軽い荷物を持とうとして痛め、靴下をはくのもつらかった腰の痛みが施術を経て楽になった例(50代女性)
主訴
2026年8月、腰の痛みでご来院されました。もともと腰痛はあったものの、仕事中に軽い荷物を持とうとした際に腰に「ピキッ」とした痛みが走り、その後から少しずつ痛みが強くなってきたとのことでした。前かがみや体を反らす動きで痛むほか、座っているだけでも腰の痛みを感じ、日常生活ではズボンや靴下をはく動作でも痛みが出る状態でした。
当院の評価
患者様への説明
前かがみと体を反らす動きの両方で腰に痛みが出て、座っている姿勢でも痛みを感じる状態でした。姿勢を確かめると、腰が強く反った状態(腰椎の過伸展)がみられました。股関節の前側の筋肉が硬く、骨盤が前に傾いて腰が反りやすくなっているため、日常のちょっとした動作でも腰に負担が集まりやすくなっていた可能性があります。
日常動作・解剖学的動診
【日常】軽い荷物を持とうとした際に腰へ鋭い痛み/前屈・後屈で疼痛/座位でも腰痛/ズボン・靴下をはく動作で疼痛 【検査】腰部前屈・後屈で疼痛、座位保持で腰部に疼痛
身体機能評価
静的アライメントで腰椎の過伸展(反り腰)/股関節屈筋群(腸腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋)の短縮/腹斜筋の出力低下
判断
腰が強く反った姿勢が土台にあり、股関節の前側の硬さによって骨盤が前に傾いたまま腰で動きを補っていたことで、軽い荷物を持つ動作をきっかけに腰へ負担が集中したと推測しました。股関節の前側をゆるめて腰の反りを減らし、お腹の横の筋肉で体幹を支えられるようにしつつ、痛みの強い部位には電気療法を併用する方針としました。
施術の様子
患者様への説明
腰への負担を減らすことを目的に、股関節の前側の筋肉(腸腰筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋)を手でていねいにゆるめ、骨盤が前に傾きすぎない状態をつくりました。あわせて、お腹の横の筋肉(腹斜筋)のトレーニングをお伝えし、体幹で腰を支えられるようにしていきました。痛みの強い部位には、ハイボルト(高電圧の電気療法)も行いました。
専門的内容
【手技療法】股関節屈筋群(腸腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋)へのアプローチ/【運動療法】腹斜筋のトレーニング指導/【物理療法】疼痛部位へのハイボルト(高電圧電気療法)
施術の経過
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初期
初回の施術後には腰の痛みが軽くなり、動きやすさを感じていただけました。
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中期
3回目には、前かがみや反らす動き、座っているときの腰の痛みが気にならなくなりました。ズボンや靴下をはく動作も、痛みを気にせずに行えるようになりました。
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後期
その後は再発予防と体の状態を保つことを目的に、現在もメンテナンスとして継続して通っていただいています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 8,400円
通院の目安
施術回数
3回目までに痛みが気にならなくなり、その後もメンテナンスで継続中
施術期間
初回で痛みが軽くなり、3回目で日常の痛みが気にならなくなる。その後は再発予防のメンテナンスで継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「軽い荷物を持とうとした拍子に腰へ痛みが走り、その後は前かがみや反らす動き、座っている姿勢や着替えの動作でも腰が痛む状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして軽い荷物を持っただけで、腰を痛めるの?
