急に出て歩くとつらかった左足の痛みが施術を経て楽になった例
主訴
2024年6月、前日に急に出た左足の痛みでご来院されました。歩くときに痛みが出て、足に体重をかける動きがつらい状態でした。
当院の評価
患者様への説明
立ち姿勢や動きの確認では、すねの骨(脛骨)が外へねじれ、片足を前に踏み出す動き(ランジ)で膝が内側へ入る傾向がありました。歩くたびに膝が内側へ入ると、足の内側や足部に負担が寄りやすくなります。太ももの外側(大腿筋膜張筋)や内側(内転筋)、裏側(大腿二頭筋)が張っていて、膝の向きを整えるお尻の横の筋肉(中殿筋)は働きにくい状態でした。
日常動作・解剖学的動診
【日常】歩くと左足が痛む/足に体重をかけると痛む 【所見】歩行で疼痛誘発、荷重時痛
身体機能評価
脛骨の外旋(アライメント検査)/ランジ動作で膝が内側へ入る(ニーイン)/大腿筋膜張筋・内転筋・大腿二頭筋の緊張/中殿筋後部の出力低下
判断
歩行時に膝が内側へ入る動きのくせが主な要因と判断しました。脛骨の外旋とニーインが重なることで、歩くたびに足部へ負担が集まり、1日前に痛みとして出たと考えました。中殿筋後部が働きにくく、膝の向きを外から支えられていないことも一因とみました。
施術の様子
患者様への説明
まず、張っていた太ももの外側・内側・裏側の筋肉をゆるめ、膝が内側へ引き込まれにくい状態をつくりました。膝の関節(脛骨と大腿骨のあいだ)にも動きをつける施術を行い、そのうえでお尻の横の筋肉(中殿筋)を働かせるトレーニングを取り入れて、歩くときに膝の向きを支えられるようにしていきました。痛みを抑える目的で、電気を使った物理療法もあわせて行いました。
専門的内容
【手技療法】大腿筋膜張筋・内転筋・大腿二頭筋のリラクゼーション/脛骨大腿関節モビライゼーション/【運動療法】中殿筋後部のトレーニング/【物理療法】疼痛抑制を目的に実施
施術の経過
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初期
初回の施術後から、足に体重をかけたときの痛みが軽くなりました。
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中期
3回目には、歩いているときの痛みも出なくなりました。
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後期
その後は症状なく経過し、現在は再発予防のメンテナンスとして継続して通っていただいています。全5回の経過です。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 7,480円+物理療法 990円
通院の目安
施術回数
5回(その後は再発予防のメンテナンスで継続中)
施術期間
3回で歩行時の痛みが出なくなり、5回で落ち着いて現在は再発予防のメンテナンスで継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「前日に急に出た左足の痛みが、歩くときや体重をかけるときに強まる状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして足が痛いのに、膝の向きを確かめるの?
歩くときに膝が内側へ入る動き(ニーイン)があると、足の内側や足部に体重が寄り、同じところへ負担が集まりやすいと考えられています。すねの骨が外へねじれていると、膝が内側へ入る動きはさらに出やすいと言われています。足に痛みが出ていても、負担のもとは膝や股関節の使い方にあることが少なくありません。
太ももまわりの張りと、お尻の横の筋肉の関係
太ももの外側(大腿筋膜張筋)や内側(内転筋)が張っていると、膝は内側へ引き込まれやすくなります。一方で、お尻の横の筋肉(中殿筋)は、歩くときに膝の向きを外から支える役割を持つと言われています。この筋肉が働きにくいと、ゆるめただけでは同じ動きに戻りやすいと考えられています。
体重をかける痛みが先に引き、歩く痛みがあとから引いた理由
体重をかける痛みは、張っていた筋肉がゆるむと負担が減りやすいと考えられます。歩く動きは膝の向きを何度も支え続ける必要があるため、中殿筋が働くようになるまでは負担が戻りやすいと言われています。この症例の方も、初回で体重をかけたときの痛みが軽くなり、歩いても出なくなったのは3回目でした。
急に出た足の痛みでも、歩くと強まる場合は、足そのものだけでなく、歩くときに膝が内側へ入っていないか、すねの骨のねじれがないか、お尻の横の筋肉が働いているかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
伊藤 聡史足が痛いと足だけをなんとかしたくなりますが、確かめてみると歩くときの膝の向きが出どころということがよくあります。体重をかける痛みは早めに引くことが多いのですが、歩く痛みは膝を支える筋肉が育つまで少し時間がかかります。順番に進めていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 歩くと足の内側や足部が痛む
- 片足で立つ、踏み出すときに膝が内側へ入りやすい
- 太ももの外側や内側が張っている感じがある
- 靴の内側がすり減りやすい
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 歩くときは、つま先と膝の向きをそろえることを意識する
- 太ももの外側と内側を、痛みのない範囲でゆっくり伸ばす時間をつくる
- 横向きに寝て上の脚をゆっくり持ち上げ、お尻の横の筋肉を働かせる運動を無理のない回数で行う
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 腫れや熱感が強く、安静にしていても痛みが続く
- 足に体重をまったくかけられない
- 足のしびれや感覚の違いが出てきた
- 転倒や強い衝撃のあとに痛みが出た
- 数日たっても痛みが強まり続けている
よくある質問
急に出た足の痛みは、何回くらいで変わりましたか?
この症例では、初回の施術後に体重をかけたときの痛みが軽くなり、3回目には歩いているときの痛みも出なくなりました。全5回の経過で、現在は再発予防のメンテナンスで続けていただいています。経過には個人差があります。
足が痛いのに、膝や太ももを施術したのはなぜですか?
この症例では、歩くときに膝が内側へ入る動きと、すねの骨のねじれによって足部に負担が集まっていました。太ももまわりの張りをゆるめ、膝の関節に動きをつけ、お尻の横の筋肉を働かせることで、歩くときの膝の向きを支えられるようにしていきました。
痛みが出なくなったあとも通っているのはなぜですか?
この症例の方は、歩くときの膝の向きのくせが痛みの出どころでした。同じ歩き方に戻ると負担がまた足へ寄りやすいため、状態を確かめながら再発予防のメンテナンスとして継続していただいています。
伊藤 聡史急に出た足の痛みは、足だけでなく歩くときの膝の向きから確かめることで、進め方が見えてきます。歩くとつらい方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








急に出た足の痛みでしたが、確かめてみると足そのものより、歩くときに膝が内側へ入るくせが痛みの出どころでした。太ももまわりの張りをゆるめると体重をかけたときの痛みは早めに引き、お尻の横の筋肉が膝の向きを支えられるようになった3回目には歩いても出なくなりました。いまは同じくせに戻らないよう、再発予防のメンテナンスで続けていただいています。