気になっていた猫背となで肩が施術を経て写真で見ても目立たなくなってきた例(20代女性)
主訴
2026年8月、猫背となで肩が気になるということでご来院されました。どこかが痛むわけではなく、鏡や写真で見たときに背中が丸まって肩が下がって見えることが気になっていたとのことです。姿勢を自分で意識しても長くは続かず、どこから手をつければよいか分からない状態でした。
当院の評価
患者様への説明
立った姿勢を横から見ると、胸の背骨(胸椎)から腰の上のあたりにかけて丸まりが強く、その丸まりの上に乗る形で頭が前に出て、肩甲骨が外側に開いて下がっていました。胸の前の筋肉(小胸筋)が縮んで肩甲骨を前下方に引き、肩甲骨を持ち上げる筋肉(肩甲挙筋)や首の後ろの筋肉(頚部伸筋群)が頭を支え続けている一方で、肩甲骨を背中側で支える筋肉(僧帽筋中部)や、肩甲骨を肋骨に沿わせる筋肉(前鋸筋)の働きが弱くなっていました。なで肩に見えるのは肩そのものの形というより、背中の丸まりと肩甲骨の位置によるものと考えました。
日常動作・解剖学的動診
【姿勢】立位で胸腰椎の後弯増強/頭部前方位/肩甲骨の外転・下制位 【主訴】痛みはなく、見た目の猫背・なで肩が気になる
身体機能評価
胸腰椎後弯の増強/小胸筋・肩甲挙筋・頚部伸筋群の短縮/僧帽筋中部・前鋸筋の出力低下/肩甲骨の外転・下制位
判断
痛みのない姿勢の相談で、胸椎から腰の上にかけての丸まりと、肩甲骨の位置のかたよりがそろっていたことから、背骨の丸まりを戻しやすくしたうえで、肩甲骨を支える筋肉が働ける状態をつくることを方針としました。姿勢は意識だけでは保ちにくいため、丸まりをつくっている胸の前と首まわりの硬さをゆるめ、背中側で支える筋肉を使えるようにしながら、変化を写真で一緒に確かめて進めることとしました。
施術の様子
患者様への説明
胸の背骨から腰の上にかけての丸まりに対して、背骨の動きを引き出す手技と、肩甲骨を前下方に引いている胸の前の筋肉(小胸筋)、頭を支え続けている肩甲骨を持ち上げる筋肉(肩甲挙筋)と首の後ろの筋肉(頚部伸筋群)をゆるめる手技を行いました。あわせて、肩甲骨を背中側で支える筋肉(僧帽筋中部)と、肩甲骨を肋骨に沿わせる筋肉(前鋸筋)を使うトレーニングを行い、丸まりが戻りにくい状態を目指しました。来院のたびに横から写真を撮り、変化を一緒に確かめています。
専門的内容
【手技療法】胸腰椎後弯に対するアプローチ/小胸筋・肩甲挙筋・頚部伸筋群へのアプローチ 【運動療法】僧帽筋中部・前鋸筋のトレーニング 【評価】立位側面の写真による経過比較
施術の経過
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初期
初回に胸の背骨の動きを引き出し、胸の前と首まわりをゆるめました。2回目には、前回の写真と見比べて背中の丸まりがやや変わってきたことをご本人も実感されたとのことです。
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中期
肩甲骨を支える筋肉のトレーニングの比重を増やしながら続け、8回目には、胸の背骨の丸まりが写真で見ても目に見えて減ってきました。肩甲骨の位置も以前より背中側に寄ってきています。
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後期
16回目には、日常の中で姿勢が気にならなくなってきたとのことです。約20回、4か月を経て、現在は2週に1回のペースでメンテナンスの施術を継続されています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
3,740円
2回目以降の料金
7,136円
通院の目安
施術回数
約20回(その後は2週に1回のメンテナンスを継続中)
施術期間
約4か月(その後も継続中)
ここでは、この症例の記録とは別に、「痛みはないものの、背中が丸まり肩が下がって見える猫背となで肩が気になっている状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
意識しても猫背が戻ってしまうのはなぜ?
