15年続いたデスクワークの首肩の痛みと張りが、2週に1回の施術を続けて出る頻度が減ってきた例(40代男性)
主訴
2025年5月、首や肩まわりの慢性的な不調でご来院されました。何とも言えない痛みや張りが常に気になる状態が15年ほど前から続いており、デスクワーク中心のお仕事が忙しくなると症状が強まり、つらさで仕事に集中できないこともあったとのことです。以前は月に1回ほどマッサージに通われていました。運動量が減った時期には首肩の張りが強くなるなど、ふだんの活動量によって状態が変わるのも特徴で、ウォーキングも続けていらっしゃいます。
当院の評価
患者様への説明
お体を確かめると、胸の前にある筋肉(小胸筋)、腕の前面の筋肉(上腕二頭筋)、首の横を走る筋肉(胸鎖乳突筋)、肩甲骨まわりの筋肉に張りがあり、肩甲骨と背中の上のほう(胸椎)の動きが硬くなっていました。デスクワークで腕を前に出したまま、頭が前に出た姿勢が長く続くと、胸と腕の前側が縮んで肩甲骨が前に引かれ、首の後ろと肩の上の筋肉が支え続けることになります。忙しい時期や運動量が減った時期に強まるのは、この姿勢の時間が増え、動かす時間が減るためと考えました。張りが強い時期には股関節まわりの硬さも関わっていました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】デスクワーク中心・仕事が忙しくなると首肩の痛みと張りが強まり集中できないことも/運動量が減った時期に張りが強まる/15年来 【所見】頭部前方位・肩甲骨が前に引かれた姿勢
身体機能評価
小胸筋・上腕二頭筋・胸鎖乳突筋・肩甲骨周囲筋の緊張/肩甲骨・胸椎の可動性低下/張りが強い時期は股関節まわりの硬さも関与
判断
15年続く首肩の不調で、忙しさや運動量に応じて波があることから、首肩の筋肉そのものに加えて、肩甲骨を前に引く胸と腕の前側の筋肉、そして肩甲骨と胸椎の動きの硬さが負担を集めていると考えました。慢性的に続いている症状のため、1回で大きく変えるより、肩甲骨と胸椎が動く状態をつくって首肩の筋肉が支え続けなくて済むようにし、2週に1回のペースで状態を確かめながら続ける方針としました。張りが強い時期には股関節まわりも含めて対応しています。
施術の様子
患者様への説明
胸の前の筋肉(小胸筋)、腕の前面の筋肉(上腕二頭筋)、首の横の筋肉(胸鎖乳突筋)、肩甲骨まわりの筋肉をゆるめる手技を行い、あわせて肩甲骨と背中の上のほう(胸椎)の動きを引き出すモビライゼーション(関節をゆっくり動かして動きを広げる手技)を行いました。張りが強い時期には、股関節まわりも含めて整えています。
専門的内容
【手技療法】小胸筋・上腕二頭筋・胸鎖乳突筋・肩甲骨周囲筋へのアプローチ/肩甲骨・胸椎のモビライゼーション/張りが強い時期は股関節周囲も対応
施術の経過
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初期
ご来院当初と比べると、首肩の痛みや張りが出る頻度は少しずつ減ってきました。デスクワークで同じ姿勢が続くお仕事のため、施術のあとの楽な状態をどのくらい保てるかを確かめながら、間隔を決めていきました。
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中期
今も症状が出ることはありますが、2週に1回のメンテナンスで対応できる範囲におさまっています。忙しい時期や運動量が減った時期には首肩の症状が強くなることもあり、そのときは張りの出方に合わせて施術の内容を調整しています。
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後期
慢性的な症状が長く続いているため、現在も2週に1回のメンテナンスを基本に継続されています。以前は月1回のマッサージで対処されていましたが、現在は肩甲骨と胸椎の動きを保つ施術と、ご自身のウォーキングを組み合わせて、症状が出る頻度を抑える形で続けています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
1,000円(ご来院当時の料金)
2回目以降の料金
5,500円
通院の目安
施術回数
2週に1回のメンテナンスを基本に継続中(2025年5月から約1年半・約35回)
施術期間
2025年5月から約1年半、2週に1回のペースで継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「デスクワークで何年も続き、忙しさや運動量によって強まったり落ち着いたりする首肩の痛みと張り」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
忙しくなると首肩の張りが強まるのはなぜ?
