腹筋反射とは?叩打部位と腹壁反射との見方を整理する

お腹の反射で、中枢神経系のサインを拾う

腹筋反射は、収縮の有無だけで単純に読む検査ではありません。正常でも収縮しないことがあるため、腹筋反射の亢進と腹壁反射の消失がそろう場面を丁寧に見ます。

この記事について

腹筋反射は、仰向けで腹部の決まった位置を叩打し、腹筋の収縮を確認する検査です。ここでは、叩打部位、実施時の注意点、正常でも収縮しないことがある理由、腹筋反射亢進と表在反射である腹壁反射消失を合わせて見る重要性をまとめています。

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伊藤聡史

腹筋反射は、正常でも収縮しないことがあります。大事なのは、腹筋反射が亢進していて、表在反射の腹壁反射が消失しているような組み合わせを見落とさないことです。

結論:腹筋反射は、単独で判断するより、腹壁反射の消失や他の神経学的所見と合わせて錐体路障害の可能性を考える検査として扱います。

腹部の反射を見る検査では、叩打による腹筋の収縮や、皮膚刺激による腹壁反射などを確認します。どちらも腹部の反応を見る検査ですが、同じ意味で読むものではありません。

今回のポイントは、腹筋反射そのものの収縮だけでなく、腹筋反射が亢進している一方で、表在反射である腹壁反射が消失している場合です。この組み合わせでは、錐体路障害の可能性を考える材料になります。

腹筋反射の叩打部位
腹筋反射の叩打部位。仰向けで乳頭線、またはやや内側を一直線に叩打して反応を確認します。

腹筋反射で何を見るのか

腹筋反射では、腹部を叩打したときに腹筋が収縮するかを確認します。図の位置を参考に、仰向けで叩打し、左右差や反応の強さを見ます。

ただし、収縮すれば正常、収縮しなければ異常と単純に分けられる検査ではありません。正常でも反応がはっきり出ないことがあります。体格、緊張、叩打の位置、力の抜け具合などによっても反応は変わります。

腹筋反射は「出ない=異常」と決めつける検査ではありません。むしろ、他の反射所見と組み合わせて、反応のパターンを読むことが大切です。

腹筋反射の確認方法

検査は仰向けで行います。腹部の力が入りすぎていると反応を見にくくなるため、患者さんにはできるだけリラックスしてもらいます。

  1. 仰向けで開始する患者さんに仰向けになってもらい、腹部の緊張が強く入りすぎていないかを確認します。
  2. 叩打するラインを決める乳頭線、またはやや内側を一直線に確認します。左右で条件が変わらないように、位置をそろえることが大切です。
  3. 図の位置を叩打する図で示された部位を参考に叩打し、腹筋の収縮が出るかを確認します。
  4. 左右差と反応の強さを見る収縮の有無だけでなく、左右差、反応の強さ、他の反射所見との関係を確認します。
注意点

叩打部位がずれると、反応を正しく見にくくなります。乳頭線、またはやや内側を一直線にそろえ、左右でできるだけ同じ条件で確認します。

正常でも収縮しないことがある

腹筋反射では、収縮が確認できれば正常反応として扱いやすくなります。ただし、正常でも収縮がはっきり出ないことがあります。

そのため、腹筋反射が出ないことだけで強く判断するのは危険です。検査時の姿勢、腹部の緊張、叩打の強さ、患者さんの体格、他の神経学的所見を合わせて見ます。

収縮が確認できる 腹筋の反応として確認しやすい所見です。ただし、反応の強さや左右差も合わせて見ます。
収縮が確認しにくい 正常でも反応が出ないことがあります。単独で異常と決めず、条件を整えて再確認します。
反応が亢進している 他の反射所見、特に腹壁反射の消失と組み合わせて慎重に読みます。

腹壁反射との組み合わせが重要

この検査で特に重要なのは、腹筋反射が亢進しており、表在反射である腹壁反射が消失している場合です。

腹筋反射の亢進と腹壁反射の消失がそろう場合、錐体路障害の可能性を考える材料になります。もちろん、これだけで確定するわけではありませんが、他の神経学的所見と合わせて慎重に評価する必要があります。

腹筋反射で本当に見落としたくないのは、腹筋反射亢進と腹壁反射消失がセットで見られる場合です。

他の所見と合わせて確認する

錐体路障害を疑う場合は、腹部の反射だけで判断せず、腱反射、病的反射、筋緊張、筋力、感覚、歩行、左右差などを総合的に確認します。疑わしい所見がある場合は、医療機関での評価が必要です。

  • 腹筋反射が明らかに亢進している
  • 表在反射である腹壁反射が消失している
  • 腱反射亢進や病的反射など、他の神経学的所見もある
  • 筋力低下、歩行の不安定さ、左右差がある
  • 症状や所見が進行している
重要

反射の亢進、病的反射、進行する筋力低下、歩行障害、排尿・排便の異常などがある場合は、整骨院内だけで判断せず、医療機関での確認が必要になることがあります。

腹筋反射は「反応の組み合わせ」で読む

腹筋反射は、仰向けで図の位置を叩打し、腹筋の収縮を確認する検査です。乳頭線、またはやや内側を一直線に叩打し、左右で条件をそろえて確認します。

ただし、正常でも収縮しないことがあるため、収縮の有無だけで判断する検査ではありません。重要なのは、腹筋反射が亢進していて、表在反射である腹壁反射が消失しているような場面です。

とんとん整骨院では、反射所見を単独で読むのではなく、筋力、感覚、腱反射、病的反射、歩行や症状の経過と合わせて、身体の状態を多角的に見極めることを大切にしています。

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伊藤聡史

腹筋反射は、出るか出ないかだけを見ても判断が難しい検査です。腹壁反射の消失や他の神経学的所見と合わせて、錐体路障害を疑うべきパターンかを確認します。

伊藤聡史
株式会社とんとん/とんとん整骨院。臨床技術責任者。柔道整復師。

臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」講師。院内では臨床研修責任者として若手の技術指導を担い、論文抄読会の主催など、根拠に基づく施術(EBM)の浸透に取り組んでいる。

監修:瀬谷崎将也
とんとん整骨院代表・柔道整復師

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