軽い荷物を持つ動作は、本来は股関節が曲がって体幹が支えることで、腰にかかる負担が分散されると言われています。腰が強く反った姿勢(反り腰)が習慣になっていると、腰の関節や筋肉は常に縮んだ状態で働き続けており、ちょっとした動作が最後のひと押しになって痛みが出やすいと考えられています。荷物の重さそのものより、日ごろから腰に集まっていた負担の積み重ねがきっかけとなって表に出た、と捉えると理解しやすい場合があります。
反り腰と股関節の前側の硬さの関係
股関節の前側にある筋肉(腸腰筋や大腿直筋など)が硬くなると、骨盤が前に引かれて傾き、その上に乗る腰は反った姿勢になりやすいと言われています。この状態では前かがみでも反らす動きでも腰が動きの中心になりやすく、座っているだけでも腰の筋肉が休めないため、座位や着替えといった負荷の小さい場面でも痛みが出ることがあります。
お腹の横の筋肉を鍛える理由
股関節の前側をゆるめて骨盤の傾きが戻りやすくなっても、体幹で支える力が弱いままだと、腰は再び反った姿勢に戻りやすいと考えられています。お腹の横の筋肉(腹斜筋)が働くと、肋骨と骨盤の距離が保たれ、腰の反りすぎを抑えやすくなるため、施術で得られた変化を日常の姿勢に定着させる目的でトレーニングを組み合わせることがあります。
軽い荷物を持とうとして出た腰の痛みでは、その場の動作だけでなく、腰が反りすぎていないか、股関節の前側が硬くなっていないか、お腹の横の筋肉で体幹を支えられているかをあわせて確かめることが役立つと言われています。
杉生 真悟軽い荷物を持っただけで腰を痛めると、「腰が弱くなったのでは」と不安になる方が多い印象です。この方のように、腰が反りすぎた姿勢と股関節の前側の硬さが土台にある場合は、腰そのものより股関節の前側と体幹の支えから見直すことで、日常の痛みが早い段階で落ち着くことがあります。痛みが引いたあとも体幹のトレーニングを続けていただくことが、同じ場面での戻りを小さくすると考えています。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 軽い荷物を持とうとした拍子に腰へ痛みが走った
- 前かがみでも反らす動きでも腰が痛む
- 座っているだけで腰がつらくなる
- ズボンや靴下をはく動作で腰に痛みが出る
- 横から見るとお腹が前に出て、腰が反っている
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 仰向けで両膝を立て、腰と床のすき間を軽くつぶすように息を吐く(腰の反りを抑える)
- 片膝立ちで骨盤を軽く後ろに倒し、後ろ脚の付け根の前側をのばす(股関節の前側のストレッチ)
- 荷物は体に近づけ、股関節から曲げて持ち上げる(腰だけで動かない)
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚にしびれや力の入りにくさが出てきた
- 安静にしていても痛みが強まり続ける
- 発熱や体重減少など、体調の変化を伴う
- 転倒や事故のあとに出た痛みで、動けないほど強い
- 排尿や排便の感覚に変化がある
よくある質問
荷物は軽かったのに、なぜ腰を痛めたのですか?
この症例では、腰が強く反った姿勢と股関節の前側の硬さが土台にあり、日ごろから腰に負担が集まりやすい状態でした。もともと腰痛もあったため、軽い荷物を持つ動作がきっかけとなって痛みが表に出たと考えています。荷物の重さそのものより、腰に負担が集まる姿勢のほうが要因として大きかったと捉えています。
何回くらいで落ち着きましたか?
この症例では、初回の施術後に腰の痛みが軽くなり、3回目には前かがみや反らす動き、座っているときの痛みが気にならなくなりました。その後は再発予防のためにメンテナンスとして継続して通っていただいています。経過には個人差があります。
痛みが落ち着いたのに、通い続ける必要はありますか?
この症例では、腰が反りやすい姿勢に戻らないように、股関節の前側の状態を保ちながら体幹のトレーニングを続ける目的でメンテナンスを行っています。続け方は状態や生活に合わせてご相談しており、必ず続けなければならないものではありません。
杉生 真悟軽い荷物を持とうとして出た腰の痛みは、腰の反りと股関節の前側の硬さを確かめることで、進め方が見えてきます。座っているだけでもつらい方や、着替えの動作で腰が痛む方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








軽い荷物を持とうとした瞬間の痛みでしたが、その動作だけが原因というより、腰が強く反った姿勢と股関節の前側の硬さが土台にあり、日ごろから腰に負担が集まりやすい状態だった方でした。もともと腰痛があったことも、それを裏づけていたと考えています。股関節の前側をゆるめて腰の反りを減らし、お腹の横の筋肉で支える力を育てることで、早い段階で日常の痛みが落ち着きました。痛みが引いたあとも、同じ姿勢に戻らないように体幹のトレーニングを続けていることが、再発を防ぐうえで大切だと考えています。