右顎の音と口の開きにくさを伴う顎の痛みに鍼とトレーニングを続けて開きやすくなった例(30代女性)
主訴
2026年4月、顎の痛みと口の開きにくさでご来院されました。口を開けるときに右の顎関節でカクッという音(クリック音)がみられる状態でした。
当院の評価
患者様への説明
お体を確かめると、ものを噛むときに働く筋肉(咀嚼筋群)の緊張が強く、あわせて首の位置(頸部のアライメント)が顎の動きに影響していると考えました。頭が前に出た姿勢では、顎を引く筋肉と口を開ける筋肉のバランスが変わり、顎関節の動きが片側に偏りやすくなると言われています。
日常動作・解剖学的動診
【日常】顎の痛み・口の開きにくさ/開口時に右顎関節のクリック音 【所見】咀嚼筋群の過緊張・頸部アライメントの影響
身体機能評価
咀嚼筋群(外側翼突筋・咬筋・側頭筋)の過緊張/頸部アライメントの乱れ(頭部前方位)
判断
顎の痛みと口の開きにくさに対して、顎関節そのものより、関節を動かす咀嚼筋群の緊張と、頭と首の位置が関わっていると考えました。顎の奥にある筋肉(外側翼突筋)、頬の筋肉(咬筋)、こめかみの筋肉(側頭筋)に鍼を行い、首の位置を整えたうえで、顎を引く動き(チンイン)のトレーニングを続けていただく方針としました。あわせて、頬杖や横向き寝など、片側に負担が集まる習慣を減らしていただくようお伝えしました。
施術の様子
患者様への説明
顎の奥にある筋肉(外側翼突筋)、頬の筋肉(咬筋)、こめかみの筋肉(側頭筋)へ鍼を行い、あわせて首の位置を整える施術を行いました。ご自宅では、顎を軽く引いて首の後ろを伸ばす動き(チンイン)のトレーニングを続けていただきました。
専門的内容
【鍼】外側翼突筋・咬筋・側頭筋への刺鍼/頸部アライメントの修正/【セルフケア】チンインのトレーニング指導・頬杖と横向き寝を減らす生活指導
施術の経過
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初期
施術の直後から、ご本人の実感として口が開きやすくなり、クリック音も減ったとのことでした。
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中期
週1回のペースで1か月続けたのち、隔週のペースに変更して2か月間継続しました。この間、チンインのトレーニングを続けながら、日常の頬杖や横向き寝を減らすよう意識していただきました。
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後期
現在は月1回のペースでメンテナンスを続けています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
5,500円
2回目以降の料金
9,900円
通院の目安
施術回数
週1回で1か月、隔週で2か月(約8回)を経て、月1回ペースで継続中
施術期間
約3か月で月1回のメンテナンスへ移行し、現在も継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「口を開けるときに顎関節で音がして、痛みや開きにくさを伴う状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
口を開けると顎が鳴ったり、開きにくくなったりするのはなぜ?
顎関節は、耳のすぐ前にある小さな関節で、ものを噛む筋肉(咀嚼筋群)によって動かされています。咀嚼筋群の緊張が強まり、左右のバランスが崩れると、関節の中にあるクッション(関節円板)の動きがずれて、口を開けるときにカクッという音が出たり、開きにくさや痛みにつながったりすると言われています。噛みしめや食いしばり、頬杖、横向き寝など、片側に力が集まる習慣が背景にあることも多いと考えられています。
顎の問題なのに、首の位置が関係する?
