重いスーツケースを持って痛めた腰の痛みが施術を経て楽になった例(30代男性)
主訴
2025年6月、前日に重いスーツケースを持って出張へ向かった際、無理のある持ち方をして腰を痛め、ご来院されました。初めての腰痛でどこに行けばよいか分からず、奥様が当院に通われていたことから、ご紹介での来院でした。普段はデスクワークで立つ機会が少なく、以前から腰まわりの硬さを感じていたそうです。
当院の評価
患者様への説明
前かがみ(前屈)と体を横に倒す動き(側屈)で痛みが強く出る状態でした。股関節の動きに制限があり、その分の負担が腰に集まりやすくなっていた可能性があります。運動習慣がなく、お尻の筋肉がうまく使えていない状態もみられました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】重いスーツケースを持った翌日から腰に強い痛み 【検査】体幹の前屈・側屈で痛みが強く出る
身体機能評価
股関節の可動域制限/殿筋群の筋出力低下・筋延長(運動習慣なし)
判断
股関節の動きに制限があり、前かがみや横に倒す動作のたびに腰がその分を代償していたことに加え、お尻の筋肉がうまく働かず腰を支えづらくなっていたことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
この方は、股関節まわりの硬さによって腰に負担が集まりやすくなっていました。まず前ももや股関節前面の筋肉をゆるめて股関節の動きを取り戻し、痛みが落ち着いてきた段階でお尻のトレーニングを加え、腰を支えられる体へ進める方針で進めました。初回は痛みが強かったため、トレーニングは2回目から行いました。
専門的内容
【手技療法】大腿直筋・腸腰筋・大腿筋膜張筋へのアプローチ/【運動療法】殿筋群のトレーニング(痛みが軽減した2回目から)/【セルフケア】ストレッチ・トレーニングの指導
施術の経過
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初期
初回の施術で症状は半分ほどになり、日常の動作が楽になってきました。
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中期
2〜4回目ごろ。運動療法を進めながら、ご自宅でのストレッチとトレーニングもお伝えしました。
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後期
5〜7回目ごろには痛みをほとんど感じなくなり、月1回のメンテナンスへ移行しました。現在はお子さんが生まれ、育児にともなう腰への不安から、月2回のペースでメンテナンスを継続しています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円+物療 1,650円
2回目以降の料金
施術 7,480円+物療 990円
通院の目安
施術回数
約5〜7回
施術期間
改善後、月1回のメンテナンスへ移行
ここでは、この症例の記録とは別に、「重い荷物を持ち上げたときに痛めた腰の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして荷物を持ったときに腰を痛めるの?
スーツケースや荷物を持ち上げた瞬間に、腰を痛めてしまうことがあります。持ち上げる動作では本来、股関節の曲げ伸ばしと、お尻の筋肉の支えが大きな役割を果たすと言われています。股関節まわりが硬かったり、お尻の筋肉がうまく働いていなかったりすると、その分の負担が腰に集中し、無理のある持ち方をした瞬間に腰へ強い負担がかかりやすくなると考えられています。
荷物を持って腰を痛めた場合、痛めた場所だけでなく、股関節がしっかり使えていたか・お尻の筋肉が支えられていたかに目を向けることが役立つと言われています。デスクワーク中心で立つ機会が少ない方は、股関節まわりが硬くなりやすい傾向があります。
塩谷 健太初めて腰を痛めると、どれくらいで動けるようになるのか不安になりますよね。痛みの強い時期は無理をせず、落ち着いてきた段階で少しずつ運動を加えていくのが安心です。股関節の動きやお尻の支えも一緒に確かめながら、無理のない範囲で進めていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- デスクワーク中心で、立ったり歩いたりする時間が少ない
- 前かがみになると腰がつっぱる・硬い感じがする
- 運動の習慣がほとんどない
- 重い荷物を持つとき、腰だけで持ち上げてしまう
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 荷物を持ち上げるときは、腰だけで曲げず、膝と股関節を曲げて荷物を体に引き寄せてから持つ
- 長く座ったあとは、こまめに立ち上がって股関節まわりを動かす
- 痛みが落ち着いてきたら、前ももや股関節前面をゆっくり伸ばす(反動をつけず、痛みのない範囲で)
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚へ広がる痛みやしびれを伴う
- 脚に力が入りにくい感じがある
- 安静にしていても強く痛む、夜間に痛みで目が覚める
- 排尿・排便のしにくさを伴う
- 発熱や、転倒・強くぶつけたあとの痛み
よくある質問
痛めた直後は冷やすほうがよいですか?温めるほうがよいですか?
痛めた直後で熱っぽさがある時期は、無理に温めず、安静を優先したほうがよいと言われています。時期や状態によって適した対応が変わるため、判断に迷うときは自己流で続けず、状態を確認しながら進めることが大切です。
初めての腰痛なのですが、整骨院に相談してよいのでしょうか?
荷物を持ち上げた際に痛めた腰のように、きっかけのはっきりしたケガは柔道整復師が対応できる範囲と言われています。ただし、脚のしびれや力の入りにくさなどを伴う場合は医療機関での評価が優先です。来院時に状態を確認し、必要な場合は受診をご案内します。
良くなったあと、また痛めないためにできることはありますか?
股関節の柔軟性と、お尻や体幹の支える力を保つことが役立つと言われています。荷物の持ち上げ方など日常の動作の工夫とあわせて、ご自宅でできるストレッチやトレーニングをご案内します。
塩谷 健太一度腰を痛めると、荷物を持つのが怖くなる方も多いです。痛みが落ち着いたあとに、股関節の動きとお尻の支えを取り戻しておくことが、繰り返さないための備えになると考えています。育児や仕事で腰を使う場面も、安心して過ごせる状態を目指していきましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。


















初めての腰痛は、どこに相談すればよいか迷いやすいものです。この方は股関節の硬さと、お尻の支える力の弱さが背景にあり、重い荷物を持ったことをきっかけに腰へ負担が集中したと考えられました。痛みの強い時期は無理をせず、落ち着いてから段階的に運動を加えたことで、育児にも安心して取り組める状態へ進めた症例です。