座っていると重だるくなっていた長年の腰の痛みが施術を経て楽になった例(30代男性)
主訴
2025年2月、腰の痛み・重だるさでご来院されました。約20年前から症状があり、デスクワーク中心で同じ姿勢が続くと出やすく、動かしていると楽になるとのことでした。ご来院時は、10分ほど座っているだけで重だるさや痛みが出る状態でした。高校生の頃に腰椎分離症といわれた既往があり、もともと体が硬く、これまでマッサージやご自身でのストレッチで対処されていました。
当院の評価
患者様への説明
動きの検査では、動作そのものによる痛みはありませんでした。そこで座っている姿勢に着目して確かめたところ、お尻の横の筋肉(中殿筋)の働きが弱まって伸ばされた状態にあり、ももの外側(大腿筋膜張筋)・股関節の前側(腸腰筋・股関節屈筋群)・もも裏(ハムストリングス)の筋肉に硬さがみられました。座位で骨盤を支える力が弱く、硬い筋肉に引かれた姿勢のまま座り続けることで、腰へ負担が集まっていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】10分ほどの座位で腰の重だるさ・痛みが出る(動かしていると楽) 【検査】動作による疼痛誘発なし=座位姿勢から評価
身体機能評価
中殿筋の弱化・延長/大腿筋膜張筋・腸腰筋・股関節屈筋群・ハムストリングスの短縮/腰椎分離症の既往(高校時代)
判断
座っている姿勢を支える筋肉の働きが弱まり、股関節まわりの筋肉の硬さも重なって、同じ姿勢が続くほど腰へ負担が集まりやすい状態だったことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
硬さのあった股関節まわり・もも裏の筋肉をゆるめ、腰の深部の筋肉(腰方形筋)にもアプローチしました。あわせて、座る姿勢を支えるお尻の筋肉のトレーニングとご自宅でのセルフケアをお伝えし、施術と並行して続けていただきました。
専門的内容
【手技療法】大腿筋膜張筋・腸腰筋・股関節屈筋群・ハムストリングスへのアプローチ/腰方形筋への施術/【運動療法】中殿筋トレーニングの指導+自宅セルフケアの継続
施術の経過
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初期
2回目には、仕事が忙しい中でも痛みがかなり減り、良い状態で過ごせるようになりました。
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中期
3回目には、ほぼ症状を感じなくなりました。
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後期
4回目には、30分座っていても問題ない状態になり、通院を終了されました。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 2,980円
2回目以降の料金
施術 5,500円
通院の目安
施術回数
全4回
施術期間
約1ヶ月で通院を終了
ここでは、この症例の記録とは別に、「同じ姿勢で座り続けると出てくる、腰の痛みや重だるさ」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして座っているだけで腰が重だるくなるの?
座っている間、骨盤や腰はお尻やお腹の筋肉に支えられています。支える筋肉の働きが弱まり、股関節まわりの筋肉が硬いと、崩れた姿勢のまま座り続けることになり、腰の一部へ負担が集まりやすいと言われています。動かすと楽になるのは、同じ場所への負担が途切れるためと考えられています。
動作では痛みが出ないのに座っているとつらい場合、座り姿勢を支える筋肉の働きと、股関節まわりの硬さを確かめることが役立つと言われています。
川口 流世「動かすと楽になる腰痛」は、つい後回しにされがちです。ただ、デスクワークで座る時間そのものは減らせない方が多いので、座る姿勢を支える力を育てていくことが変化の近道になることがあります。学生時代に分離症などを経験された方も、まずはいまの状態からご相談ください。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 座って10〜30分すると腰が重だるくなる
- 動かしたり歩いたりすると楽になる
- デスクワークなど座る時間が長い
- もともと体が硬いと感じる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 30分に一度は立ち上がって歩くなど、同じ姿勢が続く時間を区切る
- 座るときは深く腰かけ、骨盤を立てることを意識する
- 股関節の前側やもも裏を軽く伸ばすストレッチを、痛みのない範囲で続ける
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚のしびれや力の入りにくさを伴う
- 安静にしていても痛みが強まり続けている
- 排尿・排便のコントロールがしづらい
- 発熱や体重減少を伴う腰の痛みが続いている
よくある質問
20年来の症状でも変わりますか?
この症例の方は約20年前から症状がありましたが、全4回・約1ヶ月の経過で、30分座っていても問題ない状態になりました。長く続いた症状でも、負担のかかり方を確かめることから進めていきます。経過には個人差があります。
腰椎分離症といわれたことがあっても施術を受けられますか?
既往を含めて状態を確かめたうえで、その方に合った範囲で進めています。この症例では動作による痛みがなく、座り姿勢を支える筋肉へのアプローチを中心に行いました。症状や経過によっては、医療機関での評価をおすすめする場合もあります。
マッサージやストレッチではだめなのでしょうか?
筋肉をゆるめるケアで一時的に楽になる方は多いのですが、この症例のように支える筋肉の働きが弱まっている場合、ゆるめるだけでは座り姿勢が変わりにくいことがあります。ゆるめる施術と支える力のトレーニングを組み合わせて進めました。
川口 流世座る時間は仕事を続ける限りなくなりません。だからこそ、座り方を支える体の側を変えていく価値があります。セルフケアも含めて、一緒に取り組んでいきましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。









「動かすと楽になるから」と、20年近く付き合ってきた重だるさでした。動きの検査で痛みが出ないタイプの腰の症状は、姿勢を支える力の側に理由が見つかることがあります。この方はセルフケアにも熱心に取り組んでくださり、全4回・約1ヶ月という短い経過で座れる時間が大きく変わりました。分離症の既往がある方も、いまの体の状態から確かめて進めていきます。