トレーニングを中断するほどだった右肩の痛みが施術を経て再開できた例(30代男性)
主訴
2025年6月、右肩の痛みでご来院されました。トレーニング中に痛みが強く出るため、トレーニングそのものを中断している状態でした。
当院の評価
患者様への説明
動きの検査では、腕の骨(上腕骨)が内側にねじれすぎ、さらに上へ引き上げられた位置にあることで、肩を動かすたびに関節の中で骨どうしが近づき、負担がかかって痛みが出ている状態と考えました。腕を大きく使うトレーニングでは、この負担が特に強まると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】トレーニング中に右肩の痛みが強く出て中断 【検査】上腕骨の過剰な内旋と上方への変位、肩関節の動きで疼痛
身体機能評価
上腕骨頭の過剰内旋/上腕骨頭の上方変位/トレーニング動作での疼痛
判断
腕の骨が内側にねじれて上へ引き上げられた位置で動くことで、肩関節の中の余裕がなくなり、腕を大きく使うトレーニングで負担が集まって痛みが出ていたと考えられます。
施術の様子
患者様への説明
腕の骨を内側へねじり、上へ引き上げていた肩の表面の筋肉(三角筋)と胸や脇の筋肉(大胸筋・大円筋・広背筋)をゆるめて、腕の骨を正しい位置に戻し、関節の中の余裕を取り戻す方針で進めました。あわせて、痛みをやわらげる目的で物理療法を行いました。
専門的内容
【手技療法】三角筋(前部・中部・後部)・大胸筋・大円筋・広背筋のリラクゼーション/【物理療法】疼痛抑制を目的に実施
施術の経過
-
初期
お仕事の忙しさもあり、月1回のペースでの通院となりました。
-
中期
初回から10回目の時点で、トレーニングはできるようになりましたが、肩まわりの倦怠感は残っています。
-
後期
現在は、肩の痛みの再発予防と、首肩まわりの倦怠感を減らすことを目的に、月1回のペースで通院を続けられています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円+物理療法 990円
2回目以降の料金
施術 7,480円
通院の目安
施術回数
約10回を経て継続中
施術期間
月1回ペースで通院継続中(肩まわりの倦怠感は残る)
ここでは、この症例の記録とは別に、「トレーニング中に強く出て、続けられなくなるほどの肩の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうしてトレーニングで肩が痛むの?
肩の関節は、腕の骨がちょうどよい位置に保たれることで、大きな負荷にも耐えられると言われています。腕の骨が内側にねじれて上へ引き上げられた位置にあると、関節の中のすき間がせまくなり、腕を大きく使うトレーニングで骨どうしが近づいて負担が集まりやすくなると考えられています。フォームの問題と思われがちですが、腕の骨の位置そのものが背景にある場合もあると言われています。
トレーニング中の肩の痛みでは、種目やフォームだけでなく、腕の骨が関節の中でどんな位置に引かれているかを確かめることが役立つと言われています。
中村 拓真トレーニングが習慣の方にとって、痛みで中断することは体だけでなく気持ちの面でも大きな損失だと思います。腕の骨の位置を整えることで、再開できる方も少なくありません。忙しくて頻繁に通えない方も、その中でできる進め方を一緒に考えますので、ご相談ください。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- トレーニング中に肩の痛みが強く出る
- 痛みで種目を中断・回避している
- 肩が前や上に引き上がった姿勢と言われる
- 首肩まわりの重だるさが続いている
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 痛みの強い時期は、痛みの出る種目を無理に続けず、種目や負荷を調整する
- 胸の前や脇の筋肉を軽く伸ばすストレッチを、痛みのない範囲で行う
- トレーニング前に肩甲骨をゆっくり回して、肩まわりの動きを出してから始める
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 転倒や強くぶつけたあとから痛みが続いている
- 腕のしびれや力の入りにくさを伴う
- 発熱や、肩の腫れ・熱っぽさを伴う
- 痛みが数週間単位で強まり続けている
よくある質問
月1回のペースでも変わりますか?
間隔が空くと変化はゆっくりになりますが、この症例の方は月1回のペースで10回を重ね、中断していたトレーニングを再開できました。一方で肩まわりの倦怠感は残っており、その点は継続して進めています。通院のペースはお仕事や生活に合わせてご相談しています。
トレーニングは完全に休んだほうがいいですか?
状態によりますが、痛みの出る種目や負荷を調整しながら続けられる場合もあります。この症例では、腕の骨の位置を整える施術を重ねながら、トレーニングに戻れる状態を目指しました。
痛みが引いたのに倦怠感が残るのはなぜですか?
痛みが落ち着いても、肩まわりの筋肉の緊張や働き方の癖が残っていることがあります。この症例では、再発予防と首肩まわりの倦怠感を減らすことを目的に、引き続き通院されています。
中村 拓真痛みで止まっていたトレーニングに戻れることは、大きな一歩です。残っている倦怠感も含めて、続けやすいペースで一緒に進めていきましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。










月1回のペースは、施術の間隔としては空きすぎているとも言えますが、この方のお仕事の状況では現実的な選択でした。それでも10回を重ねて、痛みで中断していたトレーニングに戻れたことは大きな変化です。一方で、肩まわりの倦怠感はまだ残っています。良くなった部分だけを切り取らず、残っている課題も含めて記録しておきます。