朝起きたときに出ていた35年来の腰の痛みが施術を経て出なくなり月1回で続けている例(50代男性)
主訴
2025年6月、腰の痛みでご来院されました。35年ほど前からの腰痛で、もともとは年に1、2回、立ち上がるときに痛む程度でしたが、今回は朝起きたときに痛みが出るようになったとのことでした。
当院の評価
患者様への説明
前かがみになると腰に痛みが出る状態でした。背骨のすぐ横で腰を支える筋肉(多裂筋)と、お尻の大きな筋肉(大殿筋)は働きが弱まり、一方でお尻の奥の筋肉(梨状筋)、太ももの裏(ハムストリングス)、ふくらはぎ(腓腹筋)は縮んで硬くなっていました。支える筋肉が弱く、後ろ側の筋肉が縮んでいるため、前かがみで腰に負担が集まりやすい状態と考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】朝起きたときに腰が痛む/もともとは年に1、2回、立ち上がりで痛むことがあった 【所見】前屈で疼痛誘発
身体機能評価
多裂筋・大殿筋の弱化/梨状筋・ハムストリングス・腓腹筋の短縮
判断
多裂筋と大殿筋の弱化で腰と股関節を支える力が足りず、縮んだ梨状筋・ハムストリングス・腓腹筋が股関節の動きを妨げているため、前かがみのたびに腰へ負担が寄っていると判断しました。長年くり返してきた腰痛が、朝起きたときの痛みとして出てきたと考えました。
施術の様子
患者様への説明
縮んで硬くなっていたふくらはぎと太ももの裏を押圧でゆるめ、太ももの裏はストレッチも行いました。あわせて、股関節の前側の腸腰筋、太ももの外側の大腿筋膜張筋、お尻の奥の梨状筋をゆるめました。そのうえで、腰を支える多裂筋を働かせるトレーニングと、お尻の筋肉(大殿筋・梨状筋)を縮めた位置で働かせる運動を取り入れ、ご自宅でもスクワットとストレッチを続けていただきました。
専門的内容
【手技療法】腓腹筋・ハムストリングスの押圧/ハムストリングスのストレッチ/腸腰筋・大腿筋膜張筋・梨状筋のリラクゼーション/【運動療法】多裂筋のトレーニング、大殿筋・梨状筋の短縮位エクササイズ/【セルフケア】スクワット・ストレッチ
施術の経過
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初期
1〜6回目は、施術の直後は楽になるものの、次の来院までに痛みが戻ってくる状態が続きました。この時期は週1回のペースで施術を重ねました。
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中期
7〜21回目にかけて、少しずつ痛みが出る場面が減っていきました。11回目からは2週間に1回のペースに間隔を空け、ご自宅のスクワットとストレッチを続けていただきました。
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後期
22回目以降は、朝起きたときの腰の痛みが出なくなりました。現在はセルフケアを続けながら、月1回のメンテナンスで通っていただいています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
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2回目以降の料金
ー
通院の目安
施術回数
22回を超えて継続中(現在は月1回)
施術期間
週1回×10回、2週間に1回×12回(約8か月)で症状が出なくなり、現在は月1回のメンテナンスで継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「長年くり返してきた腰の痛みが、朝起きたときに出るようになった状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして長年の腰痛が朝起きたときに出るの?
