重い物を持つと痛んでいた右肩が施術を経て楽になった例(20代男性)
主訴
2026年1月、右肩の痛みでご来院されました。2025年11月末から痛みを強く感じるようになり、重い物を持ったり、肩を動かしたりすると症状が強まる状態でした。
当院の評価
患者様への説明
動きの検査では、腕を前から上げる動き・横から上げる動きと、腰の後ろへ手を回す動きで痛みが出ていました。肩の評価では、肩が内側にねじれた位置になっており、腕を上げるときに必要な肩甲骨の上向きの回転が不足している状態でした。重い物を持つ場面では肩へかかる力が大きくなるため、関節まわりへ負担が集中しやすくなっていたと考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】重い物を持つ・肩を動かすと右肩に疼痛 【検査】屈曲・外転・結帯動作で疼痛がみられる
身体機能評価
肩関節の内旋症候群/肩甲骨の上方回旋不足
判断
肩関節が内側にねじれた位置になっていたことに加え、腕を上げる動きを支える肩甲骨の上向きの回転が不足し、肩の関節まわりへ負担が集中していたことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
この方は、肩が内側にねじれた位置になっていることと、肩甲骨の動きの不足によって、腕を使うたびに肩へ負担が集まっていると考えられました。肩を内側へ引っぱっている胸や首すじまわりの筋肉をゆるめて肩の位置を戻しやすくし、肩甲骨を支える筋肉のトレーニングをあわせて行う方針で進めました。
専門的内容
【手技療法】小胸筋・肩甲挙筋・大胸筋・広背筋・三角筋へのアプローチ/【運動療法】僧帽筋のトレーニング
施術の経過
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初期
2回目には痛みがひきましたが、動かせる範囲には制限が残っている状態でした。
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中期
7回目には、動かせる範囲も戻りました。
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後期
9回目以降はトレーニングとストレッチの効果もみられ、月に1回のペースへ移行しました。全9回の施術を行いました。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,291円
2回目以降の料金
施術 5,940円
通院の目安
施術回数
全9回
施術期間
改善後、月1回のメンテナンスへ移行
ここでは、この症例の記録とは別に、「重い物を持ったり、腕を上げたりするときに出る肩の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして重い物を持つと肩が痛むの?
肩の関節は、腕の骨と肩甲骨が連動して動くことで大きな動きを支えていると言われています。肩が内側にねじれた位置になると、腕を上げるときに肩甲骨の上向きの回転が追いつかず、関節の一部に負担が集中しやすくなります。重い物を持つ場面では肩へかかる力が大きくなるため、この負担の偏りが痛みとして出やすいと考えられています。
重い物を持つと出る肩の痛みでは、痛む場所そのものだけでなく、肩が内側にねじれていないか・肩甲骨が腕の動きについてきているかを確かめることが役立つと言われています。
中村 拓真重い物を持つ場面は仕事や生活で避けにくいので、「使うたびに痛い」というつらさになりやすい症状です。肩の位置と肩甲骨の動きを確かめると、負担が集まっている理由が見えてくることがあります。どんな動きで痛むかから、一緒に確かめていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 重い物を持つ・運ぶ場面で肩が痛む
- 腕を上げる動きや、腰の後ろへ手を回す動きで痛みが出る
- 猫背や巻き肩を指摘されたことがある
- デスクワークなど、腕を前に出す姿勢が長い
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 痛みが強く出る動きは、いったん無理をしない
- 胸の前をゆっくり伸ばして、肩が内側に入った姿勢をゆるめる
- 痛みが落ち着いているときに、肩甲骨を寄せる・下げる運動を取り入れる(反動をつけず、痛みのない範囲で)
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 安静にしていても強い痛みが続く、夜間に痛みで目が覚める
- 腕や手のしびれ・力の入りにくさを伴う
- 転倒や強くぶつけたあとに痛みが出た
- 肩の腫れや熱感、発熱を伴う
よくある質問
重い物を持つ仕事は続けてもよいのでしょうか?
負担の程度にもよりますが、お仕事を続けながら通われる方は多くいらっしゃいます。この症例の方も、肩の位置と肩甲骨の動きに取り組みながら日常の動作を続け、経過をみていきました。持ち方や姿勢の工夫もあわせてご提案します。
痛みがひいたのに動かしにくいのはなぜですか?
痛みと動かせる範囲は、必ずしも同時に戻るとは限らないと言われています。この症例の方も、痛みが先にひき、動かせる範囲はその後の施術とトレーニングの中で戻っていきました。段階に合わせて内容を変えていくことが大切です。
トレーニングは必要ですか?
ゆるめるだけで楽になる場合もありますが、この症例のように肩甲骨の動きの不足が背景にある場合は、支える筋肉が働ける状態をつくることが、良い状態を保つことにつながると考えられています。無理のない内容からご提案します。
中村 拓真肩は、ゆるめて終わりにせず、肩甲骨が動ける状態と支える力をそろえておくことが大切だと考えています。重い物を持つ毎日が続く方こそ、肩の使われ方から一度確かめてみてください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。











重い物を持つと肩が痛む場合、痛む場所そのものだけでなく、肩がどの位置で使われているかに目を向けることが大切だと考えています。この方は、肩が内側にねじれた位置のまま腕を使うことで、負担が一点に集まりやすくなっていました。ねじれを戻して肩甲骨の動きを取り戻し、支える筋肉を鍛えたことで、痛みが落ち着いたあとも良い状態を保ちやすくなった症例です。