急に出て座り続けるとつらかった腰の痛みが施術を経て楽になった例(30代男性)
主訴
2024年6月、3日前に突然出た腰の痛みでご来院されました。前かがみになる動きと、座っている姿勢で痛みが強まる状態でした。
当院の評価
患者様への説明
股関節の曲がりが小さく(屈曲可動域の制限)、前かがみや座る姿勢で股関節が曲がりきらないぶんを、腰を丸めることで補っている状態でした。太ももの裏(ハムストリングス)とふくらはぎ(腓腹筋)が張っていて股関節の曲がりを妨げ、お尻の筋肉(大殿筋)は働きにくくなっていました。前かがみと座る姿勢はどちらも股関節を曲げる動きなので、腰に負担が集まりやすかったと考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】前かがみになると腰が痛む/座っていると腰が痛む 【所見】前屈で疼痛誘発、座位で疼痛
身体機能評価
股関節屈曲可動域の制限/ハムストリングス・腓腹筋の緊張/大殿筋の出力低下
判断
股関節の屈曲可動域の制限が主な要因と判断しました。ハムストリングスと腓腹筋の張りで股関節が曲がりにくく、前かがみや座位で腰椎が代わりに丸まって負担が集中し、3日前に痛みとして出たと考えました。大殿筋が働きにくいことも、股関節で支えられずに腰へ負担が寄る一因とみました。
施術の様子
患者様への説明
まず、張っていた太ももの裏とふくらはぎをゆるめ、股関節が曲がりやすい状態をつくりました。そのうえで、お尻の筋肉(大殿筋)を働かせるトレーニングを取り入れ、股関節で体を支えられるようにしていきました。痛みを抑える目的で、電気を使った物理療法もあわせて行いました。
専門的内容
【手技療法】ハムストリングス・腓腹筋のリラクゼーション/【運動療法】大殿筋のトレーニング/【物理療法】疼痛抑制を目的に実施
施術の経過
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初期
初回の施術後から、前かがみになったときの痛みが軽くなりました。
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中期
3回目には前かがみの痛みは出なくなりましたが、座っているときの痛みはまだ残っていました。
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後期
5回目には、長い時間座っていても腰の痛みが出なくなりました。現在は症状なく、再発予防のメンテナンスとして継続して通っていただいています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 7,480円+物理療法 990円
通院の目安
施術回数
5回(その後は再発予防のメンテナンスで継続中)
施術期間
5回で落ち着き、現在は再発予防のメンテナンスで継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「急に出た腰の痛みが、前かがみや座っている姿勢で強まる状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして前かがみと座る姿勢で腰が痛むの?
前かがみになる動きも、いすに座る姿勢も、股関節を曲げる動きです。股関節が曲がりにくいと、足りないぶんを腰を丸めることで補うため、腰の同じところに負担が集まりやすいと考えられています。太ももの裏やふくらはぎの筋肉が張っていると、股関節の曲がりはさらに小さくなると言われています。
前かがみの痛みが先に引き、座る痛みがあとまで残った理由
前かがみは一瞬の動きなので、張っていた筋肉がゆるむと負担が減りやすいと考えられます。一方で、座る姿勢は同じ形を長い時間保つため、股関節まわりの筋肉が支え続けられるようになるまでは、腰に負担が戻りやすいと言われています。この症例の方も、前かがみの痛みは3回目で出なくなりましたが、長く座ったときの痛みが出なくなったのは5回目でした。
お尻の筋肉を働かせる意味
お尻の大きな筋肉(大殿筋)は、座る、立つ、前かがみになるときに股関節で体を支える役割を持つと言われています。ゆるめるだけでなく、支える筋肉を働かせておくことで、同じ動きで腰に負担が戻るのを防ぎやすくなると考えられています。
急に出た腰の痛みでも、前かがみや座る姿勢で強まる場合は、腰そのものだけでなく、股関節がどのくらい曲がるか、太ももの裏やふくらはぎが張っていないか、お尻の筋肉が働いているかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
伊藤 聡史急に腰が痛くなると、腰だけをなんとかしたくなりますが、確かめてみると股関節の曲がりにくさが出どころということがよくあります。前かがみの痛みは早めに引くことが多いのですが、座る姿勢の痛みは支える筋肉が育つまで少し時間がかかります。焦らず、順番に進めていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 前かがみになると腰が痛む
- いすに座っていると、時間がたつほど腰がつらくなる
- 太ももの裏やふくらはぎが張っている感じがある
- デスクワークや運転など、座っている時間が長い
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 座っているときは30分から1時間に一度は立ち上がり、腰を軽く動かす
- いすに浅く座らず、骨盤を立てて座る位置を意識する
- 太ももの裏とふくらはぎを、痛みのない範囲でゆっくり伸ばす時間をつくる
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 安静にしていても、夜間も痛みが強く続く
- 脚のしびれや力の入りにくさが出てきた
- 排尿や排便の感覚がいつもと違う
- 発熱を伴う、または転倒や強い衝撃のあとに痛みが出た
- 数日たっても痛みが強まり続けている
よくある質問
急に出た腰の痛みは、何回くらいで変わりましたか?
この症例では、初回の施術後に前かがみの痛みが軽くなり、3回目には前かがみの痛みは出なくなりました。長い時間座ったときの痛みが出なくなったのは5回目でした。経過には個人差があります。
前かがみの痛みが引いたのに、座る痛みが残ったのはなぜですか?
前かがみは一瞬の動きですが、座る姿勢は同じ形を長く保つ必要があります。この症例では、張っていた太ももの裏とふくらはぎをゆるめると前かがみの痛みは早く引きましたが、座る姿勢はお尻の筋肉が支えられるようになるまで負担が戻りやすかったため、トレーニングを重ねてから出なくなりました。
痛みが出なくなったあとも通っているのはなぜですか?
この症例の方は、股関節の曲がりにくさと、お尻の筋肉の働きにくさが痛みの出どころでした。同じ座り方や動き方に戻ると負担がまた腰へ寄りやすいため、状態を確かめながら再発予防のメンテナンスとして継続していただいています。
伊藤 聡史急に出た腰の痛みは、腰だけでなく股関節の動きから確かめることで、進め方が見えてきます。前かがみや座る姿勢でつらい方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。






急に出た腰の痛みでしたが、確かめてみると腰そのものより、股関節の曲がりにくさが痛みの出どころでした。前かがみの痛みは筋肉をゆるめると早く引きましたが、座っている姿勢は同じ形を長く保つ必要があるため、お尻の筋肉が支えられるようになるまでもう少し回数がかかりました。5回目で長く座っても出なくなり、いまは再発予防のメンテナンスで続けていただいています。