巻き肩と肩こりからくる頭痛が施術を経て出なくなり姿勢を整え続けている例(40代女性)
主訴
2026年4月、姿勢の悪さと頭痛でご来院されました。巻き肩や肩こりからくる頭痛を、姿勢ごと変えていきたいというご希望でした。
当院の評価
患者様への説明
肩甲骨を背中側から支える僧帽筋(背中の上部の筋肉)と、股関節の前側で骨盤を支える腸腰筋が、伸ばされたまま働きにくい状態でした。首の前側で頭を支える深い筋肉(頸長筋)も働きが弱まっていました。一方で、胸の前の小胸筋は縮み、首の後ろの筋肉(頸部伸筋群)は力が入ったまま抜けにくくなっていました。胸の前が縮んで肩が前に巻き、頭が前に出たぶんを首の後ろの筋肉がずっと引き戻し続けているため、肩こりから頭痛につながっていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】巻き肩と頭が前に出た姿勢が気になる/肩こりから頭痛につながる 【所見】頭部前方位姿勢、肩甲骨の外転位(写真で確認)
身体機能評価
僧帽筋・腸腰筋の弱化と延長/頸長筋の弱化/小胸筋の短縮/頸部伸筋群の攣縮
判断
小胸筋の短縮で肩甲骨が前へ引かれ、伸ばされた僧帽筋が働きにくくなっていること、頸長筋の弱化で前に出た頭の位置を首の後ろの筋肉が引き戻し続けていることが主な要因と判断しました。あわせて、腸腰筋の弱化で骨盤の支えが弱まり、上半身の姿勢の崩れにもつながっていると考えました。
施術の様子
患者様への説明
まず、縮んでいた胸の前の筋肉を伸ばし、首の後ろで力が抜けにくくなっていた筋肉と、首の横の筋肉(胸鎖乳突筋)をゆるめました。そのうえで、肩甲骨を背骨側へ寄せる動きを引き出す施術(モビライゼーション)を行い、肩甲骨を支える僧帽筋の中部、頭を前側から支える頸長筋、骨盤を支える腸腰筋を働かせるトレーニングを取り入れました。毎回写真を撮り、肩甲骨や頭の位置を一緒に確かめながら進めています。
専門的内容
【手技療法】小胸筋ストレッチ/頸部伸筋群・胸鎖乳突筋へのアプローチ/肩甲骨内転モビライゼーション 【運動療法】頸長筋トレーニング・僧帽筋中部トレーニング・腸腰筋トレーニング
施術の経過
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初期
3回目には、頭痛を感じなくなったとのことでした。
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中期
5回目にかけて、肩甲骨が少しずつ背骨側へ寄ってきたことを、毎回の写真で確かめられました。
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後期
10回ほど施術を重ねたころには、頭が前に出ていた姿勢にも変化がみられました。現在も週1回のペースで、姿勢を整えるトレーニングを続けていただいています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 4,980円
通院の目安
施術回数
10回を超えて継続中(週1回)
施術期間
10回ほどで姿勢に変化、現在も週1回で継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「巻き肩や肩こりが続き、そこから頭痛につながる状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして巻き肩が頭痛につながるの?
