救急車・病院・整骨院、どこに頼る?緊急度で変わる相談先と受診の目安

頼る順番は、緊急度で決まる

体の不調やケガのとき、救急車を呼ぶべきか、病院に行くべきか、整骨院でよいのか。迷ったときの答えは「緊急度」にあります。119、#7119(救急安心センター)、医療機関、整骨院という4つの窓口の使い分けを、上から順に確かめられる形でお伝えします。脳卒中のサイン、FAST(ファスト)の図解つきです。

つらい症状が出たとき、いちばんもったいないのは「どこに行けばいいか」を迷っている時間です。救急車は大げさな気がする。病院に行くほどでもない気がする。そうやって様子を見ているうちに、手遅れに近づいていく症状が、少ないながら確かにあります。

逆に、すべてを怖がって救急外来に駆け込む必要もありません。緊急度の高い順に窓口を知っておけば、いざというとき迷う時間をぐっと短くできます。上から順に見てください。

命に関わるサインは、119(救急車)

119救急車の要請・24時間

意識がもうろうとする。経験したことのない突然の激しい頭痛や胸の痛み。大きな出血。こうしたときは、ためらわず119へ電話してください。

とくに脳卒中(脳梗塞など)は時間との勝負です。治療の開始が早いほど、命が助かる可能性も、後遺症を減らせる可能性も上がります。覚え方が、FAST(ファスト)です。

脳卒中のサインFAST(ファスト)の図解。顔のゆがみ・腕のまひ・言葉のもつれのどれかがあれば、発症時刻を確かめてすぐに119番

顔・腕・言葉のどれかが急におかしくなったら、発症時刻(Time)を確かめて、すぐ119番へ。

  • Face(フェイス・顔):笑顔を作ると片方の口角が下がる、顔がゆがむ
  • Arm(アーム・腕):両腕を前に伸ばすと片方が下がる、力が入らない
  • Speech(スピーチ・言葉):ろれつが回らない、言葉が出てこない
  • Time(タイム・時刻):ひとつでも当てはまったら、気づいた時刻を確かめてすぐ119番
知っておきたい

発症時刻を伝えられると、病院が治療法を選びやすくなります。「最後に普段どおりだったのはいつか」でかまいません。症状が数分で消えた場合(一過性脳虚血発作)も、脳梗塞の前ぶれのことがあるため、消えたからと安心せず、その日のうちに受診してください。

呼ぶか迷ったら、#7119(救急安心センター)

#7119電話相談・24時間(子どもは #8000)

「救急車を呼ぶほどか、自分では判断がつかない」。そのための窓口が、#7119(シャープななひゃくじゅうきゅう・救急安心センター事業)です。番号は119と似ていますが、こちらは相談の窓口。看護師などが電話で緊急度を判断して、救急車を呼ぶべきか、いま受診できる医療機関はどこかを案内してくれます。

当院のある東京・埼玉を含む多くの地域で、24時間使えます。お子さんの症状は、#8000(こども医療電話相談)という専用の相談先もあります。

まなぶ先生 まなぶ先生

「救急車を呼ぶのは大げさな気がして」とためらう方、本当に多いですよね。あとから聞くと、ヒヤッとするケースもあります。

教子先生 教子先生

逆に、数日様子を見て悪化してから「どこに行けばいいか分からなくて」と来られる方もいます。迷いの受け皿があることは、もっと知られてほしいです。

瀬谷崎 瀬谷崎

だから#7119なんです。119は出動の番号、#7119は相談の番号。迷った時点で掛けてよくて、大げさかどうかはプロが判断してくれます。ただし、FASTのサインと、意識・胸の痛み・大出血だけは別。相談を挟まず、最初から119です。

病院(整形外科など)での検査が先のサイン

命に関わる緊急ではなくても、整骨院や鍼灸院での施術より先に、医療機関での検査をおすすめする症状があります。

  • 足に力が入らない、力がどんどん抜けていく
  • 両腕や両足など、広い範囲のしびれがある
  • 安静にしていても痛みが続く、夜の痛みで眠れない
  • 発熱や強いだるさを伴う痛み
  • 見た目に変形があるほどの大きなケガ

症状ごとの詳しい見分け方は、「病院受診の目安」の記事一覧で、頭痛・腰痛・しびれなど症状別に解説しています。気になる症状があれば、そちらもあわせて確かめてください。

ケガは、整骨院を頼ってください

捻挫・打撲・肉離れといったケガへの施術は、柔道整復師の本業です。急性期の対応がその後の経過を左右するので、緊急性があるときこそ早めにご相談ください。

骨折や脱臼が疑われる場合も、応急処置をしたうえで、医療機関へおつなぎします。「整骨院と病院、どちらに行くべきか分からないケガ」は、私たちが窓口になって振り分けられます。

検査で異常がないのに痛むときも、私たちの出番です

病院で検査をして大きな異常は見つからなかった。でも動くと痛い、痛みを繰り返す。そうしたお身体の「負担の要因」を、動きの評価で探して取り除いていくことが、整骨院・鍼灸院としての私たちの仕事です。

はじめての方向けに、当院のかかり方ははじめての方へのページでご案内しています。

受診の目安

FASTのサイン・意識の異常・突然の激しい頭痛や胸の痛み・大出血は119へ。呼ぶか迷ったら#7119(子どもは#8000)へ。脱力・広いしびれ・夜も続く痛み・発熱・大きな変形は医療機関で検査を。ケガと、検査で異常のない繰り返す痛みは、整骨院・鍼灸院の私たちにご相談ください。

順番を知っておくと、いざというとき動ける

緊急のとき、人は調べる余裕を失います。だからこそ、元気なうちに「119→#7119→病院→整骨院」という順番を頭に入れておいてください。ご家族と共有しておくと、さらに心強い備えになります。

瀬谷崎 瀬谷崎

とんとんでは、どの店舗でも、施術の前に緊急度の確認から始めます。「これはうちより先に病院です」とお伝えするのも私たちの仕事のうちです。どこに頼ればいいか分からない不調は、お電話で状況を聞かせていただければ、一緒に頼り先を考えます。

瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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