頭が前に出た姿勢では、顎を引く筋肉と口を開ける筋肉のバランスが変わり、顎関節の動きが偏りやすくなると言われています。そのため、咀嚼筋群の緊張をゆるめることと、頭と首の位置を整えることをあわせて行うという組み立てが取られることがあります。この症例でも、顎の奥の筋肉・頬の筋肉・こめかみの筋肉への鍼と首の位置の調整を行い、顎を軽く引く動き(チンイン)のトレーニングを続けていただきました。
施術のあとに大切なこと
施術で口が開きやすくなっても、頬杖や横向き寝のような習慣が続くと、同じ側に力が集まりやすくなります。この症例では、週1回から隔週、月1回へと間隔を広げながら、ご本人に習慣を減らしていただいたことが、状態を保つ助けになりました。顎の症状は歯科や口腔外科で確認が必要な場合もありますので、噛み合わせの問題や強い痛みがあるときは、医療機関への相談もあわせてご検討ください。
顎の痛みや口の開きにくさでは、顎関節そのものだけでなく、ものを噛む筋肉の緊張と、頭や首の位置、片側に力が集まる生活習慣をあわせて見ることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
横田 未帆顎の症状はどこに相談したらよいか迷われる方が多いのですが、噛む筋肉の緊張や首の位置が関わっている場合は、鍼で筋肉をゆるめ、姿勢とご自宅のトレーニングで保っていく進め方があります。頬杖や寝る向きなど、日常の小さな習慣も一緒に見直していきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 口を開けるときに顎でカクッと音がする
- 大きく口を開けにくい、あくびや食事で顎が痛む
- 日中に歯を食いしばっている、朝起きると顎が疲れている
- 頬杖をつく癖がある、いつも同じ側を下にして寝ている
- 頭が前に出た姿勢で、首や肩のこりも気になる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 日中、上下の歯が触れ合っていることに気づいたら、唇を閉じたまま歯を離してゆるめる
- 頬杖をやめ、寝る向きを片側に偏らせないよう意識する
- 顎を軽く引いて首の後ろを長く保つ動き(チンイン)を、1日のどこかで数回行う
顎の痛みが強まったときや、口がほとんど開かなくなったときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
顎の症状の背景に、歯科・口腔外科や医療機関での確認が必要な状態が隠れていることもあります。次のような場合は、自己判断せず早めに受診してください。
- 口が指2本分も開かない、または急に開かなくなった
- 顎の痛みに腫れや発熱、強い噛み合わせのずれを伴う
- 顎の音や痛みとともに、耳の痛みや聞こえにくさが続く
- 顔のしびれや動かしにくさ、話しにくさを伴う
- 転倒やけがのあとに顎が痛み出した
よくある質問
顎の症状に鍼を行うのはなぜですか?
この症例では、顎の痛みと開きにくさに、ものを噛む筋肉(咀嚼筋群)の緊張が関わっていると考え、顎の奥の筋肉・頬の筋肉・こめかみの筋肉へ鍼を行いました。関節そのものを動かすのではなく、関節を動かす筋肉の緊張をゆるめることを目指しています。感じ方には個人差があります。
クリック音はどうなりましたか?
この症例では、施術の直後から、ご本人の実感として口が開きやすくなり、クリック音も減ったとのことでした。その後はチンインのトレーニングと生活習慣の見直しを続けながら、週1回から隔週、月1回へと間隔を広げています。
歯科にも相談したほうがよいですか?
顎の症状は、噛み合わせや歯ぎしりなど歯科・口腔外科で確認が必要な場合もあります。強い痛みや開口の制限があるとき、噛み合わせに違和感があるときは、医療機関への相談もあわせてご検討ください。
横田 未帆口を開けると顎が鳴る、開きにくいという方は、噛む筋肉と首の位置から確かめると進め方が見えてきます。いつから、どんな場面で気になるかを教えていただければ、一緒にたどっていきますので、一度ご相談ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。







顎の痛みや口の開きにくさは、顎関節そのものだけでなく、ものを噛む筋肉の緊張と、頭や首の位置が関わっていることがあります。この方は、咀嚼筋への鍼と首の位置の調整で、施術直後から口が開きやすくなる変化があり、その状態を保つためにチンインのトレーニングと生活習慣の見直しを続けていただきました。頬杖や横向き寝のように片側に力が集まる習慣は、ご本人が気づいて減らしていくことが大きな助けになります。