デスクワークでは、腕を前に出して頭がやや前に出た姿勢が長く続きます。この姿勢では、胸や腕の前側の筋肉が縮んで肩甲骨が前に引かれ、首の後ろと肩の上の筋肉が頭と腕を支え続けることになると言われています。忙しい時期はこの姿勢の時間が増え、席を立つ回数や運動の時間が減るため、支え続ける側の筋肉に負担が集まりやすくなります。運動量が減った時期に張りが強まるのも、同じ理由で説明できることがあります。
何年も続く症状では「出る頻度」を見る
15年のように長く続いている首肩の症状は、1回の施術で大きく変わるというより、肩甲骨と胸椎(背中の上のほう)が動く状態をつくり、首肩の筋肉が支え続けなくて済む体の使い方に戻していくという組み立てが取られることがあります。この症例でも、胸の前・腕の前側・首の横の筋肉をゆるめ、肩甲骨と胸椎のモビライゼーションを行い、張りが強い時期には股関節まわりも含めて対応しました。評価の軸は、症状がゼロになったかではなく、出る頻度と強さがどう変わったか、楽な状態をどのくらい保てるかに置いています。
月1回のマッサージから、2週に1回のメンテナンスへ
以前は月1回のマッサージで対処されていた方ですが、現在は2週に1回のペースで、肩甲骨と胸椎の動きを確かめながら続けています。忙しい時期や運動量が減った時期に強まることは今もありますが、その波を前提に、ご自身のウォーキングと組み合わせて付き合っていく形です。長く続いている首肩の不調は、どんな時期に強まるかを教えていただけると、進め方の見通しが立てやすくなります。
何年も続く首肩の痛みや張りでは、首肩の筋肉だけでなく、肩甲骨を前に引く胸と腕の前側の筋肉、肩甲骨と胸椎の動き、そして忙しさや運動量による波をあわせて見ることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
川口 流世長く続いている首肩の不調は、「もう付き合っていくしかない」と思われている方が多いのですが、どんな時期に強まるかには理由があります。肩甲骨と胸椎が動く状態をつくると、同じデスクワークでも首肩への負担の集まり方が変わってきますので、波があることを前提に一緒に組み立てていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- デスクワーク中心で、首肩の痛みや張りが何年も続いている
- 仕事が忙しい時期に首肩のつらさが強まり、集中しづらくなることがある
- 運動量が減った時期に張りが強くなる
- マッサージを受けると一時的に楽になるが、しばらくすると戻る
- 腕を前に出した姿勢が長く、肩が前に入りやすいと感じる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 1時間に1回は席を立ち、胸を開いて肩甲骨を寄せる動きを数回行う
- ウォーキングなど全身を動かす時間を、忙しい時期ほど意識して確保する
- 画面の高さを目線に近づけ、頭が前に出にくい環境をつくる
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 腕や手にしびれ、力の入りにくさが出てきた
- 安静にしていても痛みが強く、夜も眠れない
- 今まで経験したことのない強い頭痛を伴う
- 発熱や体重減少など体調の不調を伴っている
- 首肩の痛みとともに胸の痛みや息苦しさがある
よくある質問
15年続いている首肩の張りでも、変わるものですか?
この症例では、ご来院当初と比べて症状が出る頻度は少なくなってきました。今も忙しい時期や運動量が減った時期には強まることがあり、2週に1回のメンテナンスで対応しています。長く続いている症状は、ゼロになるかどうかより、出る頻度と強さの変化を見ながら進めています。経過には個人差があります。
どのくらいのペースで通われていますか?
この症例では、慢性的な症状が長く続いているため、2週に1回のメンテナンスを基本にしています。忙しさや運動量による波に合わせて、施術の内容を調整しながら続けています。
首肩の症状なのに、股関節も関係ありますか?
この症例では、張りが強い時期には股関節まわりの硬さも関わっていたため、首肩だけでなく股関節まわりも含めて対応しました。座っている時間が長いと股関節の前側が硬くなり、姿勢全体に影響することがあると言われています。体の状態によって関わり方は異なりますので、来院時にご相談ください。
川口 流世首肩の痛みや張りが何年も続いていて、忙しいと強まるという方は、肩甲骨と胸椎の動きから確かめると進め方が見えてきます。いつから、どんな時期につらいかを教えていただければ、一緒にたどっていきますので、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。









15年続いている首肩の不調で、「何とも言えない痛みや張り」という言葉どおり、はっきりした動作痛ではなく、常に気になる種類のつらさでした。こうした慢性的な症状は、忙しさや運動量で波があるのが自然で、ゼロになるかどうかより、出る頻度と強さがどう変わるかを見ています。胸と腕の前側をゆるめて肩甲骨と胸椎が動く状態をつくると、首肩が支え続けなくて済むようになり、ご本人の実感として出る頻度は減ってきました。今も出ることはありますが、2週に1回の確認で対応できる範囲に保てています。