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ベストな判断は、患者さんの状況で変わる。アカデミー内カンファレンスで考えたこと

ベストな判断は、ひとつではない

同じ症状でも、患者さんのその時々の状況によって、私たちが臨床で選ぶ判断は変わっていきます。患者さんにとって一番よい意思決定をするために、学び続ける必要があると考えています。

教科書どおりの正解が、目の前の患者さんの正解とは限りません。状況に合わせて判断を選び直すために、私たちはアカデミーで症例を持ち寄り、検討と研鑽を続けています。

2026年6月23日、ANOアカデミーのオンライングループカンファレンスを行いました。各地のメンバーがオンラインで集まり、それぞれが現場で迷った症例や疑問を持ち寄って検討する場です。

今回のテーマは、膝の痛みの病態の見方から、学生アスリートの腰痛、起床時の腰痛、検査の時間が十分に取れないときの対処、運動療法の勉強法、伸ばしたときに下肢の神経症状が出る患者さんの見方まで、多岐にわたりました。

ANOアカデミー オンライングループカンファレンスのテーマ一覧(2026年6月23日):膝の痛みのOKCとCKCでの病態解釈、学生アスリートの腰痛で考慮すること、起床時の腰痛を訴える患者、検査時間が十分に取れない場合の対処法、運動療法の勉強法、伸展時に下肢の神経症状を訴える患者
今回のオンライングループカンファレンスで検討したテーマ(2026年6月23日)。現場で出てくる迷いどころを、メンバーで持ち寄りました。
伊藤聡史伊藤聡史

今回のカンファレンスであらためて感じたのは、臨床の意思決定は、患者さんのその時々の状況で変わっていく、ということでした。同じ検査結果でも、選べる手は一つではないんですよね。

瀬谷崎瀬谷崎

そうですね。教科書に書いてある正解は、あくまで一般的な話で。目の前の患者さんの仕事や生活、通える頻度、いまの痛みの強さによって、ベストな判断は変わってくる気がします。だから、これで決まり、と決めつけないほうがいいのかなと思っています。

教科書どおりにいかないのが、臨床

今回のテーマには、現場で誰もが一度はつまずく場面が並びました。同じ訴えでも、患者さんの背景しだいで見るところが変わる、という話が多く出ました。

伊藤聡史伊藤聡史

たとえば、起床時の腰痛を訴える患者さん、というテーマが出ました。同じ朝の痛みでも、寝具や寝る姿勢、日中の負担、年齢によって、確かめるところも勧めることも変わってきます。一つの型に当てはめると、かえって外してしまう。

瀬谷崎瀬谷崎

検査の時間が十分に取れないときの対処、というテーマも、現場ではよくありますよね。理想を言えば、ぜんぶ確かめたい。でも、混んでいる日もあれば、痛みが強くてあまり動けない患者さんもいる。そのなかで、いまの一回で何を優先して確かめるか。伊藤先生はどうしていますか。

伊藤聡史伊藤聡史

社長が言うとおりで、優先順位をその場で決める準備をしておく、という感じです。全部を一度にやろうとせず、いま一番効く一手を選ぶ。そのための引き出しを増やしておくのが、こういうカンファレンスの意味かなと。

教科書どおりの正解が、目の前の患者さんの正解とは限らない。

迷いを持ち寄ると、視点が増える

一人で抱えていると、自分の見方の癖に気付きにくいものです。症例を持ち寄って話すと、自分にはなかった切り口が出てきます。

ANOアカデミー オンライングループカンファレンスの参加メンバー(2026年6月23日)
オンラインで各地のメンバーが集まり、現場の迷いを持ち寄って検討します(2026年6月23日)。
伊藤聡史伊藤聡史

こうやって、みんなで症例を持ち寄ると、自分一人では出てこなかった視点が出てきます。社長がよく言う、当たり前のことを当たり前に、を続けるためにも、こういう場で確かめ続けるのは大事だなと感じます。

瀬谷崎瀬谷崎

学び続ける、というと立派に聞こえますけど、要は、目の前の患者さんに一番いい判断をしたいだけなんですよね。そのために、迷ったところを持ち寄って、ああでもないこうでもないと話す。地味ですけど、これが一番効いている気がします。基礎をやり直す実技練習会も、同じ考えでやっています。

患者さんのために、研鑽を続ける

臨床の意思決定は、患者さんのその時々の状況で変わっていきます。だからこそ、一つの正解で止まらず、選び直せる引き出しを増やしておく。それが、患者さんにとってベストな判断につながると考えています。

ANOアカデミーでは、こうしたオンラインカンファレンスや実技練習会を通じて、現場の迷いを持ち寄り、見方を確かめ合う場を続けています。派手な近道ではありませんが、目の前の患者さんに一番よい判断をするために、研鑽を続けていきます。

執筆者の勤務店舗

この記事を書いた伊藤聡史は、とんとん整骨院 ときわ台店に勤務しています。東武東上線ときわ台駅すぐ。板橋区常盤台・上板橋・中板橋エリアの方が多く来院されています。

ときわ台駅の整体・整骨院 ときわ台店

伊藤聡史
株式会社とんとん/とんとん整骨院。臨床技術責任者。柔道整復師。

臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」講師。院内では臨床研修責任者として若手の技術指導を担い、論文抄読会の主催など、根拠に基づく施術(EBM)の浸透に取り組んでいる。

監修:瀬谷崎将也
とんとん整骨院代表・柔道整復師

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