ジムのトレーニング中に出ていた右肩の痛みが施術を経て楽になってきた例(50代男性)
主訴
2026年7月、右肩の痛みでご来院されました。2ヶ月前から痛み始め、手を前へ伸ばす動作や後ろへ伸ばす動作で痛みがあり、ジムでのトレーニング中にも痛みが出ている状態でした。
当院の評価
患者様への説明
動きの検査と姿勢の評価から、肩甲骨が外側に開いた位置にあり、腕の骨(上腕骨)が前方へ移動しやすい状態がみられました。肩の外側の筋肉(三角筋)が優位に働きすぎていることも重なって、腕の骨の頭と肩甲骨がぶつかるような状態になり、痛みが出ていると考えました。肩甲骨を支える僧帽筋は伸ばされて筋力が低下しており、肩甲骨の動きが少なくなっていました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】手を前・後ろへ伸ばす動作とジムでのトレーニング中に右肩の痛み 【評価】肩甲骨外転位、上腕骨頭の前方移動、肩甲骨の動きの減少
身体機能評価
肩甲骨外転位からの上腕骨頭前方移動/三角筋の過剰な働き/僧帽筋の延長・筋力低下
判断
肩甲骨が開いた位置のまま動きが少なくなり、三角筋が優位に働きすぎることで、腕を動かすたびに腕の骨の頭と肩甲骨がぶつかるような負担がかかっていたことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
働きすぎていた肩まわりの筋肉(三角筋・広背筋・大円筋・大胸筋)をゆるめる手技と、肩甲骨まわりの動きを広げる施術(肩甲胸郭モビライゼーション)を行いました。あわせて、ご自宅では肩甲骨を寄せる体操と広背筋のセルフストレッチに取り組んでいただきました。
専門的内容
【手技療法】三角筋・広背筋・大円筋・大胸筋へのアプローチ/肩甲胸郭モビライゼーションによる肩甲骨可動域の改善/【セルフケア】肩甲骨を寄せる体操・広背筋のセルフストレッチの指導
施術の経過
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初期
4回ほどの施術で、鋭いズキッとした痛みはなくなりました。
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中期
現在は、動かしたときに筋肉の硬さを感じる、鈍い感覚が残っている状態です。
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後期
50kgのマシンプレスを行っても痛みが出なくなり、残った硬さと鈍さに対して通院を継続中です。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 7,480円
通院の目安
施術回数
4回ほどで鋭い痛みがなくなり、継続中
施術期間
通院継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「手を伸ばす動作やトレーニング中に出る肩の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうしてトレーニングで肩が痛むの?
腕を大きく動かすとき、本来は腕の骨と肩甲骨が連動して動くと言われています。肩甲骨が開いた位置のまま動きが少なくなると、腕の骨だけで動きをまかなうことになり、骨の頭が肩甲骨とぶつかるような負担が生まれやすいと考えられています。押す種目など負荷の大きい動きでは、この負担がより強くあらわれやすいと言われています。
トレーニング中の肩の痛みでは、フォームや重量だけでなく、肩甲骨がどれだけ動けているか、外側の筋肉に頼りすぎていないかを確かめることが役立つと言われています。
杉生 真悟鍛えている方ほど、痛みを「追い込みが足りないせい」「年齢のせい」と考えがちです。ただ、外側の大きな筋肉が強いぶん、肩甲骨まわりの支えとのバランスが崩れていることがあります。トレーニングを止めずに進める方法を一緒に考えますので、ご相談ください。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- プレス系など押す種目で肩に痛みが出る
- 手を後ろへ伸ばす動作で肩が痛む
- 肩まわりの筋肉は強いのに、肩甲骨まわりが硬いと感じる
- 休むと楽になるが、再開すると痛みが戻る
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 肩甲骨を後ろへ寄せる体操を、トレーニング前のウォームアップに取り入れる
- 背中や脇の下(広背筋)のストレッチを痛みのない範囲で行う
- 痛みが出る種目は無理に続けず、重量や角度を調整する
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 夜間にうずいて眠れない状態が続いている
- 腕や手のしびれ・力の入りにくさを伴う
- 外傷(転倒・強い衝撃)のあとから痛みが続いている
- 痛みが日ごとに強まり続けている
よくある質問
トレーニングは休まないとだめですか?
この症例の方は、状態を確かめながらトレーニングを続けつつ施術を進め、50kgのマシンプレスを痛みなく行えるようになりました。種目や負荷の調整を含めて、続けながら進められる範囲をご提案しています。
鋭い痛みが取れたのに鈍い感じが残るのはなぜですか?
この症例でも、鋭い痛みがなくなったあとに、動かしたときの筋肉の硬さや鈍い感覚が残っています。ぶつかるような強い負担が減ったあとも、筋肉の硬さや動きの癖は残りやすいため、この段階へのアプローチを継続しています。
マッサージガンでほぐしていますが、それではだめですか?
外側の筋肉をゆるめること自体は役立つ場合がありますが、この症例の背景には肩甲骨の動きの少なさと支える筋肉の弱まりがありました。ゆるめるだけでなく、肩甲骨の動きを取り戻すアプローチを組み合わせることが大切だと考えています。
杉生 真悟トレーニングは長く続けてこそ成果につながります。肩甲骨の動きという土台から見直して、痛みなく追い込める体を一緒に目指しましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








トレーニングを続けたい方の肩の痛みは、「休めば楽になるが、再開すると戻る」のくり返しになりがちです。この方は肩甲骨の動きの少なさと三角筋の働きすぎが背景にあり、4回ほどで鋭い痛みはなくなり、50kgのマシンプレスも痛みなく行えるようになりました。鈍い感覚はまだ残っているため、良くなった部分と残っている部分をそのまま記録しながら、継続してアプローチしています。