胸の前の筋肉が縮むと、肩甲骨が前へ引かれて肩が内側に巻き、頭も前に出やすくなります。頭が前に出たぶんを、首の後ろの筋肉が引き戻し続けることになり、その緊張が抜けないまま積み重なると、首肩のこりから頭痛につながりやすいと考えられています。首の前側で頭を支える深い筋肉が弱まっていると、首の後ろの筋肉に頼る度合いがさらに強まると言われています。
頭痛が先に落ち着き、姿勢があとから変わる理由
首の後ろの緊張がゆるむと、頭痛は比較的早い段階で落ち着くことがあります。一方で、肩甲骨や頭の位置は、支える筋肉が働く順番を体が覚え直す必要があるため、変化が出るまでに回数がかかりやすいと言われています。この症例の方も、頭痛は3回目で感じなくなりましたが、肩甲骨の位置は5回目にかけて、頭の位置は10回ほどかけて少しずつ変わっています。
写真で位置を確かめながら進める意味
姿勢の変化は、ご本人の感覚だけではわかりにくいことがあります。毎回同じ条件で写真を撮り、肩甲骨や頭の位置を見比べることで、小さな変化を確かめながら進められると考えられています。変化が見えることは、トレーニングを続ける手がかりにもなります。
巻き肩からくる頭痛では、痛む頭や首だけでなく、胸の前の筋肉が縮んでいないか、頭を前側から支える筋肉が働いているか、肩甲骨を背中側から支える筋肉が働いているかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
稲毛田 和磨巻き肩や姿勢が気になる方は、背中を無理に伸ばそうとして続かないことが多いです。胸の前が縮んだままでは、伸ばしてもすぐ戻ります。縮んでいるところをゆるめてから、支える筋肉を働かせる順番で進めると、姿勢は少しずつ変わっていきます。写真で一緒に確かめながら進めましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 肩が内側に巻いている、頭が前に出ていると言われたことがある
- 肩こりがひどくなると頭痛につながる
- 背中を伸ばそうとしても、しばらくすると元の姿勢に戻ってしまう
- パソコンやスマートフォンを見る時間が長い
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 1時間に一度は席を立ち、両手を後ろで組んで胸の前を痛みのない範囲でゆっくり伸ばす
- 壁に背中をつけて立ち、あごを軽く引いて後頭部を壁に近づける動きを無理のない回数で行う
- 座るときは骨盤を立てて座り、画面の高さを目線に近づける
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 突然、これまでに経験したことのない激しい頭痛が出た
- 発熱と首のこわばりを伴う
- 手足のしびれや力の入りにくさ、ろれつが回らない、ものが二重に見えるなどの症状を伴う
- 頭を強くぶつけたあとに頭痛が続いている
- これまでと違うタイプの頭痛が増えてきた、薬を使う日が増えている
よくある質問
頭痛は何回くらいで変わりましたか?
この症例では、3回目に頭痛を感じなくなったとのことでした。首の後ろの筋肉の緊張がゆるみ、胸の前の縮みが伸びてきたことで、頭痛につながる負担が減ったと考えています。経過には個人差があります。
頭痛が出なくなったのに、なぜ通い続けているのですか?
この症例の方は、頭痛だけでなく巻き肩や姿勢そのものを変えたいというご希望でした。肩甲骨や頭の位置は、支える筋肉が働く順番を体が覚え直す必要があるため、頭痛より時間がかかります。肩甲骨の位置は5回目にかけて、頭の位置は10回ほどかけて変化がみられ、現在も週1回でトレーニングを続けていただいています。
姿勢が変わったかどうかは、どうやって確かめるのですか?
この症例では、毎回同じ条件で写真を撮り、肩甲骨や頭の位置を前回と見比べています。ご本人の感覚だけではわかりにくい変化を目で確かめられるため、進め方を決める手がかりにもなっています。
稲毛田 和磨巻き肩や姿勢は、気になっていても後回しにされがちです。胸の前をゆるめて支える筋肉を働かせていけば、頭痛の出にくい体の使い方へ変えていけます。頭痛が続いている方、姿勢を変えたい方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。











頭痛だけでなく、巻き肩や姿勢そのものを変えたいというご希望の方でした。確かめてみると、胸の前が縮んで肩が前に巻き、頭を前側から支える筋肉が働きにくいぶん、首の後ろの筋肉が頭を引き戻し続けている状態でしたので、縮んでいるところをゆるめることと、支える筋肉を働かせることを同時に進めました。頭痛は3回目で感じなくなりましたが、姿勢は筋肉が働く順番を体が覚え直す時間が必要です。毎回写真で肩甲骨と頭の位置を確かめ、変化を一緒に見ながら週1回で続けていただいています。