長時間座ったあとに出た右腰の強い痛みが施術を経て楽になった例(40代女性)
主訴
2025年8月、腰の痛みでご来院されました。長時間座っていて腰が痛くなり、腰の右側に強い痛みと、力が抜けるような感じがある状態でした。
当院の評価
患者様への説明
動きの検査では、腰を反らす方向の動きで負担がかかりやすい状態でした。お腹の横の筋肉(腹斜筋)の働きが弱まり、ももの外側の筋肉(大腿筋膜張筋)は強くこわばっていました。長く座ったあとに立ち上がると、こわばった股関節の前側とももの外側に引かれて腰が反り、右側に負担が集中して強い痛みにつながったと考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】長時間の座位のあとに右腰の強い痛みと抜けるような感じ 【検査】腰部の伸展方向で負担、大腿筋膜張筋の攣縮
身体機能評価
股関節伸展症候群/腹斜筋の弱化/大腿筋膜張筋の攣縮
判断
長く座って股関節の前側とももの外側がこわばったところに、支えるお腹の筋肉の働きが弱く、立ち上がりや姿勢を保つ場面で腰が反って右側に負担が集中したことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
こわばっていたももの前・股関節の前・ももの外側の筋肉(大腿直筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋)と、腰の深部の筋肉(腰方形筋)をゆるめて、腰が反りすぎない状態を目指しました。あわせて、骨盤を支えるお腹の横の筋肉(腹斜筋)のトレーニングで、座ったあとも腰が負担を引き受けにくい支えを育てる方針で進めました。
専門的内容
【手技療法】大腿直筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋・腰方形筋へのアプローチ/【運動療法】腹斜筋のトレーニング
施術の経過
-
初期
2回目には、強い痛みが違和感程度に変わりました。
-
中期
3回目には、症状が気にならなくなりました。
-
後期
4回目以降は再発防止のために通院を続け、全7回・約3週間で落ち着きました。現在は首肩まわりも含めたメンテナンスとして通院を続けられています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 7,480円
通院の目安
施術回数
全7回
施術期間
約3週間で落ち着き、現在は首肩まわりも含めたメンテナンスで通院継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「長く座ったあとに出る、腰の片側の強い痛みや抜けるような感じ」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして長く座ったあとに腰が痛むの?
座っている間、股関節の前側の筋肉は縮んだままの状態が続くと言われています。長時間のあとに立ち上がると、縮んでこわばった股関節の前側とももの外側に引かれて腰が反り、支える筋肉が弱いと片側に負担が集中しやすくなると考えられています。強い痛みとともに「力が抜ける」ように感じるのは、腰の筋肉が急な負担に反応しているためと言われています。
座ったあとの強い腰痛では、腰そのものだけでなく、股関節の前側やももの外側の硬さと、骨盤を支えるお腹の筋肉の働きを確かめることが役立つと言われています。
中村 拓真デスクワークや長距離の移動のあとに腰を痛める方は、実は多くいらっしゃいます。座ること自体を減らせない場合でも、座ったあとに腰が負担を引き受けない体の状態は作れますので、ご相談ください。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 長時間座ったあとに立ち上がると腰が痛む
- 腰の片側に強い痛みや抜けるような感じがある
- 股関節の前側やももの外側が硬いと感じる
- 座ったまま腰を反らすとつらい
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 30分から1時間に一度は立ち上がり、股関節の前側を伸ばすように軽く歩く
- 立ち上がるときは、いきなり腰を反らさず、手を膝についてから体を起こす
- 痛みが落ち着いてきたら、股関節の前側やももの外側を軽く伸ばすストレッチを痛みのない範囲で続ける
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚のしびれや力の入りにくさを伴う
- 安静にしていても痛みが強まり続けている
- 排尿・排便のコントロールがしづらい
- 発熱や、転倒・強くぶつけたあとの痛みを伴う
よくある質問
強い痛みでも短い期間で落ち着きますか?
経過には個人差があります。この症例の方は、2回目で強い痛みが違和感に変わり、3回目には気にならなくなり、全7回・約3週間で落ち着きました。要因がはっきりしていると、短い期間で変わることもあります。
「抜けるような感じ」は危険なサインですか?
この症例では、腰の筋肉が急な負担に反応した状態と考え、動きの検査でも神経の症状はみられませんでした。ただし、脚のしびれや力の入りにくさ、排尿・排便の変化を伴う場合は、施術より先に医療機関の受診をおすすめしています。
痛みがなくなったのに通院を続けるのはなぜですか?
この方の場合、痛みの背景に股関節の前側の硬さと支える筋肉の弱まりがありました。落ち着いたあとも要因側を変えていくことで再発しにくい状態を目指し、現在は首肩まわりも含めたメンテナンスとして続けられています。
中村 拓真座る時間が長い生活は変えにくくても、座ったあとの体の反応は変えられます。支える力を育てて、立ち上がりに不安のない腰を一緒に取り戻していきましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。









「抜けるような感じ」を伴う強い腰の痛みは、ご本人にとってかなり怖いものだと思います。この方の場合、長く座ることで股関節の前側とももの外側がこわばり、支えるお腹の筋肉が弱いままで立ち上がることが負担の集中を生んでいました。ゆるめる施術と腹斜筋のトレーニングで3回目には気にならなくなり、いまは腰だけでなく首肩まわりも含めて体の状態を保つ通院に移られています。