セーバー病(踵骨骨端症)を評価する。成長期の踵部痛と疲労骨折の鑑別、負荷管理
セラピスト向け
成長期の踵の痛みを骨端症で診る
セーバー病は、成長期(おおむね8〜12歳)の踵骨骨端核に、アキレス腱の牽引と着地の衝撃が繰り返し加わって生じる骨端症です。スポーツをする子どもの踵痛の代表で、踵の側方圧迫痛が特徴。骨端が閉鎖すれば自然軽快する良性の経過ですが、踵骨疲労骨折との鑑別と負荷管理が要点になります。
子どものかかとの痛みを「成長痛」で片づけず、臨床ではセーバー病を、骨端症として病態・評価・鑑別・対応に分けて見ていきます。
病態:踵骨骨端核への牽引・衝撃ストレス
成長期の踵骨には骨端核(成長軟骨)があり、ここにアキレス腱が付着します。ランニングやジャンプの反復で、アキレス腱の牽引と着地の衝撃が骨端核に繰り返し加わり、痛みを生じます。下腿三頭筋の硬さや急な運動量増加、足部アライメントが関与します。
運動中・運動後の踵痛、踵をかばう歩き方(つま先歩き)がみられます。骨端核が骨と癒合する思春期には自然に軽快する、良性で自己限定的な経過をとります。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎疫学と自然経過(期待値の設定)
8〜12歳前後の活動的な子どもに多く、両側性のこともあります。骨端核の癒合とともに自然軽快する、予後良好な障害です。
「成長に伴って自然に治る良性のもので、運動を完全にやめさせる必要はないが、痛みに応じて量を調整する」という見通しを保護者と共有しておくと、過度な不安や不要な安静を避けられます。
評価:所見の組み合わせで見る
- スクイーズテスト:踵骨を内外側からはさんでの疼痛
- 年齢・活動:成長期、ランニング・ジャンプ系スポーツ
- 下腿:下腿三頭筋の柔軟性、足関節背屈制限
- 歩き方:つま先歩き・踵をかばう様子
- 鑑別所見:限局した一点の痛み、安静時・夜間痛、腫脹・熱感
多くはスクイーズと臨床経過で捉えられますが、非典型的な所見があれば疲労骨折や他疾患を念頭に画像評価につなぎます。
鑑別(外せないもの)
- 踵骨疲労骨折:限局した一点の痛み、安静時・夜間痛
- アキレス腱付着部症・滑液包炎
- 足底腱膜炎(小児では頻度は低い)
- 感染・腫瘍(まれだが、安静時痛・全身症状で念頭に)
- 足根骨癒合症など構造的要因
介入:負荷管理を設計する
- 負荷管理:痛みに応じて運動量を調整(完全中止が必須ではない)
- ヒールカップ・クッション:着地衝撃の軽減
- 下腿ストレッチ:アキレス腱・下腿三頭筋の柔軟性
- 足部:必要に応じてアーチサポート
- 保護者教育:自然軽快の見通しと、痛みを指標にした調整
セーバー病は予後良好で、負荷管理とストレッチ、ヒールカップで多くは対応できます。完全な運動禁止は必須ではなく、痛みを指標に量を調整します。一点の限局痛や安静時・夜間痛、腫脹・熱感があれば、疲労骨折や他疾患を念頭に医療機関へつなぎます。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎「成長痛」で片づけず、良性と見極める
セーバー病は成長期の良性の骨端症ですが、疲労骨折との鑑別は押さえます。スクイーズと経過を症状に結びつけ、負荷管理とストレッチで対応します。非典型なら医療へつなぎます。
患者さん向けの解説:子どもがかかとを痛がるのはなぜ?セーバー病の対処と病院受診の目安













