立ち仕事の疲れで出ていた首肩のこりと肩甲骨まわりの痛みが施術を経て楽になった例(女性)
主訴
2026年3月、首肩のこりと肩甲骨まわりの痛みでご来院されました。ふだんから立ち仕事で、仕事中に症状が出やすく、疲れがたまると強まることにお困りでした。
当院の評価
患者様への説明
首を前に倒すと肩甲骨のあたりに痛みが出て、首を左に倒す動きには硬さがありました。肩甲骨を内側へ寄せ、少し持ち上げるように支えると症状が楽になったことから、肩甲骨が外に開いて下がった位置にあり、首から肩甲骨へつながる筋肉が引っぱられ続けている状態と考えました。胸の前の筋肉(小胸筋)やわきの筋肉(前鋸筋)、腕の前の筋肉(上腕二頭筋)が張り、肩甲骨を前と下へ引いていました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】立ち仕事中に首肩がこる/肩甲骨まわりが痛む/疲れがたまると強まる 【所見】頚部前屈で肩甲骨部に疼痛、左側屈で可動域制限、肩甲骨の内転・挙上誘導で症状軽減
身体機能評価
肩甲骨の外転・下制位/前鋸筋・小胸筋・上腕二頭筋の緊張/頚部伸筋群の緊張
判断
肩甲骨が外転・下制位にあることが主な要因と判断しました。肩甲骨の内転・挙上誘導で症状が軽くなることから、肩甲骨が外に開いて下がることで頚部から肩甲骨へ付く筋が伸ばされ続け、立ち仕事の疲れとともに首肩のこりと肩甲骨まわりの痛みとして出ていると考えました。
施術の様子
患者様への説明
肩甲骨を前と下へ引いていた胸の前の筋肉(小胸筋)、わきの筋肉(前鋸筋)、腕の前の筋肉(上腕二頭筋)をゆるめ、肩甲骨が本来の位置に戻りやすい状態をつくりました。あわせて、引っぱられて張っていた首の後ろの筋肉(頚部伸筋群)にも施術を行いました。症状が落ち着いてからは、ご自宅でできるトレーニングもお伝えしました。
専門的内容
【手技療法】前鋸筋・小胸筋・上腕二頭筋・頚部伸筋群への施術/【運動療法】セルフケアのトレーニング指導
施術の経過
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初期
2回目の施術のころには、仕事中のつらさがそれほど気にならなくなってきました。
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中期
5回目には症状が出なくなり、その状態を保てるようになりました。
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後期
その後はセルフケアのトレーニングをお伝えしながら、月1回のメンテナンスに移行し、現在も継続して通っていただいています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 7,480円
通院の目安
施術回数
5回(その後は月1回のメンテナンスで継続中)
施術期間
5回で症状が出なくなり、現在は月1回のメンテナンスで継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「立ち仕事の疲れとともに、首肩のこりと肩甲骨まわりの痛みが出る状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
首や肩がこるのに、どうして肩甲骨の位置を確かめるの?
肩甲骨は、首や背中の筋肉でつり下げられるように支えられています。肩甲骨が外に開いて下がった位置にあると、首から肩甲骨へつながる筋肉が引っぱられ続け、こりや痛みとして感じやすいと考えられています。立ったまま腕を前で使う時間が長いと、胸の前やわきの筋肉が張り、肩甲骨は前と下へ引かれやすくなると言われています。
首を前に倒すと肩甲骨のあたりが痛む理由
首を前に倒すと、首の後ろから肩甲骨へ付く筋肉はさらに伸ばされます。肩甲骨がすでに下がった位置にあると、伸ばされる幅が大きくなり、肩甲骨のあたりに痛みが出やすいと考えられています。この症例の方も、肩甲骨を内側へ寄せて少し持ち上げるように支えると、症状が楽になりました。
こっているところだけでなく、引いている側をゆるめる意味
こっている首や肩だけに触れても、肩甲骨を前と下へ引く力が残っていると、同じ位置に戻りやすいと言われています。胸の前やわき、腕の前の筋肉をゆるめて肩甲骨が戻りやすい状態をつくり、そのうえで位置を保つトレーニングを重ねる進め方は、立ち仕事を続けながら取り組みやすい形のひとつと考えられています。
立ち仕事で首肩がこる場合は、首や肩そのものだけでなく、肩甲骨が外に開いて下がっていないか、胸の前やわきの筋肉が張っていないかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
安田 晃樹首肩のこりは、こっているところをほぐしたくなりますが、確かめてみると肩甲骨の位置が出どころということがよくあります。肩甲骨を支えて楽になるかどうかは、その場で確かめられます。立ち仕事を続けながらでも進められますので、順番に整えていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 立ち仕事の後半になると首肩がこってくる
- 首を前に倒すと肩甲骨のあたりが痛む
- 肩が前に出て、下がっていると言われたことがある
- 腕を前で使う作業が長い
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 仕事の合間に、肩甲骨を背中の中央へ寄せて数秒保つ動きを数回行う
- 胸の前の筋肉を、痛みのない範囲でゆっくり伸ばす時間をつくる
- 休憩のときは腕を下ろしたままにせず、台や机に腕を置いて肩の重さを預ける
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 腕や手にしびれや力の入りにくさが出てきた
- 安静にしていても、夜間も痛みが強く続く
- 胸の痛みや息苦しさを伴う
- 発熱を伴う、または転倒や強い衝撃のあとに痛みが出た
- 数日たっても痛みが強まり続けている
よくある質問
立ち仕事の首肩のこりは、何回くらいで変わりましたか?
この症例では、2回目の施術のころには仕事中のつらさがそれほど気にならなくなり、5回目には症状が出なくなりました。その後は月1回のメンテナンスで続けていただいています。経過には個人差があります。
首や肩がこるのに、胸の前やわきを施術したのはなぜですか?
この症例では、肩甲骨が外に開いて下がった位置にあり、首から肩甲骨へつながる筋肉が引っぱられていました。肩甲骨を前と下へ引いていた胸の前、わき、腕の前の筋肉をゆるめることで、肩甲骨が戻りやすい状態をつくっていきました。
症状が出なくなったあとも通っているのはなぜですか?
この症例の方は立ち仕事を続けておられ、同じ姿勢が続くと肩甲骨がまた前と下へ引かれやすい状況にあります。ご自宅のトレーニングで位置を保ちつつ、月1回のメンテナンスで状態を確かめながら継続していただいています。
安田 晃樹立ち仕事で出る首肩のこりは、肩甲骨の位置から確かめることで、進め方が見えてきます。仕事の後半になるとつらい方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。









首肩のこりでしたが、確かめてみると首そのものより、肩甲骨が外に開いて下がった位置にあることが負担の出どころでした。肩甲骨を支えると楽になったので、肩甲骨を前と下へ引いている筋肉をゆるめることから始めました。2回目で仕事中のつらさが軽くなり、5回目には出なくなりました。立ち仕事は続きますので、いまはご自宅のトレーニングと月1回のメンテナンスで、肩甲骨の位置を保てるようにしています。