仕事のあとに出ていたお尻から脚の突っ張り感が施術を経て楽になった例(30代女性)
主訴
2026年5月、左の下半身の痛みと突っ張り感でご来院されました。数年前から続いており、きっかけは思い当たらないとのことでした。重い物を持ったときや、仕事のあとに症状が出やすい状態でした。約10年前には、坐骨神経の通る範囲に痛みやしびれが出たこともあったとのことです。
当院の評価
患者様への説明
動きの検査では、股関節を曲げて内側にひねる動きで、左のお尻に痛みが再現されました。お尻の大きな筋肉(大殿筋)の働きが弱まり、お尻の奥の筋肉(梨状筋)は引き伸ばされた状態で、太ももの内側の筋肉(内転筋群)には硬さがありました。脚が内側に寄った姿勢で立ち続けることで、お尻の筋肉が常に引き伸ばされるストレスを受け、痛みや突っ張り感につながっていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】重い物を持ったとき・仕事のあとに左のお尻から脚に痛みと突っ張り感(数年来) 【検査】股関節屈曲+内転+内旋で左殿部に疼痛誘発
身体機能評価
大殿筋の筋出力低下/梨状筋の延長/内転筋群の短縮/股関節内転位による殿筋群への伸張ストレス
判断
太ももの内側の筋肉の硬さで脚が内側に寄る姿勢になり、支える力の弱まったお尻の筋肉が引き伸ばされ続けることで、仕事のあとに痛みや突っ張り感が出ていたことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
硬さのあった太ももの内側の筋肉を伸ばして脚の位置を整え、弱まっていたお尻の筋肉は立った姿勢でのトレーニングで支える力を育てる方針で進めました。引き伸ばされていたお尻の奥の筋肉には、縮める運動と、緊張をやわらげる目的の鍼を組み合わせました。
専門的内容
【運動療法】内転筋群のストレッチ/立位での殿筋群のトレーニング/梨状筋の短縮化運動/【鍼】梨状筋の筋緊張緩和を目的とした刺鍼
施術の経過
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初期
初回から2回目までは、施術のあとは良い状態でしたが、仕事をすると症状が戻っていました。3回目には、突っ張り感が気にならなくなりました。
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中期
4回目から7回目にかけて、症状の出る頻度が減っていきました。
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後期
8回目以降は痛みも少しずつ弱まり、11回目の時点で、日常生活に支障のない状態で過ごせています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円+鍼灸 2,200円
2回目以降の料金
施術 7,150円(10回目以降 7,480円)
通院の目安
施術回数
約11回
施術期間
11回目の時点で、日常生活に支障のない状態で経過中
ここでは、この症例の記録とは別に、「重い物を持ったあとや仕事のあとに出る、お尻から脚にかけての痛みや突っ張り感」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして仕事のあとにお尻から脚が突っ張るの?
お尻の筋肉は、立って動くあいだ骨盤と脚を支え続けています。太ももの内側の筋肉が硬く、脚が内側に寄った姿勢が続くと、お尻の筋肉は引き伸ばされたまま働くことになり、負担が積み重なった一日の終わりに痛みや突っ張り感としてあらわれやすいと考えられています。坐骨神経がお尻の奥の筋肉のそばを通るため、脚のほうまで症状が広がることもあると言われています。
お尻から脚の突っ張り感では、痛む場所だけでなく、脚の位置を決めている太ももの内側の硬さと、お尻の支える力を確かめることが役立つと言われています。
新谷 優樹「施術のあとは楽なのに、仕事をすると戻る」という方は少なくありません。戻るのは日中の負担が変わっていないからで、そこを変えるのは立った姿勢でのトレーニングです。数年続いている症状でも、負担のかかり方が見つかれば進め方は組めますので、ご相談ください。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 重い物を持ったあとや仕事のあとに、お尻から脚が突っ張る
- 症状が数年単位で続いている
- 立っていると脚が内側に寄りやすい、内股気味と言われる
- 以前に坐骨神経の範囲の痛みやしびれを経験したことがある
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 立ち仕事の合い間に、両足を肩幅に開いてお尻に軽く力を入れる時間を作る
- 太ももの内側を軽く伸ばすストレッチを、痛みのない範囲で続ける
- 長時間の同じ姿勢を避け、こまめに歩いて脚の位置を切り替える
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚のしびれや力の入りにくさが強まっている
- 安静にしていても痛みが強まり続けている
- 排尿・排便のコントロールがしづらい
- 発熱や、転倒・強くぶつけたあとの痛みを伴う
よくある質問
数年続いた症状でも変わりますか?
この症例の方は数年前から続く症状でしたが、11回目の時点で日常生活に支障のない状態になりました。期間の長さだけで判断せず、負担のかかり方を確かめることから進めています。経過には個人差があります。
施術のあと楽になっても、仕事で戻るのはなぜですか?
この症例でも、初回から2回目までは仕事をすると症状が戻っていました。日中の姿勢や動きで負担のかかり方が変わっていないためで、この方の場合は立った姿勢でお尻の支える力を育てるトレーニングを重ねることで、戻り方が変わっていきました。
鍼は何のために行うのですか?
この症例では、引き伸ばされて緊張していたお尻の奥の筋肉(梨状筋)の緊張をやわらげる目的で鍼を行い、ストレッチやトレーニングと組み合わせました。組み合わせはお一人おひとりの状態に応じてご提案しています。
新谷 優樹一日の終わりに出る突っ張り感は、日中の体の使い方が積み重なった結果です。支える力を育てて、仕事のあとも軽い脚で帰れるように一緒に進めていきましょう。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。







「仕事をすると戻る」という時期が最初にありました。これは施術が効いていないのではなく、日中の姿勢や動きで負担のかかり方が変わっていないサインだと考え、お尻の支える力を立った姿勢で育てるトレーニングを軸に据えました。頻度が減り、強さが弱まり、と段階を踏んで落ち着いていった経過をそのまま記録しています。10年前の坐骨神経の症状の既往もある方なので、今後も脚の位置とお尻の支えを保っていけるよう続けていきます。