の圧痛:第3・4趾間(次いで第2・3)の中足骨頭間の圧痛
- マルダークリック:前足部を内外側から圧迫し、足趾の症状再現とクリック
- 症状の質:足趾へ放散する灼熱痛・しびれ、「小石を踏む感じ」
- 増悪因子:先細・ヒールの履物、長時間の立位・歩行
- 足部:開帳足、前足部への荷重集中、胼胝の分布
所見は組み合わせて解釈します。趾間の圧痛と放散症状、マルダークリックが揃うほど神経側を支持しますが、画像(必要に応じて)と合わせて鑑別します。
鑑別(外せないもの)
- 中足骨頭部痛(メタタルサルジア):中足骨頭直下の圧痛・胼胝
- 中足骨疲労骨折:限局した骨の叩打痛、運動歴
- MTP関節滑膜炎・不安定(第2趾など)、関節リウマチ
- Freiberg(フライバーグ)病(中足骨頭壊死):若年の中足骨頭部痛
- 足根管症候群など近位の神経障害、腰由来の放散
介入:履物と荷重を設計する
神経への機械的刺激を減らすことが軸です。履物と荷重の見直しを中心に組み立てます。
- 履物指導:足趾の幅にゆとり、ヒールを抑える(増悪因子の除去)
- パッド・インソール:中足骨パッドで中足骨頭間を広げ、神経への圧を分散
- 荷重・歩行:前足部への荷重集中を減らす、足部内在筋の運動
- 運動連鎖:足部アライメント・後足部の影響も評価
- 連携:保存で取りきれない例は注射や手術の適応評価を整形外科へ
履物・中足骨パッドなどの保存療法が第一ですが、神経の変化が進んだ難治例では、ステロイド注射や手術(神経剥離・切除など)が検討されます。徒手のみで症状を消そうと無理をせず、改善が乏しい場合は整形外科につなぎます。前足部痛は疲労骨折など他の原因も含むため、限局した骨の痛みには注意します。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎前足部痛を「神経か骨か」で分ける
モートン病は、趾間の圧痛と足趾への放散、マルダークリックを症状に結びつけて絞り込みます。中足骨頭部痛や疲労骨折との鑑別を押さえ、履物と荷重の見直しから組み立てます。難治例は整形外科へつなぎます。














