前かがみから体を起こすときにつらかった腰の痛みが施術を経て楽になった例(60代男性)
主訴
2025年1月、腰の痛みでご来院されました。10年以上前から慢性的に続いており、腰全体の広い範囲に鈍い痛みや、ちくちくとした痛みを感じる状態でした。前かがみになるときや、前かがみから体を起こす動作で特に症状が出る一方、寝ているときや座っているときには痛みがありませんでした。これまでマッサージなどには通われていましたが、整骨院は初めてとのことでした。
当院の評価
患者様への説明
動きの検査では、立った姿勢・座った姿勢のどちらでも、前かがみから体を起こす動きで痛みが再現されました。体を反らす・横に倒す・ひねる動きも確かめたうえで、股関節の前側の筋肉(腸腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋)の硬さと、お尻や背中の筋肉の状態が、起こす動きのたびに腰へ負担を集めていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】前かがみ・前かがみから体を起こす動作で腰全体に痛み(安静時・座位は無症状) 【検査】立位・座位での前屈からの復位動作で疼痛誘発
身体機能評価
腸腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋の短縮/中殿筋・広背筋の状態も評価(伸展・側屈・回旋の各症候群で検査)
判断
股関節の前側の筋肉が硬く、前かがみから体を起こすときに股関節がうまく動きを分担できず、そのぶんの負担が腰へ集まっていたことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
硬さのあった股関節の前側やももの外側、背中の筋肉をゆるめて、起こす動きを股関節が分担できる状態を目指しました。手技に加えて、痛みをやわらげる目的の電気療法と、鍼の施術も組み合わせて進めました。
専門的内容
【手技療法】腸腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋・中殿筋・広背筋へのアプローチ/【物理療法】電気療法/【鍼】あわせて実施
施術の経過
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初期
2回目の施術で痛みがやわらぎましたが、3日ほどでつらさが戻る状態でした。
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中期
毎回動きの検査で状態を確かめながら、同様の施術を続けました。途中、ゴルフによる筋肉痛はありましたが、全体としては良い経過をたどりました。
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後期
最終的に症状がかなり落ち着き、通院を終了されました。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 4,400円(電気療法込み)
2回目以降の料金
施術 5,500円+鍼 1,100円
通院の目安
施術回数
全4回
施術期間
症状が落ち着き、通院を終了
ここでは、この症例の記録とは別に、「前かがみから体を起こすときに出る、腰の広い範囲の鈍い痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして体を起こすときに腰が痛むの?
前かがみから体を起こす動きは、本来は腰だけでなく股関節も大きく分担する動きと言われています。股関節の前側の筋肉が硬いと、起こすときに股関節が伸びにくく、そのぶんを腰の関節が引き受けやすくなり、起こすたびに腰へ負担が集まると考えられています。
長く続く腰の痛みでは、痛む場所だけでなく、股関節の前側の硬さと、起こす動きを股関節がどれだけ分担できているかを確かめることが役立つと言われています。
川口 流世「もう10年もこうだから」とあきらめている方こそ、一度動きの検査を受けてみてください。じっとしていれば痛まないのにある動きだけで痛む場合、負担のかかり方に理由が見つかることがあります。洗顔や物を拾う動作がつらい方も、状態の確認からご案内します。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 前かがみから体を起こすときに腰が痛む
- じっとしていれば痛みは出ない
- 腰の痛みが数年単位で続いている
- 股関節の前側やももの前が硬いと感じる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 洗顔などの前かがみでは、膝を軽く曲げて股関節から体を倒すことを意識する
- 長時間の同じ姿勢を避け、こまめに立ち上がって歩く
- 股関節の前側を軽く伸ばすストレッチを、痛みのない範囲で続ける
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚のしびれや力の入りにくさを伴う
- 安静にしていても痛みが強まり続けている
- 排尿・排便のコントロールがしづらい
- 発熱や、転倒・強くぶつけたあとの痛みを伴う
よくある質問
10年以上続いた腰痛でも変わりますか?
この症例の方は10年以上前から慢性的に痛みがある状態でしたが、全4回の経過で症状がかなり落ち着きました。期間の長さだけであきらめず、どの動きで痛むかを確かめることから進めていきます。経過には個人差があります。
一度やわらいでも、また戻るのはなぜですか?
この症例でも、2回目の施術で痛みがやわらいだあと、3日ほどでつらさが戻る時期がありました。長年の生活の中でついた体の使い方は急には変わらないため、毎回検査で状態を確かめながら施術を重ねていきました。
マッサージとはどう違うのですか?
その場で筋肉をゆるめるだけでなく、動きの検査で「どの動きで・どこに負担が集まっているか」を確かめて、要因と考えられる筋肉へアプローチする点が異なります。この症例では股関節の前側の硬さに着目して進めました。
川口 流世長年の痛みは、生活の中の「この動きだけつらい」という場面にあらわれます。その動きを手がかりに負担のかかり方を確かめて、一緒に進めていきましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








10年以上続いた痛みでも、「どの動きで痛むか」を確かめると、負担のかかり方が見えてくることがあります。この方は前かがみから体を起こす動きが引き金で、背景には股関節の前側の硬さがありました。一度やわらいでも数日で戻る時期がありましたが、毎回検査で状態を確かめながら続けたことで、少しずつ落ち着いていきました。