立ち上がりや階段で出ていた膝の痛みが施術を経て和らいできた例(60代女性)
主訴
2023年10月、若い頃にスキーで痛めてからだましだまし過ごしてきた膝が、立ち上がりの際や階段の歩行時に常に痛むようになり、趣味にも支障が出てきたため、ご来院されました。小学校の用務員として立ったり座ったりの多いお仕事をされ、ライブ鑑賞の地方遠征にもよく出かけられるなど、膝への負担がかかりやすい生活を続けてこられました。
当院の評価
患者様への説明
立ち上がりや階段の歩行で膝に痛みが出る状態でした。お尻の筋肉が引き伸ばされてうまく働きにくく、すねの骨が外向きにねじれる傾向もみられました。膝のお皿の下にある組織に炎症の傾向もあり、痛みが強い状態でした。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】立ち上がり・階段の歩行で膝に疼痛 【検査】荷重や膝の曲げ伸ばしで膝前面に疼痛が出現
身体機能評価
殿筋の筋延長・筋出力低下/下腿の外旋傾向/膝蓋下脂肪体の炎症傾向
判断
お尻の筋肉が働きにくく膝を支えきれないことに加え、すねの骨のねじれと膝前面の組織の炎症傾向が重なり、立ち上がりや階段で膝に負担が集中していたことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
この方は、お尻の支える力の弱さとすねのねじれ、膝前面の炎症傾向が重なって膝への負担につながっていると考えられました。太ももやふくらはぎの筋肉をゆるめ、痛みが強い初回は電気治療で和らげながら、お尻の筋肉のトレーニングで膝を支える力を高める方針で進めました。ご自宅でのストレッチやトレーニングもお伝えしました。
専門的内容
【手技療法】大腿直筋・大腿筋膜張筋・ハムストリング・下腿三頭筋へのアプローチ/【物理療法】初回は疼痛が強くハイボルト(電気治療)/【運動療法】殿筋群のトレーニング/【セルフケア】ストレッチ・トレーニングを指導
施術の経過
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初期
初回で膝の痛みは大きく和らぎ、階段も楽に使えるようになりました。
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中期
2〜4回目は、施術の間隔が空くと痛みが少し戻ることがあったため、運動療法を加え、ご自宅でのセルフストレッチとトレーニングもお伝えしました。5〜7回目には痛みはさらに軽くなりました。
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後期
8〜10回目でほとんど気にならない程度になり、月1回のメンテナンスへ移行しました。現在はライブ遠征などイベントに参加される機会が多く、膝の負担を軽くしておくために月2回のペースでメンテナンスを続けています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円+物療 1,650円
2回目以降の料金
施術 7,480円+物療 990円
通院の目安
施術回数
約8〜10回
施術期間
改善後、月1回(現在は月2回)のメンテナンスへ移行
ここでは、この症例の記録とは別に、「立ち上がりや階段で出る膝の痛み」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして立ち上がりや階段で膝が痛むの?
立ち上がりや階段は、体重を支えながら膝を曲げ伸ばしする、膝に負担のかかりやすい場面です。お尻の筋肉がうまく働かず膝を支えきれないと、そのしわ寄せが膝に集まりやすいと言われています。さらに、すねの骨が外向きにねじれる傾向があると、膝のお皿まわりの動きにも影響し、膝の前側に負担がかかりやすくなると考えられています。立ち座りの多いお仕事や、体重を支える機会が多い生活では、こうした負担が積み重なりやすい傾向があります。
立ち上がりや階段で出る膝の痛みでは、痛む膝そのものだけでなく、お尻の筋肉が膝を支えられているか・足のねじれが膝に負担をかけていないかに目を向けることが役立つと言われています。
塩谷 健太長く付き合ってきた膝の痛みだと、こんなものと我慢してしまいがちですよね。ただ、膝そのものだけでなく、お尻の支える力や足の向きが関わっていることもあります。どんな場面で痛むかから、一緒に確かめていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 立ったり座ったりの多いお仕事や生活をしている
- 階段の上り下りで膝の前が痛む
- 立ち上がるときに膝に力が入りにくい感じがある
- 運動する習慣があまりなく、お尻や太ももの力が落ちてきた気がする
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 立ち上がるときは、お尻を後ろに引いてから太ももの力で立つことを意識する
- 階段はできるだけ手すりを使い、片脚に一気に体重を乗せない
- 痛みが落ち着いているときに、お尻や太ももの筋肉をゆっくり動かす運動を取り入れる(反動をつけず、痛みのない範囲で)
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 転倒や強くひねったあとから、膝の痛みや腫れが続いている
- 膝に強い腫れや熱感がある
- 膝が引っかかって伸ばせない、ぐらつく感じがある
- 安静にしていても強く痛む、夜眠れないほど痛む
- 発熱を伴う
よくある質問
若い頃のケガが原因なら、もう良くならないのでしょうか?
過去のケガが関わっている場合でも、今の膝を支える筋肉の働きや足の向きを整えることで、日常の負担を減らしていける方は多くいらっしゃいます。この症例の方も、支える力を育てながら立ち座りや階段が楽になっていきました。まずは今の状態を確かめることをおすすめします。
立ち仕事は変えられません。施術と両立できますか?
お仕事を続けながら経過をみている方は多くいらっしゃいます。この症例の方も、立ち座りの多いお仕事を続けながら施術のペースを保っています。負担のかかり方に合わせてご提案しますので、お仕事の内容をお聞かせください。
運動が苦手でも、トレーニングは続けられますか?
痛みのない範囲で無理なく続けられる内容からご提案しています。この症例の方も、運動習慣がないところから少しずつ取り入れていきました。ご自宅で続けやすい形を一緒に考えます。
塩谷 健太膝は毎日の立ち座りや歩行で必ず使う関節です。痛みが落ち着いたあとも、支える筋肉を保っておくことが、趣味やお仕事を続けるための備えになると考えています。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。









長く付き合ってきた膝の痛みでも、背景にはお尻の支える力の弱さや足のねじれ、日々の負担の積み重ねがあることが少なくありません。この方は立ち仕事や遠征で膝を使う場面が多く、太ももやふくらはぎをゆるめてお尻の筋肉を育てることで、階段や立ち上がりが楽になっていきました。趣味を続けたいというお気持ちに合わせ、負担がたまりきる前のメンテナンスで良い状態を保っている症例です。