発熱と関節の痛みが一緒に出たら?化膿性関節炎など病院受診の目安

発熱を伴う関節の痛みは、待たない方の症状

関節が痛いだけなら、様子を見る選択もあります。でも、そこに発熱が重なったときは話が別です。ひとつの関節が急に腫れて熱をもち、体にも熱がある。この組み合わせは、関節の中で細菌が増えている化膿性関節炎(かのうせいかんせつえん)など、日単位で治療を急ぎたい病気のサインのことがあります。発熱と関節痛が一緒に出たときの、病院受診の目安を解説します。

使いすぎや姿勢から来る関節の痛みは、体に熱を出しません。肩がこっても、膝が痛くても、熱は出ないのが普通です。

だから「関節の痛み+発熱」は、それだけで普通ではない組み合わせです。原因の候補はいくつかありますが、共通するのは、どれも整骨院ではなく病院で調べる病気だということです。

発熱+関節痛で考える病気

いちばん急ぐのは化膿性関節炎です。関節の中に細菌が入って増える状態で、放置すると数日のうちに軟骨が壊れていきます。ひとつの関節(膝や股関節に多い)が急に腫れて熱をもち、少し動かすだけで激痛、そして発熱。この揃い方が典型です。人工関節が入っている方、糖尿病のある方、ステロイド薬を使っている方は、とくに起こりやすいことが知られています。

高齢の方の膝や手首で似た出方をするのが偽痛風(ぎつうふう)です。カルシウムの結晶が原因の関節炎で、発熱を伴うことがあり、見た目は化膿性関節炎とそっくりです。どちらなのかは、関節の水を調べないと分かりません。

ほかにも、痛風の強い発作、関節リウマチの始まり、ウイルス感染のあとの関節痛など、候補はいくつもあります。共通の結論はひとつで、「関節+発熱」は血液検査と関節の検査で調べる領域だということです。

まなぶ先生 まなぶ先生

「風邪気味で膝も痛いだけかも」と、風邪薬と湿布で数日様子を見てしまう方は多そうですね。

教子先生 教子先生

実際、ウイルス性の風邪でも節々は痛くなりますよね。あれとの違いは、どこで見るんでしょう。

瀬谷崎 瀬谷崎

風邪の節々の痛みは、体のあちこちが同じくらい、だるく痛みます。危ないサインは「ひとつの関節だけが主役」になっているときです。特定の関節だけが腫れて、熱をもって、動かせない。そこに発熱。この組み合わせなら、風邪のせいにせず、その日のうちに調べてほしい。化膿性関節炎は、治療の早さがそのまま関節の予後になる病気だからです。

病院で診てもらいたいサイン

次のような様子があるときは、整形外科(夜間なら救急)で診てもらってください。

  • ひとつの関節が急に腫れて熱をもち、発熱もある
  • 関節を少し動かすだけで強く痛む、体重をかけられない
  • 悪寒やふるえを伴う
  • 人工関節が入っている、糖尿病がある、ステロイド薬を使っている
  • 関節のけがや注射のあとから、腫れと熱が出てきた
その日のうちに

ひとつの関節の激痛+発熱は、化膿性関節炎の可能性がある組み合わせです。週明けまで、連休明けまで、と待たずに、その日のうちに医療機関へ。夜間であれば救急外来の利用をためらわないでください。

とんとん整骨院では、この組み合わせは施術しません

とんとん整骨院・整体院では、関節の痛みのご相談で、腫れ・熱感・発熱の有無を必ず確認します。発熱を伴う関節の腫れがあるときは、施術やマッサージは行わず、その日のうちの受診をご案内します。炎症している関節を外から刺激することは、良いことがないからです。

病院で原因が確認され、治療が落ち着いたあとの関節の動きの回復、かばって落ちた筋力のリハビリは、私たちがお手伝いできる部分です。

受診の目安

ひとつの関節の腫れ・熱感+発熱は、その日のうちに整形外科または救急へ。発熱のない関節の痛みや、治療後のリハビリ・体の使い方は、整骨院でご相談ください。

「関節+発熱」だけは、様子を見ない

この記事のシリーズでは、多くの症状について「こういう場合は様子を見て大丈夫」という側も紹介してきました。でも、発熱を伴う単独の関節の激痛だけは、様子見の選択肢がない症状です。数日の差が関節の将来を分けることがある。それだけ覚えて帰ってください。

瀬谷崎 瀬谷崎

迷ったら、体温を測ってください。関節の痛みで熱があるかどうかは、受診を急ぐかどうかのいちばん簡単なものさしです。ご相談いただければ、この確認も含めて受診の要否を一緒に判断します。

瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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