痛めた翌日に来院した、動くと強く痛んだ急な腰の痛みが施術を経て楽になってきた例(40代男性)
主訴
2026年6月、急な腰の痛みでご来院されました。前日の6月20日に出た症状で、動くと強い痛みが出て、日常生活の動きが取りづらくなっている状態でした。
当院の評価
患者様への説明
痛みが強く、初回は筋肉の力を確かめる検査は行えませんでした。そこで、痛みの出る動きを股関節の動きを変えながら確かめていくと、股関節の動きが制限されていることが分かりました。股関節が動きにくいと、前かがみや立ち上がりなどの動きのたびに腰が肩代わりをすることになります。太ももの裏側(ハムストリングス)、ふくらはぎ(腓腹筋)、太ももの外側(大腿筋膜張筋)が張っている状態でした。
日常動作・解剖学的動診
【日常】動くと腰に強い痛みが出る/日常生活の動作が取りづらい(前日6月20日に発症) 【所見】体幹の動きで疼痛誘発、確認検査で股関節の可動制限
身体機能評価
初回は疼痛が強く筋力検査は未実施/確認検査で股関節の可動制限/ハムストリングス・腓腹筋・大腿筋膜張筋の緊張/2回目以降にヒンジ動作・僧帽筋中部の機能評価を追加
判断
股関節の動きが制限されていることで、動くたびに腰へ負担が集まり、急な痛みにつながったと判断しました。初回は痛みが強く筋力の検査ができなかったため、まず股関節まわりを中心に施術を行い、痛みが落ち着いてから、股関節を折る動き(ヒンジ)と背中側の支え(僧帽筋中部)を確かめて、トレーニングを加える方針としました。
施術の様子
患者様への説明
初回は、股関節の動きを妨げていた太ももの裏側(ハムストリングス)、ふくらはぎ(腓腹筋)、太ももの外側(大腿筋膜張筋)をゆるめ、股関節が動きやすい状態をつくることを優先しました。2回目以降は、腰を丸めずに股関節から体を折る動き(ヒンジ)の練習と、背中側で体を支える肩甲骨のあいだの筋肉(僧帽筋の中部)のトレーニングを加え、同じ負担が腰に戻りにくい体の使い方を目指しました。
専門的内容
【手技療法】ハムストリングス・腓腹筋・大腿筋膜張筋のリラクゼーション(股関節中心)/【運動療法】2回目以降にヒップヒンジ動作の練習・僧帽筋中部のトレーニングを追加
施術の経過
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初期
2回目には、動くときの痛みが軽くなり、日常生活の動きが取りやすくなってきました。
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中期
3回目には、動いたときの痛みはわずかに残る程度になりました。4回目以降は、動いても痛みが出なくなりました。
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後期
寝起きの違和感がまだ残っているため、現在も継続して通っていただいています。通うペースは、1〜3回目は3日に1回、4〜5回目は週1回、6回目以降は2週間に1回に移行しています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 7,960円
通院の目安
施術回数
6回以上(寝起きの違和感が残るため継続中)
施術期間
2回目で動くときの痛みが軽くなり、4回目以降は痛みが出なくなって現在も2週間に1回で継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「前日に急に出て、動くと強い痛みが出て日常生活の動きが取りづらい腰の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
腰が痛いのに、どうして股関節やふくらはぎを確かめるの?
