つまづいたあとに強まった長年の腰の痛みが施術を経て卒業できた例(40代男性)
主訴
2025年12月、腰の痛みでご来院されました。もともと慢性的な腰の痛みはあったものの、3週間前につまづいたことをきっかけに痛みが強くなったとのことでした。
当院の評価
患者様への説明
動きの検査では、腰を反らす動きで痛みが出ました。お尻の横の筋肉の前側(中殿筋前部)の働きが弱まり、股関節を伸ばす筋肉に硬さがみられました。つまづいて踏ん張った際の負担をきっかけに、もともと弱かった支えと硬さのぶんを腰が引き受け続け、反らすたびに痛みが出る状態になっていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】慢性的な腰の痛みが3週間前のつまづきをきっかけに増強、腰を反らすと痛み 【検査】腰部の伸展動作で疼痛誘発
身体機能評価
中殿筋前部の筋力低下/股関節伸筋群の硬さ/腰部伸展時の疼痛
判断
骨盤を支える中殿筋前部の働きの弱まりと、股関節まわりの筋肉の硬さが背景にあり、つまづいて踏ん張った負担をきっかけに、反らす動きで腰が負担を引き受ける状態が強まったことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
硬さのあったももの前・お尻の横・ももの外側の筋肉(大腿直筋・中殿筋・大腿筋膜張筋)をゆるめて股関節の動きを取り戻し、働きの弱まっていた中殿筋前部はトレーニングで支える力を育てる方針で進めました。
専門的内容
【手技療法】大腿直筋・中殿筋・大腿筋膜張筋へのアプローチ/【運動療法】中殿筋前部のトレーニング
施術の経過
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初期
初回で痛みが軽くなりました。2回目は座った姿勢が続いたことで痛みが初回の状態に戻っていましたが、施術後には再び軽くなりました。
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中期
3回目以降はかなり良くなり、痛みはほぼ気にならなくなりました。座った姿勢が続くと疲労感が出ていましたが、5回目にはその疲労感もなくなりました。
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後期
6回目以降は月1回のメンテナンスを7回ほど続け、症状が出なくなったため通院を終了(卒業)されました。全13回の経過です。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 6,480円
通院の目安
施術回数
全13回
施術期間
月1回のメンテナンスを7回ほど続け、症状が出なくなり通院を終了(卒業)
ここでは、この症例の記録とは別に、「もともとあった腰の痛みが、つまづきなどの小さなきっかけで強まった状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして小さなきっかけで腰の痛みが強まるの?
つまづいて踏ん張る瞬間には、腰と股関節に普段よりずっと大きな力がかかると言われています。骨盤を支えるお尻の筋肉の働きが弱く、股関節まわりが硬い状態では、この一瞬の負担を腰が引き受け、それをきっかけに反らす動きのたびに痛みが出る状態が続きやすくなると考えられています。長年の腰痛がある方ほど、こうした小さなきっかけで悪化しやすいと言われています。
きっかけのある腰痛の悪化では、きっかけそのものより、もともとあった支える力の弱さと股関節の硬さを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
大畑 維吹「つまづいただけなのに」と思うような場面でも、腰が引き受けた負担は意外と大きいものです。慢性的な腰痛がある方は、悪化のきっかけを軽く見ずに、支える力の側から確かめてみてください。終わりの見える進め方をご提案します。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- もともと慢性的な腰の痛みがある
- つまづく・踏ん張るなどの小さなきっかけで痛みが強まった
- 腰を反らすと痛みが出る
- 座った姿勢が続くと腰が疲れやすい
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 痛みの強い時期は、腰を反らす動きや長時間の座位を無理に続けない
- 座り仕事の合い間に立ち上がり、股関節の前側を伸ばすように軽く歩く
- 痛みが落ち着いてきたら、お尻の横の筋肉を意識した軽いトレーニングを痛みのない範囲で続ける
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚のしびれや力の入りにくさを伴う
- 安静にしていても痛みが強まり続けている
- 排尿・排便のコントロールがしづらい
- 転倒や強くぶつけたあとの痛みが続いている、発熱を伴う
よくある質問
長年の腰痛でも終わりはありますか?
経過には個人差がありますが、この症例の方は慢性的な腰痛を持ちながら、全13回の経過で症状が出なくなり通院を終了されました。要因がつかめれば、終わりの見える進め方ができる場合があります。
一度良くなったのに戻るのはなぜですか?
この症例でも、2回目に座った姿勢が続いたことで痛みが初回の状態に戻る場面がありました。支える筋肉が育つまでは日常の負担で戻ることがあり、続けることで戻りにくくなっていきました。
メンテナンスは必ず必要ですか?
状態によります。この症例では、6回目以降に月1回のメンテナンスを7回ほど続けて経過を確かめ、症状が出なくなったところで終了しました。続けるか終えるかは、状態を見ながらご相談しています。
大畑 維吹長年付き合ってきた腰の痛みにも、区切りをつけられることがあります。支える力を育てて、きっかけに負けない腰を一緒に作っていきましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








長年の腰の痛みは「そういうもの」として付き合ってしまいがちですが、つまづきのような小さなきっかけで一気に強まることがあります。この方は2回目に座り仕事で痛みが戻る場面がありましたが、支える筋肉を育てていくことで座ったあとの疲労感まで落ち着き、月1回のメンテナンスを経て卒業されました。慢性的な痛みでも、要因がつかめれば終わりの見える進め方ができる症例でした。