右を向くと痛む首の痛みと肩こりに鍼を続け、振り向きづらさが楽になった例(40代女性)
主訴
2026年2月、首の痛みと肩こりでご来院されました。首を右に回す(右を向く)動きで痛みが出る状態でした。
当院の評価
患者様への説明
お体を確かめると、肩甲骨が外側に開き、頭が前に出た姿勢(頭部前方位)がみられました。頭が前に出た姿勢では、首の後ろの筋肉(頸部伸筋群)と、髪の生えぎわにある小さな筋肉(後頭下筋群)が頭を支え続けて硬くなり、首を回す動きで痛みや引っかかりが出やすくなると言われています。肩甲骨が外に開いていることには、胸の前の筋肉(小胸筋)の縮みが関わっていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】首の痛みと肩こり/右回旋(右を向く動き)で痛み 【所見】肩甲骨の外転・頭部前方位
身体機能評価
肩甲骨の外転/頭部前方位/頸部伸筋群・後頭下筋群の緊張/小胸筋の短縮
判断
右を向くと痛む首の痛みに対して、首の後ろの筋肉と後頭下筋群の緊張が、頭が前に出た姿勢のなかで続いていることが背景にあると考えました。首の後ろへ鍼を行って緊張をゆるめ、あわせて首まわりのリラクゼーションを行い、肩甲骨を外へ引いている胸の前の筋肉はご自宅でのストレッチで整えていただく方針としました。
施術の様子
患者様への説明
首の後ろの筋肉(頸部伸筋群)と、髪の生えぎわにある小さな筋肉(後頭下筋群)へ鍼を行い、あわせて首まわりの緊張をゆるめる施術を行いました。ご自宅では、胸の前の筋肉(小胸筋)のストレッチを続けていただきました。
専門的内容
【鍼】頸部伸筋群・後頭下筋群への刺鍼/頸部のリラクゼーション/【セルフケア】小胸筋のストレッチ指導
施術の経過
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初期
初回の施術の直後は、ご本人の実感として、動いたときの痛みが気にならなくなりました。2回目以降は右を向いたときの痛みは出なくなったものの、振り向きづらさが残りました。
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中期
2か月目以降は、首の動きが楽になってきました。2週に1回のペースに間隔をあけて1か月継続しました。
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後期
現在は月1回のペースでメンテナンスを続けています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
5,500円
2回目以降の料金
9,900円
通院の目安
施術回数
約6回を経て月1回のメンテナンスへ移行(継続中)
施術期間
約2か月で月1回のメンテナンスへ移行し、現在も継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「振り向く動きで首に痛みが出て、肩こりを伴う状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
片側を向くと首が痛むのはなぜ?
首を回す動きには、首の後ろの筋肉(頸部伸筋群)と、髪の生えぎわにある小さな筋肉(後頭下筋群)が細かく関わっています。頭が前に出た姿勢が続くと、これらの筋肉が頭を支え続けて硬くなり、振り向く動きで痛みや引っかかりが出やすくなると言われています。片側だけに出るのは、仕事や生活のなかで向く回数の多い方向や、肩甲骨の開き方の左右差が関わっていることがあると考えられています。
痛みが出なくなっても、動きづらさが残ることがある
この症例では、初回の施術の直後に動いたときの痛みが気にならなくなり、2回目以降は右を向いたときの痛みは出なくなりました。一方で、振り向きづらさはしばらく残り、2か月目以降に動きが楽になってきました。痛みが引く時期と、動きが戻る時期は、同じとは限りません。首の後ろへの鍼で緊張をゆるめながら、頭が前に出た姿勢の背景にある胸の前の筋肉を、ご自宅のストレッチで整えていただく進め方が取られることがあります。
肩甲骨の開きと首の動き
