立ち仕事の最中に強まっていた右のお尻からもも裏の痛みが施術を経て楽になってきた例(60代男性)
主訴
2026年8月、右のお尻から右の太ももの裏にかけての痛みでご来院されました。痛みは来院の3〜4か月前から出ており、立ち仕事をしている最中に強まることがあったとのことでした。
当院の評価
患者様への説明
立った姿勢と股関節の動きを確かめると、股関節の前側の筋肉(股関節屈筋群)が硬く、股関節を後ろへ伸ばしにくい状態でした。右の太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)は張りが強く、お尻の筋肉(殿筋群)は力が入りにくくなっていました。長い時間立って働くあいだ、お尻の筋肉が骨盤と脚を支えきれず、太ももの裏の筋肉が代わりに働き続けていることが、右のお尻からもも裏の痛みにつながっていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】立ち仕事の最中に右のお尻から右の太ももの裏にかけて痛みが強まる/3〜4か月前から持続 【所見】股関節屈筋群の柔軟性低下、右ハムストリングスの緊張、殿筋群の筋出力低下
身体機能評価
股関節屈筋群の柔軟性低下(股関節伸展の制限)/右ハムストリングスの過緊張/殿筋群の筋出力低下/立位保持で殿筋群の代わりにハムストリングスが働き続ける負担
判断
立ち仕事では、股関節の前側の筋肉が縮んだまま固まりやすく、骨盤が前に倒れた姿勢になりやすいと言われています。この姿勢ではお尻の筋肉が働きにくくなり、脚を支える役目を太ももの裏の筋肉が引き受けることになります。この方も、股関節の前側が硬くてお尻の筋肉に力が入りにくく、右の太ももの裏が張り続けていました。右のお尻からもも裏にかけての痛みは、この負担の偏りによるものと判断し、股関節まわりの柔軟性を取り戻しながら、お尻の筋肉で支えられる状態をつくる方針としました。
施術の様子
患者様への説明
股関節の前側の筋肉(股関節屈筋群)と右の太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)に手技とストレッチを行い、股関節まわりの柔軟性を取り戻すことから始めました。あわせて、ハイボルト(高電圧の電気療法)を用いています。お尻の筋肉(殿筋群)には力が入りにくくなっていたため、トレーニングを行い、立っているあいだに骨盤と脚を支えられる状態を目指しました。ご自宅でのセルフケアとしては、太ももの裏(ハムストリングス)と太ももの外側(大腿筋膜張筋)のストレッチをお伝えし、続けていただいています。
専門的内容
【手技療法】股関節屈筋群・右ハムストリングスへのアプローチとストレッチによる股関節周囲の柔軟性改善/【物理療法】ハイボルト(高電圧電気療法)/【運動療法】殿筋群の筋出力向上を目的としたトレーニング、ハムストリングスと大腿筋膜張筋のストレッチをセルフケアとして指導
施術の経過
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初期
初回から、股関節の前側と右の太ももの裏をゆるめる施術と、ハイボルト(高電圧の電気療法)をあわせて進めました。お尻の筋肉のトレーニングも早い段階から取り入れています。
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中期
施術を重ね、4回目のころには、立ち仕事の最中に強まっていた右のお尻からもも裏の痛みが、初めのころと比べてはっきり軽くなってきました。太ももの裏と外側のストレッチをご自宅でも続けていただいています。
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後期
現在は、痛みはわずかに感じる程度に落ち着いています。立ち仕事は続きますので、お尻の筋肉で支える状態を保てるよう、トレーニングとセルフケアを続けながら施術を継続しています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円+電気療法 1,100円
2回目以降の料金
施術 7,136円+電気療法 1,100円
通院の目安
施術回数
4回以上(継続中)
施術期間
4回目のころに立ち仕事中の痛みがはっきり軽くなり、現在はわずかに感じる程度に落ち着いて、トレーニングとセルフケアを続けながら施術を継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「立ち仕事をしている最中に、片側のお尻から太ももの裏にかけて痛みが強まり、数か月続いている状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
立ち仕事をしていると、お尻からもも裏が痛くなるのはなぜ?
