2歳のお子さんの抱っこで強まった腰の痛みが施術を経て楽になった例(40代男性)
主訴
2026年3月、もともと軽い腰の痛みがあったところ、前日に2歳のお子さんを抱っこした際に痛みが強まり、ご来院されました。
当院の評価
患者様への説明
体を反らす動きと、左右にひねる動きで痛みが出る状態でした。股関節の伸ばす方向・ひねる方向の動きに制限があり、その分の負担が腰に集まりやすくなっていた可能性があります。お尻の横の筋肉(中殿筋の前部)やお腹の斜めの筋肉(腹斜筋)がうまく働きにくい状態もみられました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】お子さんの抱っこで腰の痛みが増悪 【検査】体幹の伸展・左右の回旋で疼痛が出現
身体機能評価
股関節の伸展制限・回旋制限/中殿筋前部・腹斜筋の筋出力低下と筋延長
判断
股関節の伸展・回旋の制限により、反らす・ひねる動作のたびに腰がその分を代償していたことに加え、中殿筋前部や腹斜筋がうまく働かず骨盤まわりを支えづらくなっていたことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
この方は、股関節の動きの制限と骨盤まわりの支えの弱さによって、抱っこのように前で重さを支える動作の負担が腰に集まりやすくなっていました。まず前ももや股関節まわりの筋肉をゆるめて動きを取り戻し、あわせてお尻とお腹のトレーニングで支える力を高める方針で進めました。
専門的内容
【手技療法】大腿筋膜張筋・中殿筋前部・大腿直筋・腰方形筋・腸腰筋へのアプローチ/【運動療法】中殿筋後部・腹斜筋のトレーニング
施術の経過
-
初期
2回目には、痛みの頻度・程度ともに減ってきました。
-
中期
3回目には、咳をしたときや横に歩いたときにたまに痛みが出る程度になりました。
-
後期
同じ方針で施術を続け、8回目以降は痛みなく過ごせています。現在は再発予防のため、2週間に1回のペースで施術を継続しています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 1,740円(初回クーポン・ポイント利用)
2回目以降の料金
施術 4,980円
通院の目安
施術回数
約8回
施術期間
改善後、再発予防のため2週間に1回のペースで継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「お子さんの抱っこで強まる腰の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして抱っこで腰の痛みが強まるの?
お子さんの抱っこは、体の前で重さを支え続ける動作です。バランスを取ろうとして腰を反らせた姿勢になりやすく、股関節の動きと、骨盤まわりの筋肉の支えが大きな役割を果たすと言われています。股関節の動きに制限があったり、お尻やお腹の筋肉がうまく働いていなかったりすると、その分の負担が腰に集中しやすくなると考えられています。もともと腰に痛みがある方は、こうした負担の積み重なりで痛みが強まることがあります。
抱っこで腰が痛むときは、腰そのものだけでなく、股関節がどれだけ動いているか・骨盤まわりの筋肉が支えられているかに目を向けることが役立つと言われています。
大畑 維吹育児中の抱っこは避けられない動作なので、痛みが出ると不安になりますよね。痛みの強い時期は持ち方の工夫で負担を減らしつつ、股関節の動きと骨盤まわりの支えを一緒に確かめていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 小さなお子さんの抱っこや育児の時間が長い
- 体を反らすと腰がつまる感じがする
- もともと腰の痛みを繰り返している
- 振り向く・体をひねる動きで腰が気になる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 抱っこするときは、お子さんを体から離さず、引き寄せてから持ち上げる
- 抱っこや同じ姿勢が続いたら、こまめに体勢を変える
- 痛みが落ち着いてきたら、前ももや股関節まわりをゆっくり伸ばす(反動をつけず、痛みのない範囲で)
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚へ広がる痛みやしびれを伴う
- 脚に力が入りにくい感じがある
- 安静にしていても強く痛む、夜間に痛みで目が覚める
- 排尿・排便のしにくさを伴う
- 発熱や、転倒・強くぶつけたあとの痛み
よくある質問
痛みがあるあいだ、抱っこは控えたほうがよいですか?
育児では抱っこを完全に避けるのは難しいものです。持ち上げるときに膝と股関節を使ってお子さんを体に引き寄せるなど、腰への負担を減らす工夫が知られています。痛みが強い時期の過ごし方は状態によって変わるため、来院時にご相談ください。
もともとあった腰痛と、今回の痛みは関係がありますか?
もともと負担が積み重なっていたところに、抱っこのような大きな負荷がきっかけとなって痛みが強まることがあると言われています。痛みの出方や動きの状態を確認しながら、背景にある負担も含めてみていきます。
良くなったあと、また強い痛みを出さないためにできることはありますか?
股関節の柔軟性と、お尻やお腹の支える力を保つことが役立つと言われています。抱っこの持ち方の工夫とあわせて、ご自宅でできるストレッチやトレーニングをご案内します。
大畑 維吹育児中はご自分の体のケアがどうしても後回しになりがちです。股関節の動きと支える力を保っておくことが、抱っこを安心して続けるための備えになると考えています。無理のないペースで一緒に進めていきましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。


















小さなお子さんの抱っこは、腰にとって負担の大きい動作のひとつです。この方はもともと軽い腰の痛みがあり、股関節の動きの制限と、骨盤まわりを支える筋肉の働きにくさが背景にあると考えられました。股関節の動きを取り戻しながら支える力を高めたことで、育児を続けながら良い状態を保てている症例です。