転職でデスクワークが増えてから出たズーンと重だるい首肩が施術とトレーニングを経て落ち着き、再発予防のケアに移った例(30代男性)
主訴
2026年7月、首から肩にかけての重だるさでご来院されました。2〜3か月前に転職され、デスクワークが増えたことをきっかけに症状が出てきたとのことです。長時間パソコン作業を続けると「ズーンとする」ような重さが現れ、ひどいときには仕事に集中できないほどつらくなることもありました。
当院の評価
患者様への説明
お体を確かめると、肩甲骨が外側に引っ張られるような位置にあり、首や肩の後ろ側の筋肉に負担がかかっている状態でした。パソコン作業では腕を前に出したまま頭が前に出た姿勢が続きます。この姿勢では胸の前の筋肉(小胸筋)が縮んで肩甲骨を外側へ引き、肩甲骨を背中側で支える筋肉(僧帽筋の中部)が引き伸ばされたまま働きにくくなります。すると首と肩の後ろ側の筋肉が頭と腕の重さを支え続けることになり、長時間作業のあとに重だるさとして出ていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】長時間のパソコン作業でズーンとする首肩の重だるさ/ひどいときは仕事に集中できない/転職でデスクワークが増えて2〜3か月 【所見】肩甲骨が外側へ引かれた位置・頭部前方位
身体機能評価
小胸筋の短縮(肩甲骨の外転)/僧帽筋中部の筋出力低下/頸部〜肩後面の筋緊張
判断
デスクワークが増えてから出てきた首肩の重だるさで、肩甲骨が外側へ引かれ、首や肩の後ろ側の筋肉が支え続けている状態と考えました。胸の前と肩甲骨まわり、首の筋肉をゆるめるだけでは、仕事に戻ればまた同じ姿勢になるため、肩甲骨を背中側で安定させる僧帽筋のトレーニングをあわせて行い、作業中に首肩の筋肉が支え続けなくて済む状態を目指す方針としました。
施術の様子
患者様への説明
胸の前の筋肉(小胸筋)、肩甲骨まわり、首の筋肉を中心に、硬くなっている部分をゆるめる施術を行いました。あわせて、肩甲骨を背中側で安定させるために、肩甲骨の間にある筋肉(僧帽筋の中部)のトレーニングを取り入れました。ご自宅では小胸筋のストレッチも続けていただいています。
専門的内容
【手技療法】小胸筋・肩甲骨周囲筋・頸部筋へのアプローチ/【運動療法】僧帽筋中部のトレーニング(肩甲骨の安定)/【セルフケア】小胸筋のストレッチ
施術の経過
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初期
1〜3回目にかけて、首や肩の重だるさを感じることが徐々に減り、首や肩の動かしやすさにも変化がみられました。
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中期
4〜6回目は、冷えによって一時的に肩の重さが出ることもありましたが、ご本人の実感として以前よりだいぶ軽い状態でおさまるようになりました。7〜12回目には、仕事中も強い症状が出ることは少なくなり、安定した状態を保てるようになりました。
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後期
現在は症状が落ち着いているため、再発予防を目的としたメンテナンスに移行しています。引き続き僧帽筋のトレーニングと小胸筋のストレッチを続けていただき、デスクワークによる負担を軽くできるよう取り組んでいます。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
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2回目以降の料金
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通院の目安
施術回数
12回を経て再発予防のメンテナンスへ移行(継続中)
施術期間
約3〜4か月で再発予防のメンテナンスへ移行し、現在も継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「転職などでデスクワークが増えてから出てきた、長時間のパソコン作業でズーンと重くなる首肩」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
デスクワークが増えると、首肩がズーンと重くなるのはなぜ?
パソコン作業では、腕を前に出したまま頭がやや前に出た姿勢が長く続きます。この姿勢では、胸の前の筋肉が縮んで肩甲骨を外側へ引き、肩甲骨を背中側で支える筋肉が引き伸ばされたまま働きにくくなると言われています。肩甲骨の土台が安定しないぶん、首と肩の後ろ側の筋肉が頭と腕の重さを支え続けることになり、作業時間が長くなるほど重だるさとして出てきます。転職や配置換えで急にデスクワークが増えた方に多いのは、体がまだその姿勢に慣れていないうちに負担が集まるためと考えられています。
ゆるめるだけでは戻りやすい理由
首や肩の筋肉をゆるめると一時的に楽になりますが、仕事に戻ればまた同じ姿勢になります。そのため、胸の前をゆるめて肩甲骨が戻れる状態をつくり、あわせて肩甲骨を背中側で安定させる僧帽筋のトレーニングを行うという組み立てが取られることがあります。この症例でも、施術と僧帽筋のトレーニングを組み合わせ、ご自宅では小胸筋のストレッチを続けていただきました。
途中で戻るのは悪化?