立っている姿勢を保つあいだ、骨盤と脚はお尻の筋肉(殿筋群)に支えられています。ところが、股関節の前側の筋肉が縮んだまま硬くなると、骨盤が前に倒れた姿勢になりやすく、お尻の筋肉が働きにくくなると言われています。そうなると、脚を支える役目を太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)が引き受けることになり、長く立っているうちに張りが強まって、お尻からもも裏にかけて痛みとして感じやすくなると考えられています。立ち仕事の最中に痛みが強まるのは、この支え役の偏りが続く時間が長いためと見ることができます。
ゆるめるだけでは戻りやすい
太ももの裏が張っているからといって、そこを伸ばすだけでは、立ち仕事に戻ると同じ負担がかかります。股関節の前側をゆるめて骨盤の傾きを整えることと、お尻の筋肉で支えられるようにトレーニングすることを並行して進める考え方が取られることがあります。この症例でも、手技とストレッチに加えて、お尻の筋肉のトレーニングを早い段階から取り入れ、ご自宅ではハムストリングスと大腿筋膜張筋のストレッチを続けていただきました。
しびれを伴う場合は別の見方も
お尻から脚にかけての症状には、筋肉の負担の偏りだけでなく、神経が関わるものもあります。脚にしびれや力の入りにくさがある場合は、どこで症状が出ているのかを切り分けて確かめることが大切です。この症例は、しびれより痛みと張りが中心で、立ち仕事の最中に強まるという特徴から、股関節まわりの柔軟性とお尻の支えに注目して進めました。
立ち仕事で強まるお尻からもも裏の痛みでは、痛む場所だけでなく、股関節の前側が硬くなっていないか、お尻の筋肉で立ち姿勢を支えられているかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
杉生 真悟立ち仕事の最中に強まる痛みは、仕事を休めない分、長く我慢してしまう方が多いです。痛むお尻やもも裏だけでなく、股関節の前側の硬さや、お尻の筋肉が働けているかを一緒に確かめさせてください。仕事の合間にできるストレッチもお伝えします。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 立ち仕事をしていると、片側のお尻から太ももの裏にかけて痛みが強まる
- 痛みが数か月続いていて、休むと少し楽になるがまた戻る
- 股関節の前側や太ももの付け根が硬い感じがする
- 太ももの裏が張りやすく、前かがみで突っ張る
- 長く立ったあとにお尻に力が入りにくい、疲れやすいと感じる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 立ち仕事の合間に、片脚を後ろに引いて股関節の前側を軽く伸ばす時間をつくる
- 仕事のあとに、太ももの裏と外側をゆっくり伸ばすストレッチを続ける
- 立っているときに、お尻に軽く力を入れて骨盤を支える意識を持ち、片脚に体重をかけ続けない
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚にしびれが出る、力が入りにくい、感覚が鈍い
- 排尿や排便の調子がおかしい
- 安静にしていても、夜間も痛みが強く続く
- 発熱や体重減少など体調の不調を伴っている
- 転倒や強い衝撃のあとに痛みが出た
よくある質問
立ち仕事中のお尻からもも裏の痛みは、何回くらいで変わりましたか?
この症例では、4回目のころに立ち仕事の最中の痛みが初めのころと比べてはっきり軽くなり、現在はわずかに感じる程度に落ち着いています。トレーニングとセルフケアを続けながら施術を継続中です。経過には個人差があります。
太ももの裏が痛いのに、股関節の前側やお尻にも施術したのはなぜですか?
この症例では、股関節の前側が硬くてお尻の筋肉に力が入りにくく、その分を太ももの裏の筋肉が支え役として引き受けて張り続けていました。張っている太ももの裏をゆるめるだけでなく、股関節の前側の硬さをとり、お尻の筋肉で支えられるようにすることで、負担の偏りが戻りにくい状態を目指しました。
立ち仕事を続けながらでも大丈夫ですか?
この症例では、立ち仕事を続けながら施術を進めました。仕事の合間や仕事のあとにできる太ももの裏と外側のストレッチをお伝えし、お尻の筋肉のトレーニングと組み合わせて、立っているあいだの支え方が変わるように取り組んでいただいています。
杉生 真悟立ち仕事で強まるお尻からもも裏の痛みは、股関節の前側の硬さとお尻の支えから確かめることで進め方が見えてきます。仕事を続けながらでも取り組めますので、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








立ち仕事で強まるお尻からもも裏の痛みは、痛む場所そのものより、股関節の前側の硬さとお尻の筋肉の働きに背景があることがあります。この方は、股関節の前側が硬くてお尻に力が入りにくく、右の太ももの裏が支え役を引き受けて張り続けていました。股関節まわりをゆるめることと、お尻で支えられるようにすることを並行して進め、4回目のころには痛みがはっきり軽くなってきました。立ち仕事は続きますので、ご自宅でのストレッチを組み合わせながら、負担の偏りが戻らないように経過を確かめています。