デスクワークで崩れた姿勢は戻せる?自宅でできる姿勢の運動5選
症状コラム
首・背中・骨盤まで。姿勢を支え直す5つの運動
デスクワークで頭が前に出る、背中が丸まる、骨盤が寝てしまう。気づいて胸を張っても、数分でまた戻っていませんか。姿勢は意識で固めるものではなく、首から骨盤までが動いて支えられるかで決まる部分が大きいのです。ここでは当院の動画で紹介した、自宅でできる5つの運動を手順つきで解説します。
「姿勢を良くしたい」と思ったとき、多くの方がまず背すじを伸ばすことから始めます。けれど意識だけで保てる時間は短く、すぐ元に戻ってしまうのが普通です。では何から始めればよいのか。首・胸・背中・骨盤まわりまで、動かして支える力をつけていく方法を見ていきます。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎姿勢の崩れ方は人それぞれ。でも狙う場所は共通している
ひとくちに「姿勢が悪い」と言っても、中身はさまざまです。頭が前に出るタイプ、背中の丸まりが強いタイプ、腰が平らになって骨盤が後ろに寝ているタイプ、逆に腰を反りすぎているタイプ。人によって崩れ方は違います。
ただ、デスクワーク中心の生活で起こる姿勢の崩れには共通点が多く、今回の5つの運動は一般的な姿勢の崩れの7〜8割の方に当てはまる、汎用性の高い組み合わせです。そしてもうひとつ大事なのは、首や背中といった上半身だけで完結させないこと。骨盤や股関節まわりまで含めて動かすことで、上半身の変化も保ちやすくなります。
瀬谷崎による5つの運動の実演・解説動画。痛みやしびれが出る場合は中止してください。
運動1:あご引き運動(チンイン)で頭の位置を支え直す
デスクワークで頭が画面のほうへ前に出た状態が続くと、首の奥にある「頸長筋(けいちょうきん)」という、頭を支えるための筋肉が働きにくくなります。あご引き運動(チンイン)は、この筋肉に働いてもらうための運動です。
- 仰向けに寝て、あごを軽く引く(あごを喉の奥へ引き込むイメージ)
- あごを引いたまま、後頭部を床へ5秒ほどぐっと押しつける
- 力を抜いてひと休み。これを何度か繰り返す
力いっぱい押しつけると、首の横にある太い筋肉(胸鎖乳突筋・きょうさにゅうとつきん)ばかりに力が入ってしまいます。強さは控えめに、あごが上がらないように行うのがコツです。
運動2:胸のストレッチで、丸まった肩の前側をゆるめる
肩が前に丸まっている方は、胸の筋肉(大胸筋・だいきょうきん)が縮こまっていることが多いです。この後に行う背中の運動を効かせるためにも、先に前側をゆるめておきます。
- 壁の角や柱に片方の腕を引っかける
- 腕はそのままに、体をゆっくり反対側へひねって胸を伸ばす
- 30秒〜1分キープ。左右とも行う
伸ばしている最中に手がしびれてくる方、肩に痛みが出る方は、時間を短くするか中止してください。頑張って伸ばすほど良いというものではありません。
運動3:棒を使った背中の運動(ウィンギング)
肩甲骨を背骨へ寄せる筋肉(僧帽筋・そうぼうきんの真ん中と下の部分)を働かせる運動です。突っ張り棒や傘など、家にある棒で行えます。
- 棒を両手で持って頭の上へ。いったん肩をすくめてから、肩甲骨を内側に寄せる
- 後頭部に当てないように、棒を背中側へゆっくり下げられるところまで下げる
- ゆっくり上げて戻す。目安は10回を3セット
棒を下げるとき、頭が前に出たり、腰が反ったりしやすい運動です。あごを軽く引き、お腹を少しへこませたまま行うと、背中の筋肉に効かせやすくなります。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎運動4:骨盤を起こす運動(腸腰筋・多裂筋)
骨盤が後ろに寝て、腰のカーブが平らになっているタイプの方に向けた運動です。脚の付け根の奥にある腸腰筋(ちょうようきん)と、背骨を支える多裂筋(たれつきん)に働いてもらいます。
- 椅子に浅く座り、脚の付け根(そけい部)に手のひらを当てる
- 上半身がつられて前に倒れないように固定したまま、太ももとお腹でその手を挟みにいくイメージで、骨盤だけをゆっくり前に起こす
- 腰全体を反らせるのではなく、骨盤の傾きだけを動かす
この運動は、もともと腰を反りすぎているタイプ(反り腰)の方には不向きです。反り腰を指摘されたことがある方は、運動4は飛ばして他の4つを行ってください。また、左右どちらかで骨盤を起こす感覚がつかみにくい場合は、つかみにくい側の骨盤を少し引き上げるイメージで行うとうまくいきやすいです。
運動5:タオルを使って胸を開く(胸椎の伸展)
丸まった背中の動きを取り戻す運動です。背骨の胸の部分(胸椎・きょうつい)は肋骨とつながっているため、深呼吸と組み合わせると胸まわり全体が動きやすくなります。
- バスタオルを筒状に丸めて床に置き、背中(胸のあたり)の下に横向きに当てて仰向けに寝る
- バンザイをするように両腕を頭の上へ伸ばす
- その姿勢で大きく深呼吸を10回ほど
- タオルの位置を背中の上下に2〜3箇所ずらして、同じように繰り返す
ストレッチポールだと硬くて痛む方が多いため、当院では丸めたタオルをおすすめしています。腰に痛みが出る場合は、膝を立てて行ってください。
こんなときは運動より先にご相談を
運動の最中や後に、痛みが強くなる/手や腕がしびれる/めまいがする。こうした場合はその運動を中止してください。また、背中の丸まりが急に強くなった、じっとしていても痛む、骨が弱いと言われている、という方は、自己流の運動を始める前に、整形外科など医療機関や当院にご相談ください。姿勢の崩れの背景に、別の原因が隠れていることもあります。
よくある質問
Q. 5つ全部やらないとだめですか?
気になるところから始めて構いません。ただ、運動2(胸のストレッチ)と運動3(背中の運動)は前後セットで行うと効かせやすい組み合わせです。
Q. どれくらいの期間で変わりますか?
個人差が大きいため一概には言えません。姿勢は毎日の積み重ねでつくられるものなので、短期間で決着をつけようとせず、数週間単位で続けながら様子を見てください。
Q. 反り腰でもやっていいですか?
運動4(骨盤を起こす運動)は反り腰の方には不向きなので行わないでください。他の4つは、痛みが出ない範囲で試して大丈夫です。
Q. 運動だけで姿勢は良くなりますか?
運動は柱のひとつですが、長時間同じ姿勢を続けない、画面の高さを見直すといった環境の工夫も同じくらい大切です。ご自身の崩れ方のタイプが分からない場合は、一度チェックを受けてから取り組むほうが近道になることもあります。
固めるより、首から骨盤まで動かして支える
姿勢は「まっすぐの形を覚えて固定するもの」ではなく、首・胸・背中・骨盤がそれぞれ動いて、支える筋肉が働ける状態の結果です。今回の5つの運動は、そのための土台づくりです。ご自身の姿勢がどのタイプの崩れ方なのか知りたい方、運動のやり方が合っているか不安な方は、お近くのとんとん整骨院でお気軽にご相談ください。
瀬谷崎