寝ている間は体をほとんど動かさないため、縮みやすい筋肉はそのまま硬くなり、朝の動き出しで腰に負担がかかりやすいと言われています。腰を支える多裂筋やお尻の筋肉が弱まり、太ももの裏やふくらはぎが縮んでいると、起き上がる動きや前かがみのたびに腰の同じところへ負担が寄りやすいと考えられています。長年くり返してきた腰痛では、支える筋肉が弱まったまま体の使い方が固定されていることが少なくありません。
最初の数回は戻ってしまうのはなぜか
縮んだ筋肉をゆるめると、施術の直後は楽になりやすいものです。ただ、支える筋肉が弱いままだと、日常の動きで元の使い方に戻り、痛みも戻りやすいと考えられています。この症例の方も、1〜6回目は施術直後は楽になっても戻る時期が続き、多裂筋とお尻のトレーニングと自宅のスクワット・ストレッチを重ねた7回目あたりから、少しずつ戻り方が小さくなっていきました。
週1回から2週間に1回、月1回へ間隔を空ける意味
支える筋肉が働くようになるにつれ、施術の効果が持つ期間は延びていくと言われています。戻り方を見ながら来院の間隔を段階的に空け、その間はセルフケアで支える力を保つ進め方は、長年の腰痛で無理なく続けやすい形のひとつと考えられています。
長年くり返してきた腰の痛みでは、痛む腰だけでなく、腰を支える多裂筋やお尻の筋肉が働いているか、太ももの裏やふくらはぎが縮んでいないか、日常の動きで戻ってしまう要因がないかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
大畑 維吹何十年も付き合ってきた腰痛は、最初の数回で戻ってしまうことがよくあります。それは施術が効いていないのではなく、支える筋肉がまだ育っていないからです。ゆるめることと支える力を育てることを一緒に進め、戻り方が小さくなってきたら間隔を空けていく。そうやって段階を踏んでいけば、長年の腰痛でも朝の痛みが出ない状態を目指せます。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 朝起きたときに腰が痛み、動き出すと少し楽になる
- 前かがみになると腰に痛みが出る
- 腰痛が何年も、何十年もくり返している
- 太ももの裏やふくらはぎ、お尻の奥が硬いと感じる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 朝はいきなり起き上がらず、横向きになってから手をついてゆっくり体を起こす
- 太ももの裏とふくらはぎを、痛みのない範囲でゆっくり伸ばす時間をつくる
- 痛みのない範囲で、浅めのスクワットを少ない回数から続ける
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 安静にしていても、夜間も痛みが強く続く
- 脚のしびれや力の入りにくさが出てきた
- 排尿や排便の感覚がいつもと違う
- 発熱や体重減少を伴う、または転倒や強い衝撃のあとに痛みが出た
- これまでと違う痛み方が急に強まってきた
よくある質問
35年も続いた腰痛でも、変わりますか?
この症例では、1〜6回目は施術直後は楽になっても戻る時期が続き、7〜21回目にかけて少しずつ痛みが出る場面が減り、22回目以降は朝の痛みが出なくなりました。長年の腰痛では支える筋肉が育つまで回数がかかることが多く、経過には個人差があります。
最初のうちは戻ってしまうのに、続ける意味はありますか?
縮んだ筋肉をゆるめるだけでは、支える筋肉が弱いままなので、日常の動きで元の使い方に戻りやすいと考えられています。この症例では、多裂筋とお尻のトレーニング、自宅のスクワットとストレッチを重ねたことで、7回目あたりから戻り方が小さくなっていきました。戻る時期は、支える力が育つまでの通過点と捉えています。
来院の間隔はどう決めましたか?
この症例では、1〜10回目は週1回、11〜22回目は2週間に1回と、戻り方を見ながら段階的に間隔を空けました。朝の痛みが出なくなった22回目以降は、セルフケアを続けながら月1回のメンテナンスで確かめています。
大畑 維吹長年の腰痛は、戻る時期をどう越えるかが分かれ目です。ゆるめることと支える力を育てることを一緒に進め、間隔を空けながら続けていく形をご提案しています。朝起きたときの腰の痛みが気になる方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








35年前から付き合ってきた腰痛でしたので、最初の6回ほどは施術のあと楽になっても、また戻ってくる時期が続きました。縮んだ筋肉をゆるめるだけでは、支える筋肉が弱いままなので、元の使い方に戻ってしまうためです。腰を支える多裂筋とお尻の筋肉を働かせるトレーニングを重ね、ご自宅のスクワットとストレッチを続けていただいたことで、7回目あたりから少しずつ戻り方が小さくなり、22回目以降は朝の痛みが出なくなりました。いまは月1回、状態を確かめながら続けていただいています。