運動した翌日や寝起きに出ていた腰の痛みに鍼灸とお尻のトレーニングを続けて出にくくなった例(30代女性)
主訴
2025年1月、腰痛でご来院されました。運動をした翌日と、朝の寝起きに腰の痛みが出るとのことでした。
当院の評価
患者様への説明
お体を確かめると、股関節を曲げる筋肉(股関節屈筋群)が縮んで使いすぎの状態にあり、反対に股関節を伸ばす筋肉(お尻の筋肉)は力が入りにくく、伸ばされたままの状態になっていました。運動で脚を使うときにお尻の筋肉がうまく働かないと、股関節の前側の筋肉と腰が代わりに頑張ることになり、翌日に腰へ疲れが残ると考えました。寝起きの痛みは、縮んだ前側の筋肉が夜のあいだに硬くなり、起き上がるときに腰が引っ張られるためと考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】運動をした翌日の腰痛/寝起きの腰痛 【所見】股関節屈筋群の短縮・過使用/股関節伸筋群(臀筋)の弱化と延長
身体機能評価
股関節屈筋群の短縮とオーバーユース(使いすぎ)/股関節伸筋群(臀筋)の筋出力低下と延長
判断
運動後と寝起きに出る腰の痛みに対して、腰そのものより、縮んだ股関節の前側の筋肉と、働きにくくなったお尻の筋肉のバランスが背景にあると考えました。腰への鍼とお灸で痛みの出ている部分を整えつつ、股関節の前側の筋肉をゆるめ、伸ばされたままになっているお尻の筋肉を縮めて使うトレーニングを続けていただく方針としました。
施術の様子
患者様への説明
痛みの出ている腰へ鍼とお灸を行い、あわせて股関節の前側で縮んでいる筋肉(股関節屈筋群)をゆるめました。伸ばされたまま働きにくくなっていたお尻の筋肉は、縮めて使うトレーニングを続けていただきました。
専門的内容
【鍼・灸】腰部(患部)への刺鍼と施灸/股関節屈筋群のリラクゼーション/【運動療法】臀筋の短縮トレーニング
施術の経過
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初期
施術の直後は、ご本人の実感として動いたときの痛みが気にならなくなりました。寝起きの痛みは1か月ほど残りました。
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中期
お尻の筋肉が働くようになり、伸ばされたままの状態が変わってくるにつれて、痛みが出にくくなってきました。2週に1回のペースに間隔をあけて2か月継続しました。
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後期
現在は月1回のペースでメンテナンスを続けています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
5,500円
2回目以降の料金
9,900円
通院の目安
施術回数
約8回を経て月1回のメンテナンスへ移行(継続中)
施術期間
約3か月で月1回のメンテナンスへ移行し、現在も継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「運動をした翌日や、朝の寝起きに出る腰の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
運動した翌日や寝起きに腰が痛むのはなぜ?
脚を動かす運動では、本来はお尻の筋肉が股関節を伸ばす働きを担います。ところが、お尻の筋肉が伸ばされたまま働きにくくなっていると、股関節の前側の筋肉と腰が代わりに頑張ることになり、運動の翌日に腰へ疲れや痛みが残りやすくなると言われています。寝起きの痛みは、縮んだ前側の筋肉が夜のあいだに硬くなり、起き上がるときに腰が引っ張られるためと考えられています。座っている時間が長い方ほど、股関節の前側が縮みやすく、お尻は働きにくくなる傾向があります。
腰を整えるだけでは戻りやすい理由
腰そのものを整えると一時的に楽になりますが、股関節の前側とお尻のバランスが変わらなければ、次の運動や翌朝にまた同じことが起こります。そのため、腰への鍼とお灸で痛みの出ている部分を整えつつ、前側をゆるめ、お尻の筋肉を縮めて使うトレーニングを続けるという組み立てが取られることがあります。この症例でも、動いたときの痛みは早い段階で気にならなくなり、寝起きの痛みは1か月ほど残ったのち、お尻の筋肉が働くようになるにつれて出にくくなりました。
変わる順番には違いがある
動作時の痛みと寝起きの痛みでは、変わる時期が違うことがあります。この症例のように、先に動作時の痛みが落ち着き、寝起きの痛みがあとから変わっていく経過もあります。当院では寝起きと立ち上がりで痛んだ慢性的な腰痛の症例も記録しています。どんな場面で痛むかを順に教えていただけると、どこから整えるかの見通しが立てやすくなります。
運動の翌日や寝起きに出る腰の痛みでは、腰そのものだけでなく、股関節の前側の筋肉が縮んでいないか、お尻の筋肉が働いているかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
横田 未帆運動を続けたいのに翌日に腰が痛むという方は、腰そのものより、股関節の前側とお尻のバランスから確かめると進め方が見えてきます。鍼とお灸で整えながら、お尻を使うトレーニングをご自宅でも続けていただくことで、運動と付き合いやすい体に近づけていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 運動をした翌日に腰が痛む、または重くなる
- 朝の寝起きに腰が痛み、起き上がるときにつらい
- 座っている時間が長く、股関節の前側や太ももの付け根が硬い
- お尻の筋肉に力が入りにくい、使えていない感じがある
- 動き出してしまえば腰は楽になる
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 片膝立ちで骨盤を前に送り、股関節の前側を伸ばす時間を1日のどこかでつくる
- 仰向けで膝を立て、お尻を締めながら持ち上げる動きで、お尻の筋肉を縮めて使う練習をする
- 起き上がる前に、仰向けで膝を抱えて腰をゆるめてから体を起こす
痛みやしびれが強いときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 脚にしびれや力の入りにくさが出てきた
- 排尿や排便の感覚がいつもと違う、下半身の感覚が鈍い
- 安静にしていても痛みが強く、夜間も続く
- 発熱や体重減少など体調の不調を伴っている
- 転倒や事故のあとに痛みが出た
よくある質問
運動後や寝起きの腰痛は、どのくらいで変わりましたか?
この症例では、施術の直後から動いたときの痛みは気にならなくなりましたが、寝起きの痛みは1か月ほど残りました。お尻の筋肉が働くようになるにつれて痛みが出にくくなり、2週に1回で2か月続けたのち、現在は月1回のメンテナンスで続けています。経過には個人差があります。
運動はやめたほうがよいですか?
この症例では、運動を続けながら、股関節の前側をゆるめてお尻の筋肉を使うトレーニングをあわせて進めました。痛みの出方や体の状態によって適した進め方は異なりますので、来院時にご相談ください。
鍼とお灸は腰だけに行いますか?
この症例では、痛みの出ている腰へ鍼とお灸を行い、あわせて股関節の前側の筋肉をゆるめました。腰だけでなく、腰に負担を集めている股関節まわりもあわせて整える形です。
横田 未帆運動の翌日や寝起きに腰が痛むという方は、股関節の前側とお尻のバランスから確かめると進め方が見えてきます。いつから、どんな場面で痛むかを教えていただければ、一緒にたどっていきますので、一度ご相談ください。
この症状について、とんとん整骨院のスタッフが臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。







運動の翌日と寝起きという、場面のはっきりした腰痛でした。腰そのものより、股関節の前側が縮んでお尻が働きにくくなっているバランスが背景にあり、鍼とお灸で腰を整えながら、お尻の筋肉を使うトレーニングを続けていただきました。動いたときの痛みは早い段階で気にならなくなりましたが、寝起きの痛みは1か月ほど残り、お尻の筋肉が働くようになるにつれて出にくくなっていきました。変わる順番には違いがあることを、この方の経過が示しています。