前かがみや立ち上がりなど、体を折る動きは本来、股関節が大きく担うと考えられています。股関節の動きが制限されていると、その分を腰が肩代わりして、動くたびに腰へ負担が集まりやすいと言われています。太ももの裏側(ハムストリングス)やふくらはぎ(腓腹筋)は股関節の後ろ側の動きに関わるため、ここが張っていると股関節は前へ折れにくくなります。腰に痛みが出ていても、負担のもとが股関節まわりにあることは少なくありません。
痛みが強い時期に、検査を全部やらない理由
痛めた直後は、腰まわりの組織が敏感になっていて、わずかな動きにも反応しやすい状態と考えられています。この時期に筋力の検査を無理に行うと、検査そのものが痛みを強める場合があります。痛みの出る動きを、股関節の動きを変えながら確かめる方法であれば、負担を増やさずに原因の手がかりを得やすいと言われています。筋力の確認は、痛みが落ち着いてからで十分と考えられています。
痛みが出なくなったあとに、動きの練習を続ける理由
急な腰の痛みは、張っていた筋肉がゆるみ、股関節が動くようになると落ち着いていくことが多いと言われています。ただ、腰を丸めて体を折るくせや、背中側の支えの弱さが残っていると、同じ負担が腰に戻りやすいと考えられています。股関節から体を折る動き(ヒンジ)の練習や、肩甲骨のあいだの筋肉のトレーニングは、腰の肩代わりを減らすための取り組みです。この症例の方も、4回目以降は動いても痛みが出なくなりましたが、寝起きの違和感が残っているため、練習を続けながら経過をみています。
急に出た腰の痛みでは、痛みが強い時期は無理に検査や動きを増やさず、股関節の動きが制限されていないか、太ももの裏側やふくらはぎが張っていないかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。落ち着いてから体の使い方を見直すことが、同じ負担を戻さないための手がかりになります。
大畑 維吹急に腰を痛めた直後は、動くのも怖いし、何をされるのかも不安だと思います。痛みが強いときは検査を全部やる必要はありません。股関節の動きを確かめながら、まず動きやすい状態をつくり、痛みが落ち着いてから体の使い方を一緒に練習していきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 前日や数日前に急に腰が痛くなり、動くと強く痛む
- 前かがみや立ち上がりで腰が痛み、日常の動作が取りづらい
- 太ももの裏側やふくらはぎが張っている感じがある
- 体を折るときに、股関節より腰が先に丸まりやすい
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 痛みが強い時期は、無理に伸ばしたり動かしたりせず、楽な姿勢で過ごす時間をつくる
- 痛みが落ち着いてきたら、太ももの裏側とふくらはぎを、痛みのない範囲でゆっくり伸ばす
- 立ち上がるときや物を持つときは、腰を丸めず、お尻を後ろへ引いて股関節から体を折る意識をもつ
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚にしびれや力の入りにくさが出てきた
- 排尿や排便の感覚がいつもと違う
- 安静にしていても痛みが強まり、横になっていても楽にならない
- 転倒や強い衝撃のあとに痛みが出た
- 発熱をともなう、または数日たっても痛みが強まり続けている
よくある質問
急に出た腰の痛みは、何回くらいで変わりましたか?
この症例では、2回目で動くときの痛みが軽くなり、3回目にはわずかに残る程度、4回目以降は動いても痛みが出なくなりました。寝起きの違和感が残っているため、現在も2週間に1回のペースで継続して通っていただいています。経過には個人差があります。
初回に筋力の検査をしなかったのはなぜですか?
この症例では、痛めた翌日で痛みが強く、筋力の検査が痛みを強めるおそれがあったためです。代わりに、痛みの出る動きを股関節の動きを変えながら確かめ、股関節の動きの制限を見つけました。筋力やヒンジ動作の確認は、痛みが落ち着いた2回目以降に行いました。
痛みが出なくなったあとも通っているのはなぜですか?
この症例の方は、股関節の動きの制限で腰が肩代わりをしていたことが負担のもとでした。寝起きの違和感がまだ残っており、股関節から体を折る動きと背中側の支えが定着するまでは同じ負担が戻りやすいため、ペースを空けながら確かめて続けていただいています。
大畑 維吹急に出た腰の痛みは、痛みが強い時期の進め方と、落ち着いたあとの体の使い方を分けて考えることで、見通しが立てやすくなります。動くと腰が強く痛んで困っている方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。







痛めた翌日のご来院で、動くと強く痛む時期でしたので、初回は筋力の検査を無理に行わず、股関節の動きを確かめることから始めました。股関節の動きを妨げていた太ももの裏側やふくらはぎをゆるめると、2回目には動くときの痛みが軽くなり、4回目以降は動いても痛みが出なくなりました。寝起きの違和感がまだ残っていますので、股関節から体を折る動きと背中側の支えを練習しながら、同じ負担が腰に戻らないか確かめて続けていただいています。