立ち上がると膝が痛い。その原因、本当に膝そのもの?

膝そのものより、お皿の動かし方を見る

椅子から立ち上がる瞬間だけ、膝の前がズキッとする。とくに立ち上がる動きで強く出ることがあります。この「立ち上がりの膝の痛み」は、膝そのものより、膝のお皿の動き方や、太ももの筋肉のどこが関わっているかが鍵になります。そしてその効く場所は、人によって違うことが珍しくありません。

椅子から立ち上がる瞬間だけ、膝の前あたりがズキッとする。とくに立ち上がる動きで強く出る。そんな経験はありませんか。

立ち上がりで膝が痛いと、つい「膝そのものが悪い」と考えたくなります。もちろん、膝そのものに原因があることもあります。

ただ、立ち上がるという動きには、膝のお皿(膝蓋骨)の動きや、太ももの前の筋肉の働きが深く関わっています。そして、その効いてくる場所は、人によって違うことが珍しくありません。

この記事では、なぜ立ち上がるときだけ膝が痛むのか、同じ症状でも原因の場所が人によって違うのはなぜか、そして整骨院ではどう向き合うのかを整理します。

なぜ「立ち上がるとき」だけ痛むのか

膝のお皿(膝蓋骨)は、太ももの前の筋肉とつながっていて、立ち上がるときにこの筋肉に引っぱられて上へ動きます。座っているときや歩いているときとは、お皿にかかる力の向きや大きさが違います。

だから、座位や歩行では平気でも、立ち上がるという特定の動きのときだけ痛みが出る、ということが起こります。お皿の動きがどこかで引っかかったり、片寄った方向に引かれたりすると、その瞬間に痛みが出やすくなります。

まなぶ先生 まなぶ先生

立ち上がるときだけ膝が痛いって、やっぱり膝が悪いってことですよね。膝をしっかり揉んでもらえば良くなりますか?

教子先生 教子先生

太ももの前を伸ばすといいって聞くわよ。とりあえずストレッチしておけば大丈夫じゃない?

瀬谷崎 瀬谷崎

どちらも自然な発想なんですが、立ち上がりのときの膝の痛みは、膝そのものより膝のお皿の動き方が関わっていることが少なくありません。立ち上がる瞬間は、太ももの前の筋肉がお皿を上へ引き上げます。その引き上げ方に偏りがあると、特定の動きのときだけ引っかかるような痛みが出ることがあるんです。

同じ膝の痛みでも、効く場所は人によって違う

太ももの前の筋肉は、ひとつの大きな筋肉ではなく、いくつかの筋肉の集まりです。立ち上がりの痛みに関わっているのが、このうちのどれなのかは、人によって違います。内側寄りの人もいれば、真ん中の人もいる、というように分かれます。

だから、太ももの前を伸ばすという同じセルフケアをしても、自分の効くポイントから外れていると、あまり変わらないことがあります。やみくもに伸ばすより、自分はどこが関わっているのかを知ることが先になります。

最初に分けたいこと

「立ち上がると痛い膝」と「いつも痛い膝」は、分けて考えたい症状です。立ち上がりや階段など、特定の動きのときだけ痛むなら、膝のお皿の動きや、太ももの筋肉のどこかの偏りが関わっていることがあります。

整骨院では、どう向き合うのか

立ち上がりの膝の痛みを見るときは、膝だけでなく、お皿の動き方、太ももの前の筋肉のどこに張りや偏りがあるか、そして実際の立ち上がり動作までを確認していきます。

そのうえで、原因になっていそうな筋肉を絞り込み、そこを中心に対応します。原因ではない場所をいくら触っても戻りやすいので、どこが効くのかを先に確かめることを大切にしています。

順番も大切です。強い腫れや熱っぽさ、膝の引っかかりや力の入りにくさがあるときは、まずそちらの確認が先になります。

まなぶ先生 まなぶ先生

原因の筋肉が人によって違うなら、どこを施術するか、どうやって決めるんですか?

教子先生 教子先生

いちばん硬いところをまとめて緩めれば、それで当たるんじゃない?

瀬谷崎 瀬谷崎

いちばん硬いところが原因とは限らないんです。なので私たちは、施術の前に立ち上がりの動きをしてもらいながら、原因になっていそうな筋肉を一つずつ軽く押さえて、どこを押さえたときに痛みが変わるかを確かめます。痛みが軽くなる筋肉が、その人の原因の候補です。そこを中心に対応するので、むやみにあちこち触らずに済みます。

こんなときは早めに相談を

強い腫れや熱感がある/膝が引っかかって伸び切らない・急にガクッと崩れる/力が入りにくい・しびれる/ぶつけたあとから急に痛む。こうしたときは、自己流のセルフケアを続けず、医療機関や専門家にご相談ください。

その膝の痛み、原因の場所を確かめてから

立ち上がりの膝の痛みは、膝そのものだけが原因とは限りません。お皿の動かし方や、太ももの筋肉のどこが効くかは、人によって違います。

同じ「立つと痛い」でも、原因を確かめてから対応する。これが、つらい膝と向き合うときの近道になります。

なかなか取れない立ち上がりの膝の痛みがあるときは、どの動きで・どこが・どんなふうに痛むのかを手がかりに、一度ご相談ください。

瀬谷崎 瀬谷崎

立ち上がりの膝の痛みは、膝そのものだけでなく、お皿の動かし方や、太ももの筋肉のどこが効くかという人による違いが関わります。同じ症状でも、原因を確かめてから対応していくことが、遠回りに見えて近道になると感じています。

瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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