この症例では、4〜6回目に冷えで一時的に肩の重さが出た時期がありました。経過の途中でこうした戻りがあるのは珍しいことではなく、戻ったときの強さと戻り方を見ることで、肩甲骨を支える力がついてきているかを確かめられます。7回目以降は仕事中も強い症状が出ることが少なくなり、現在は再発予防のペースに移っています。当院ではデスクワークを始めてから出たジンジンする首肩の痛みの症例も記録しています。重だるさか、痛みかで出方は違いますが、どちらも肩甲骨の位置と支える筋肉から確かめる点は共通しています。
デスクワークが増えてから出た首肩の重だるさでは、首肩の筋肉だけでなく、肩甲骨が外側へ引かれていないか、肩甲骨を背中側で支える筋肉が働いているかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
鈴木 英二転職や配置換えでデスクワークが急に増えた方は、体がまだその姿勢に慣れていないうちに首肩へ負担が集まりやすいものです。ゆるめることと、肩甲骨を支える筋肉を働かせることを組み合わせると、同じ仕事を続けながらでも落ち着いた状態を保ちやすくなりますので、一緒に組み立てていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 転職や配置換えで、ここ数か月デスクワークが急に増えた
- 長時間のパソコン作業のあとに首肩がズーンと重くなる
- ひどいときは仕事に集中できないほどつらい
- 肩が前に入り、肩甲骨が外に開いている姿勢だと言われたことがある
- 冷えた日に首肩の重さが出やすい
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 1時間に1回は席を立ち、両手を後ろで組んで胸を開き、肩甲骨を寄せる動きを数回行う
- 胸の前の筋肉(小胸筋)を、壁に腕をつけて体をひねるストレッチで伸ばす時間をつくる
- 画面を目線の高さに近づけ、キーボードを体に近づけて腕を前に出しすぎない
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 腕や手にしびれ、力の入りにくさが出てきた
- 安静にしていても首肩の痛みが強く、夜も眠れない
- 今まで経験したことのない強い頭痛を伴う
- 発熱や体重減少など体調の不調を伴っている
- 首肩の症状とともに胸の痛みや息苦しさがある
よくある質問
デスクワークで出た首肩の重だるさは、どのくらいで変わりましたか?
この症例では、1〜3回目で重だるさを感じることが徐々に減り、4〜6回目は冷えで一時的に出ることもありましたが、7〜12回目には仕事中も強い症状が出ることが少なくなりました。現在は再発予防のメンテナンスに移行しています。経過には個人差があります。
施術だけでなくトレーニングも必要ですか?
この症例では、首肩の筋肉をゆるめるだけでは仕事に戻ると同じ姿勢になるため、肩甲骨を背中側で安定させる僧帽筋のトレーニングと、ご自宅での小胸筋のストレッチを組み合わせました。体の状態によって適した進め方は異なりますので、来院時にご相談ください。
仕事を変えずに続けられますか?
この症例の方は、デスクワークを続けながら施術とトレーニングを進めました。作業の合間に胸を開く動きを入れることや、画面やキーボードの位置を見直すことも組み合わせています。
鈴木 英二デスクワークが増えてから首肩がズーンと重くなるという方は、肩甲骨の位置と支える筋肉から確かめると進め方が見えてきます。いつから、どんな作業のあとにつらいかを教えていただければ、一緒にたどっていきますので、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。







転職でデスクワークが増えたことがきっかけの首肩の重だるさでした。デスクワークによる首や肩の不調には、筋肉への施術だけでなく、肩甲骨まわりの筋肉を適切に働かせる運動も大切です。この方は、胸の前をゆるめることと僧帽筋のトレーニングを組み合わせたことで、途中で冷えによる戻りがあっても大きく崩れず、仕事中も安定した状態を保てるようになりました。同じお仕事が続きますので、トレーニングとストレッチを続けながら、再発予防のペースで確認しています。