関節がポキポキ鳴るのはなぜ?音の正体と、鳴らすクセ・気をつけたい音
症状コラム
その音は骨ではなく、泡がはじける音
指や首、腰を動かしたときに鳴るポキポキ、ボキボキという音。クセで鳴らしている方も、勝手に鳴って不安になっている方もいると思います。あの音の正体は何か、鳴らし続けると関節に悪いのか、そして音の中でも気をつけたいのはどれか。研究で分かっていることを交えて、やさしく解説します。
「関節を鳴らすと太くなるよ」と子どもの頃に言われた方は多いと思います。一方で、伸びをしたときに背中がポキッと鳴って気持ちよかった、という経験も誰にでもあるはずです。
この記事では、関節がポキポキ鳴る仕組みと、心配のいらない音・気をつけたい音の見分け方までを一つずつ見ていきます。
ポキポキ音の正体は、関節の中の「気泡」
関節は、骨と骨が袋(関節包・かんせつほう)に包まれた構造をしていて、中は関節液という潤滑油で満たされています。指を引っぱったり関節を大きく動かしたりすると、関節の中の圧力が急に下がり、関節液に溶けていた気体が一瞬だけ泡になります。このときに出るのがポキッという音だと考えられています。
つまり、骨どうしがぶつかっている音でも、骨が削れている音でもありません。一度鳴るとしばらく鳴らないのは、泡が関節液に溶けて戻るまでに時間がかかるためです。
指だけでなく、首・腰・肩・膝・足首でも同じ仕組みの音は起こります。動き始めに肩や腰がポキポキ鳴るのは、多くの場合この気泡の音か、腱や靭帯が骨の出っぱりを乗り越えるときの音です。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎鳴らすクセで関節が太くなるって本当?
今のところ、指を鳴らすクセと関節の変形や太さを直接結びつける確かな証拠は見つかっていません。先ほどの60年間の自己実験のほかにも、指を鳴らす習慣がある人とない人を比べた調査がいくつかありますが、関節の変形との強いつながりは示されていません。
ただし、これは「鳴らしてもまったく問題ない」という保証ではありません。強い力で無理に鳴らせば、関節のまわりの靭帯や腱に負担がかかることはあり得ます。特に他人に鳴らしてもらう、勢いをつけてひねる、といったやり方は力の加減がききません。
心配のいらない音と、気をつけたい音の見分け方
見分けの軸はシンプルで、音そのものより「音以外に何かあるか」です。
心配が少ない音
- 鳴っても痛みがない
- 動き始めに1回鳴るだけで、あとは普通に動かせる
- 腫れや引っかかり感がない
確認したい音
- 音と一緒に痛みが出る、鳴らした後に痛みが残る
- 膝でゴリゴリ・ミシミシという音が続き、引っかかる感じや腫れがある
- 指の曲げ伸ばしでカクンと引っかかる(ばね指と呼ばれる状態のことがあります)
- 股関節で歩くたびに鳴り、だんだん痛みが出てきた
膝の場合は半月板や軟骨、指の場合は腱の通り道のトラブルなど、音の裏に理由がひそんでいることがあります。股関節の音については別の記事で詳しく扱っているので、そちらも参考にしてください。
首や腰を自分でボキボキ鳴らすのは大丈夫?
首をひねって鳴らす、腰を勢いよく回して鳴らす。気持ちよさはありますが、首や腰は神経や血管の通り道でもあります。自分で勢いをつけて限界までひねるやり方は、間接的に負担を積み重ねることがあるため、おすすめしていません。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎こんなときは相談してください
音に痛み・腫れ・引っかかりが伴うとき、鳴らした後に痛みが続くとき、音がだんだん増えて動かしにくさも出てきたときは、一度体の状態を確認することをおすすめします。関節そのものの問題か、まわりの筋肉や動かし方の問題かで、やるべきことが変わるからです。
当院では、音が出る動きを実際に確認しながら、関節のまわりの筋肉の状態と動かし方をチェックしています。「鳴るだけで痛くないけれど気になる」という相談でも大丈夫です。
瀬谷崎この記事は一般的な情報提供です。症状の出方には個人差があります。痛みや腫れが続くときは、医療機関への受診をご検討ください。
出典・参考





