巻き肩はどう整える?セルフチェックと胸のストレッチ・肩甲骨の筋トレ・寝方の工夫
症状コラム
肩が前に入る巻き肩。胸をゆるめて、後ろから支え直す
写真に写った自分の肩が、耳より前に出ていてびっくりした。そんな経験はありませんか。巻き肩は、胸の前側がちぢんで、肩甲骨を後ろから支える筋肉がお休みしてしまった状態です。ここでは30秒でできるセルフチェックと、胸のストレッチ・肩甲骨の筋トレ・寝方の見直しを、手順つきで解説します。
巻き肩を気にして胸を張ってみても、数分後には元に戻ってしまう。矯正ベルトを買ったけれど、外すと同じ。よくあるお悩みです。形だけを直そうとするのではなく、ちぢんだ場所をゆるめ、支える筋肉に働いてもらう。この記事ではその具体的な手順を紹介します。
この記事の要点(タップで開く)
巻き肩は、肩先が前へ入り、肩甲骨が外側へ開いた状態です。胸の前側の筋肉(大胸筋・小胸筋)がちぢんで硬くなり、肩甲骨を後ろから支える筋肉が働きにくくなって起こることが多いため、「前をゆるめる」と「後ろを働かせる」を組み合わせると整えやすくなります。
- 壁を使った30秒セルフチェックで、巻き肩かどうかを確かめる
- 胸のストレッチ(大胸筋・小胸筋)で前側をゆるめる
- タオルを引く運動(タオルローイング)で肩甲骨の支えを働かせる
- 寝方と枕を見直して、寝ている間の肩の巻き込みを減らす
どれも自宅でできる内容です。痛みやしびれが強く出る場合は中止し、専門家にご相談ください。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎巻き肩とは?30秒でできるセルフチェック
巻き肩とは、肩先(肩の外側のポイント)が体の中心線より前へ入り、肩甲骨が背中の外側へ開いた状態を指します。背中全体が丸くなる「猫背」とは別の問題ですが、2つが一緒に起きている方も多くいます。まずはご自身が巻き肩かどうか、次の3つで確かめてみてください。
- かかと・お尻・背中を壁につけて立つ。肩の後ろが壁につかず、浮いていないか
- 仰向けに寝る。肩が床から指2〜3本分以上、浮いていないか
- 力を抜いて自然に立つ。垂らした手の甲が、体の横ではなく前を向いていないか
2つ以上当てはまるなら、巻き肩の傾向があると考えてよいでしょう。なお「巻き肩だから痛い」とは限らない、という点も大切です。巻き肩と痛みの関係の考え方は、別記事の巻き肩は姿勢を直せば治る?肩が前に丸まる本当の理由で詳しく解説しています。
巻き肩の原因。胸の前がちぢみ、後ろの支えがお休みする
デスクワークやスマホの操作では、腕を体の前で使い続けます。この時間が長いと、胸の前側にある大胸筋(だいきょうきん)・小胸筋(しょうきょうきん)が、ちぢんだ長さのまま硬くなっていきます。同時に、肩甲骨を背骨の側へ引き寄せて支える僧帽筋(そうぼうきん)の中部・下部や菱形筋(りょうけいきん)は、出番がないまま働きにくくなります。前に引っぱる力が強く、後ろで支える力が弱い。この綱引きの結果が巻き肩です。横向きで寝る癖があり、下になった肩が毎晩内側へ巻き込まれている方も少なくありません。
整え方1:胸のストレッチで前側をゆるめる(大胸筋・小胸筋)
最初は、前に引っぱっている側をゆるめるストレッチです。壁やドアの枠があればできます。
- 壁のへりやドア枠の横に立ち、片方の前腕(肘から手首)を枠に当てる。肘は肩と同じ高さにする
- 当てた腕はそのまま、体と足先を反対側へゆっくり回していく
- 胸の前から肩の前が伸びる位置で20〜30秒キープ。左右2〜3回ずつ行う
肘を肩より高く上げすぎると、肩の前に負担がかかります。肩の前に鋭い痛みやしびれが出る場合は中止してください。伸び感は「気持ちいい」の範囲で十分です。
整え方2:タオルを引く運動で肩甲骨の支えを働かせる
次に、お休みしている後ろ側に働いてもらう運動です。フェイスタオルを1枚使います。
- タオルの両端を持ち、腕を前に伸ばす
- 胸を軽く起こしながら、肘を体の後ろへ引いて、タオルを胸に近づける
- 左右の肩甲骨を背骨に寄せる意識で、2〜3秒止める
- ゆっくり戻す。10回を1セットとして、1日2〜3セットが目安
肩がすくんで耳に近づくと、首の横の筋肉が代わりに働いてしまい、狙いたい僧帽筋の中部・下部に効きにくくなります。肩を下げたまま、肘を後ろへ。鏡で確認しながら行うのがおすすめです。
整え方3:寝方と枕を見直す
日中に整えても、寝ている6〜8時間で肩が巻き込まれていては追いつきません。寝る環境は次の3点を見直してみてください。
- 横向きで寝る日が続くなら、仰向けの日をつくる。横向きのときは抱き枕などで上側の腕を支えると、肩の巻き込みが減りやすい
- 仰向けで肩が浮いて落ち着かない方は、二の腕から肘の下にたたんだタオルを敷くと、胸の前の張りがゆるみやすい
- 枕が高すぎると頭が前に出た姿勢のまま寝ることになる。あごが軽く引けて、首の後ろに隙間ができない高さが目安
こんなときはセルフケアより先にご相談を
腕や手のしびれが続く。夜、寝ていても肩がうずいて目が覚める。転んだ・ぶつけたなどのきっかけの後から痛い。ストレッチや運動で痛みが強くなる。こうした場合は自己流を続けず、整形外科など医療機関や当院にご相談ください。巻き肩の見た目の裏に、別の原因が隠れていることもあります。
よくある質問
Q. 矯正ベルトやサポーターだけで戻りますか?
着けている間の「気づき」には役立ちますが、外すと戻りやすいのが実際のところです。ちぢんだ胸をゆるめ、肩甲骨を支える筋肉を働かせる運動と組み合わせて使うものと考えてください。
Q. どれくらいの期間で変わりますか?
個人差が大きく、一概には言えません。長い時間をかけてつくられた状態なので、数週間単位で続けながら、セルフチェックの結果がどう変わるかを見ていくのが現実的です。
Q. 巻き肩と猫背は同じものですか?
別の問題です。巻き肩は肩甲骨と肩先の位置の話、猫背は背中(胸椎)の丸まりの話で、併発している方が多いものの、対処の狙いどころが変わります。姿勢全体を動かして支える運動は自宅でできる姿勢の運動5選で紹介しています。
Q. 巻き肩は肩こりの原因になりますか?
巻き肩の姿勢では首や肩まわりの筋肉に負担がかかりやすくなりますが、「巻き肩だから必ずこる」わけでもありません。肩こりそのものの考え方は肩こりの原因の考え方・対処・セルフケアと当院の症例集をご覧ください。
前をゆるめて、後ろで支える
巻き肩のケアは、形をまっすぐに矯正することではなく、前に引っぱる筋肉をゆるめ、後ろで支える筋肉に働いてもらい、寝ている間の環境も見直すことの積み重ねです。ご自身のやり方が合っているか不安な方、セルフケアを続けても変化を感じない方は、お近くのとんとん整骨院でお気軽にご相談ください。
瀬谷崎