肩甲骨が外に開いていると、頭が前に出やすく、首の後ろの筋肉が支え続けることになります。この症例でも、肩甲骨の外転と頭部前方位がみられ、胸の前の筋肉(小胸筋)のストレッチをあわせて続けていただきました。当院ではデスクワークで続いた慢性的な首肩こりの症例も記録しています。こりとして出るか、振り向く動きの痛みとして出るかは人によって違いますが、頭の位置と肩甲骨から確かめる点は共通しています。
振り向くと痛む首の痛みでは、痛む場所だけでなく、頭が前に出ていないか、肩甲骨が外に開いていないか、痛みと動きづらさが別々に変わっていないかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
横田 未帆振り向くと首が痛むという方は、痛みが引いたあとも動きづらさが残ることがあります。こもれびでは、首の後ろへの鍼で緊張をゆるめながら、頭の位置と肩甲骨の開きをご自宅のストレッチで整えていただき、動きが戻っていくのを一緒に確かめています。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 右か左のどちらかを向くと首が痛む、または引っかかる
- 肩こりがあり、首の後ろや髪の生えぎわが硬い
- 頭が前に出た姿勢で、肩が前に入っていると言われたことがある
- 運転中の後方確認や、呼ばれて振り向く動きがつらい
- 痛みは引いてきたのに、振り向きづらさが残っている
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 壁に前腕をつけて体を反対側へひねり、胸の前の筋肉(小胸筋)を伸ばす時間を1日のどこかでつくる
- 顎を軽く引いて首の後ろを長く保つ動きを、デスクワークの合間に数回行う
- 首を回すときは、痛みの出ない範囲でゆっくり動かし、反動をつけない
首の痛みが急に強まったときや、しびれなど今までと違う症状が出たときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
首の痛みの背景に、医療機関での確認が必要な病気が隠れていることもあります。次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 腕や手にしびれ、力の入りにくさが出てきた
- 今まで経験したことのない強い頭痛や、めまいを伴う
- 発熱や首の硬さ、吐き気を伴う
- 転倒や事故のあとに首が痛み出した
- 安静にしていても痛みが強く、夜も眠れない
よくある質問
振り向くときの首の痛みは、どのくらいで変わりましたか?
この症例では、初回の施術の直後に動いたときの痛みが気にならなくなり、2回目以降は右を向いたときの痛みは出なくなりました。振り向きづらさは残りましたが、2か月目以降に動きが楽になり、2週に1回で1か月続けたのち、現在は月1回のメンテナンスで続けています。経過には個人差があります。
痛みがなくなったのに動きづらいのはなぜですか?
痛みが引く時期と、動きが戻る時期は同じとは限りません。この症例では、首の後ろの筋肉の緊張がゆるんだあとも、頭が前に出た姿勢と肩甲骨の開きが残っていたため、胸の前の筋肉のストレッチを続けていただきながら、動きが戻るのを確かめていきました。
肩こりも一緒にみてもらえますか?
この症例では、首の痛みと肩こりの両方がありました。首の後ろへの鍼と首まわりのリラクゼーションに加え、肩甲骨を外へ引いている胸の前の筋肉をご自宅のストレッチで整えていただく形で、あわせて進めました。
横田 未帆振り向くと首が痛む、痛みは引いたのに動きづらいという方は、首の後ろの筋肉と頭の位置から確かめると進め方が見えてきます。いつから、どちらを向くとつらいかを教えていただければ、一緒にたどっていきますので、一度ご相談ください。
この症状について、とんとん整骨院のスタッフが臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。







右を向くと痛むという、動きのはっきりした首の痛みでした。痛みは早い段階で出なくなりましたが、振り向きづらさはしばらく残り、2か月目以降に動きが楽になってきたのがこの方の経過です。痛みが出なくなることと、動きが楽になることは、同じ時期に起こるとは限りません。首の後ろへの鍼で緊張をゆるめながら、頭が前に出た姿勢の背景にある胸の前の筋肉をご自宅のストレッチで整えていただいたことが、動きの変化につながったと考えています。