かがんだあとうまく立ち上がれなかった腰からお尻の痛みが施術を経て楽になった例(60代女性)
主訴
2026年5月、腰からお尻にかけての痛みでご来院されました。数年前から続いている痛みで、お仕事でかがむことが多く、その際に痛くてうまく立ち上がれなくなる状態でした。
当院の評価
患者様への説明
動きの検査では、体を反らす動きとひねる動きで腰からお尻に痛みが出ました。お尻の筋肉(中殿筋・大殿筋・股関節を外にひねる筋肉)の働きが弱まっており、かがんだ姿勢から立ち上がるとき、お尻の支えが足りない分を腰の反りとねじれで補って、腰からお尻に負担が集まっていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】仕事中にかがんだ際、痛くてうまく立ち上がれない 【検査】腰部伸展・回旋で疼痛
身体機能評価
腰部伸展・回旋症候群/中殿筋・大殿筋・外旋筋群(梨状筋以外)の筋力低下
判断
かがんだ姿勢から立ち上がる動きで、お尻の筋肉(中殿筋・大殿筋・股関節の外旋筋群)の支えが足りず、腰の反りとねじれで代償することで、立ち上がるたびに腰からお尻へ負担が集まっていたことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
立ち上がる動きを妨げている股関節まわりの筋肉の硬さをゆるめ、あわせてセルフケアとしてお尻の筋肉のトレーニングを続けていただき、腰の代わりにお尻で支えられる状態を目指す方針で進めました。
専門的内容
【手技療法】大腿直筋・腸腰筋・中殿筋前部・大腿筋膜張筋・梨状筋へのアプローチ/【セルフケア指導】中殿筋・大殿筋・外旋六筋(梨状筋以外)のトレーニング
施術の経過
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初期
2回目のご来院時には、症状の程度が下がり始めていました。5回目までは週2回のペースで施術を進め、5回目にはかなり軽くなっていました。
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中期
その後は週1回のペースへ移行し、9回目には痛みはなくなり、違和感や張り感に変わっていきました。
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後期
10回目以降は2週間に1回のペースへ広げ、その間隔を4回ほど続けても症状が出なくなったことを確認して、通院を終了されました(卒業)。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 7,480円
通院の目安
施術回数
約13回
施術期間
症状が出なくなり、通院を卒業
ここでは、この症例の記録とは別に、「かがんだあと立ち上がるときに出る腰からお尻の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして立ち上がるときに腰やお尻が痛むの?
かがんだ姿勢から立ち上がるときは、股関節を伸ばす大きな力が必要で、本来はお尻の筋肉(大殿筋・中殿筋など)が主役になると言われています。お尻の筋肉の働きが弱まっていると、立ち上がる動きを腰の反りやねじれで補いやすく、かがむたび・立ち上がるたびに腰からお尻へ負担が集まると考えられています。
立ち上がるときの腰やお尻の痛みでは、痛む場所だけでなく、立ち上がる力をどこが出しているか、お尻の支えが足りているかを確かめることが役立つと言われています。
大畑 維吹数年続いている痛みだと「もう付き合っていくしかない」と思われがちですが、動きの検査で負担のかかり方がつかめると、変えられる要因が見つかることがあります。かがむお仕事を続けながらでも進められますので、ご相談ください。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- かがんだ姿勢から立ち上がるときに腰やお尻が痛む
- かがむ作業の多い仕事をしている
- 体を反らす・ひねる動きで痛みが出る
- お尻やももの外側が硬い、または力が入りにくいと感じる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 床の作業では片膝をつくなど、深くかがみ続けない姿勢を取り入れる
- 立ち上がるときは足を前後に開き、お尻とももの力で起き上がるよう意識する
- お尻の筋肉(横・後ろ)を意識した軽いトレーニングを、痛みのない範囲で続ける
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚のしびれや力の入りにくさを伴う
- 安静にしていても痛みが強まり続けている
- 排尿・排便のコントロールがしづらい
- 発熱や、転倒・強くぶつけたあとの痛みを伴う
よくある質問
数年前からの痛みでも変わりますか?
期間の長さだけでは判断できませんが、この症例の方は数年来の痛みで、約13回の経過で症状が出なくなり、通院を終了されました。負担のかかり方を動きの検査で確かめながら、変えられる要因から進めていきます。
通院の終わり(卒業)はどうやって決めるのですか?
この方は通院の間隔を2週間に1回まで広げ、その間隔を4回ほど続けても症状が出ないことを確認したうえで終了としました。間隔を広げても状態が保てるかを、一緒に確かめながら決めています。
お尻のトレーニングは難しくないですか?
セルフケアは、お尻の筋肉を意識した取り組みやすい内容から、お一人おひとりの状態に合わせてご提案しています。この症例でも、施術とあわせてご自宅でのトレーニングを続けていただきました。
大畑 維吹立ち上がるときの痛みは、ゆるめる施術と支えるトレーニングを組み合わせることで、通院の間隔を広げても大丈夫な状態を目指しやすいと感じています。かがむ場面の多い方は、作業姿勢の工夫もあわせてご一緒に進めましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








数年続いた痛みだと「かがむ仕事だから仕方ない」とあきらめてしまう方が少なくありません。この方は、かがむこと自体ではなく、立ち上がるときのお尻の支えが足りないことが負担の要因でした。施術でゆるめるだけでなく、ご自宅でお尻のトレーニングを続けてくださったことで、通院の間隔を広げても症状が出ない状態まで進み、卒業となりました。