猫背は、胸の背骨(胸椎)の丸まりが強くなった姿勢で、その上に乗る頭が前に出て、肩甲骨が外側に開いて下がりやすくなります。この姿勢が長く続くと、胸の前の筋肉が縮んで肩甲骨を前下方に引き続け、背中側で肩甲骨を支える筋肉は使われにくくなると言われています。意識して胸を張っても、縮んだ側がゆるんでおらず支える側が働いていなければ、気を抜いた瞬間に元の位置へ戻ってしまいます。
なで肩に見えるのは、肩の形ではなく肩甲骨の位置のことも
なで肩というと肩の形そのものの問題と思われがちですが、背中の丸まりに伴って肩甲骨が外側に開いて下がると、首から肩にかけての線がなだらかに見えることがあります。この症例でも、肩そのものではなく、胸の背骨の丸まりと肩甲骨の位置を整えることを軸に進めました。肩甲骨を背中側で支える筋肉(僧帽筋中部)と肋骨に沿わせる筋肉(前鋸筋)を使えるようにすることで、肩甲骨が元の位置に戻りにくくなります。
写真で変化を確かめながら進める
姿勢の相談は、痛みの相談と違って「楽になった」という手応えが得にくく、続けるうちに変化が分かりにくくなることがあります。この症例では、来院のたびに横から写真を撮り、前回と見比べて変化を一緒に確かめました。2回目で小さな変化を実感し、8回目で丸まりが目に見えて減り、16回目で日常の中で姿勢が気にならなくなるという順序で進んでいます。同じ猫背の相談でも、周りから指摘されて来院された60代女性の例や、仕事中の肩こりを伴っていた20代女性の例のように、気になっている点によって組み立ては変わります。
痛みのない猫背やなで肩の相談では、肩の形そのものではなく、胸の背骨の丸まりと肩甲骨の位置、そして背中側で肩甲骨を支える筋肉が働いているかをあわせて見ることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
中村 拓真「痛くないのに整骨院に行っていいのかな」と迷われる方は多いのですが、姿勢の相談も歓迎しています。猫背は意識だけで保つのは難しいので、丸まりをつくっている硬さと、支える筋肉の両方から一緒に確かめていきましょう。写真で変化を見ながら進めますので、ご自身でも実感しやすいと思います。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 鏡や写真で見ると背中が丸まり、肩が下がって見える
- 意識して胸を張っても、気を抜くとすぐ元に戻る
- 肩が前に入り、首から肩の線がなだらかに見えると言われたことがある
- 長く座っていると背中の上のほうが丸まってくるのを感じる
- 肩甲骨を背中側に寄せる動きがやりにくい、力の入れ方が分からない
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 座っているときは骨盤を立て、胸の背骨を軽く起こす時間を意識的につくる
- 胸の前を開くように両手を後ろで組み、肩甲骨をゆっくり寄せる動きを数回行う
- うつぶせで両腕を横に広げ、肩甲骨を下げながら寄せる動きをゆっくり繰り返す
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 背中の丸まりとともに痛みやしびれが腕や脚に出てきた
- 短い期間で急に姿勢が変わった、または背骨の曲がりが左右に強くなってきた
- 安静にしていても背中や腰の痛みが強く、夜も眠れない
- 息苦しさや胸の痛みを伴っている
- 発熱や体重減少など体調の不調を伴っている
よくある質問
痛みがなくても姿勢の相談で来院できますか?
はい、姿勢の相談も多くいただいています。この症例では痛みはなく、見た目の猫背となで肩が気になっているという相談でした。胸の背骨の丸まりと肩甲骨の位置を確かめ、硬さをゆるめる手技と支える筋肉のトレーニングを組み合わせて進めています。
どのくらいの回数と期間がかかりましたか?
この症例では、2回目で写真上の小さな変化を実感し、8回目で胸の背骨の丸まりが目に見えて減り、16回目で日常の中で姿勢が気にならなくなってきました。約20回、4か月を経て、現在は2週に1回のメンテナンスを継続されています。経過は体の状態や生活によって異なります。
施術だけで姿勢は変わりますか?
この症例では、手技で丸まりをつくっている硬さをゆるめることに加えて、肩甲骨を支える筋肉のトレーニングを行いました。ゆるめるだけでは気を抜いたときに戻りやすいため、支える筋肉を使えるようにする工程を大切にしています。ご自宅で行う動きもあわせてお伝えしています。
中村 拓真猫背やなで肩が気になっている方は、肩の形ではなく胸の背骨と肩甲骨の位置から確かめると進め方が見えてきます。どんな場面で気になるかを教えていただければ、写真で変化を見ながら一緒に進めていきますので、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。










痛みがないと「整骨院に相談してよいのかな」と迷われる方も多いのですが、姿勢の相談も多くいただいています。この方の場合、なで肩に見える原因は肩そのものではなく、胸の背骨の丸まりと肩甲骨の位置にありました。丸まりをつくっている胸の前と首まわりをゆるめるだけでなく、背中側で肩甲骨を支える筋肉を使えるようにしたことで、意識しなくても姿勢が保ちやすくなってきています。来院のたびに写真で変化を一緒に確かめられたことが、続けていただく力になったと感じています。