腰痛の原因は腰ではなく股関節かもしれない。とんとんの腰痛アプローチ

「腰だけ」を見ても、腰痛は読み解けない

腰が痛いと、つい腰そのものを疑います。けれど腰痛の出どころが、腰の外にあることは珍しくありません。とんとん整骨院が腰痛をどう見て、どう考え、どうアプローチをするのか。とんとん社長 瀬谷崎将也と臨床技術責任者 伊藤聡史が分かりやすくご紹介します。

「腰が痛いのに、腰は悪くない」。一見おかしな言い方ですが、画像で大きな異常が見当たらない腰痛は多く、原因が腰そのものでないことがあると言われています。とくに多いのが、股関節の動きの低下や制限を、腰が代償して起きるケースです。

腰の痛みのイメージ
腰が痛いと、つい腰そのものを疑いがちです。

腰の痛みは、股関節の動きを腰が代償して起きていることがある

伊藤聡史伊藤聡史

社長、『腰が痛い=腰が悪い』と思い込んで来られる方が大半ですが、評価していくと腰そのものより股関節の可動性低下が目立つケースが多いですね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

そうなんです、伊藤先生。股関節が出せない動きを腰が代償して、必要以上に動いてしまう。痛い場所は腰でも、引き金は股関節のことが多い。

伊藤聡史伊藤聡史

いわゆる代償運動ですね。腰からすれば毎回オーバーワークで、組織が悲鳴を上げる手前まで来ている。

瀬谷崎将也瀬谷崎

ええ。だから腰だけをほぐしても、股関節が変わらなければ繰り返しやすいんです。

ここがポイント

腰の痛みは、腰そのものより、股関節の動きの低下や制限が背景にあることがあると言われています。股関節が担うはずの動きを腰が代償(代償運動)すると、腰が必要以上に動き、負担が集中します。痛い場所(腰)と、引き金になっている場所(股関節)がずれている、という見方です。

立ち仕事で出てきた腰痛を股関節まわりから整えた症例
逆説でなく、事実として股関節由来だった腰痛の例があります。長く立ち仕事を続けて股関節の前側が硬くなり、腰がそれを代償して負担が集中していた方です(担当:塩谷健太・ときわ台店)。詳しい経過は症例レポートを読む
塩谷健太塩谷健太

この方は食堂のパートで立っている時間が長く、股関節の前側がかたくなっていました。腰を反らすと痛む方でしたが、よく見ると股関節が伸びない分を腰が補っていたんです。だから腰だけでなく、股関節の前側をゆるめて、お尻を使えるように進めました。

瀬谷崎将也瀬谷崎

まさに『股関節の動きを腰が代償していた』例ですね。痛いのは腰でも、引き金は股関節。腰だけを見ていたら見落としていたかもしれません。

この「股関節の動きを腰が代償する」という見方は、こちらで詳しく書いています。前かがみで痛む腰と股関節の関係は前屈で腰が痛いなら、股関節の動きを足してみる、股関節の使い方が腰へかける力は腸腰筋は股関節屈筋で終わらない。腰痛に関わる前方剪断力の話、体のつながりという土台は痛い場所が、悪い場所とは限らない。体の「運動連鎖」とは、画像に写らない腰痛の見方は「腰痛の8割は原因不明」をどう解釈するかもあわせてどうぞ。

腰だけを見て終わりにしない。出どころの見極め方

伊藤聡史伊藤聡史

出どころの絞り込みは、どう進めますか。問診だけでは決め切れない部分もありますが。

瀬谷崎将也瀬谷崎

動きの中で痛みを再現して、どこを動かすと増えるか・減るかを確認します。股関節を一緒に使って腰が楽になるなら、出どころは股関節の制限かもしれない。そうやって絞ります。

伊藤聡史伊藤聡史

最初から原因を決めつけない、と。ひとつ、危険なサインの除外だけは外せませんね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

そこは必ず。脚の強いしびれや力の入りにくさ、お手洗いの変化があれば先に医療機関へ。それを外したうえで、変えられる負担に絞っていきます。

まれに、この場合は先に医療機関へ

ほとんどは整骨院で対応できますが、次のサインがあるときは先に医療機関で確認を。

  • 脚のしびれや、力が入りにくい感じがある
  • 排尿・排便のしにくさなど、いつもと違う変化がある
  • 安静にしていても強く痛む、夜間に痛みで目が覚める
  • 発熱を伴う、または転倒など強くぶつけた後の痛み
股関節の動きを確認する施術の様子
とんとんでは、腰だけでなく股関節の動きまで確認し、股関節の制限を腰が代償していないかを見ます。

とんとんでは、1つの症例を担当者だけで決めず、スタッフで検討して見方を確かめています。実際の検討の様子は腰と背中の痛み、原因は股関節か。座り仕事の腰痛をスタッフで検討した例をご覧ください。

腰の負担を減らし、繰り返さない体へ

伊藤聡史伊藤聡史

実際に整えていく段は、どこから手をつけますか。

瀬谷崎将也瀬谷崎

制限のある股関節をゆるめて動きを取り戻し、お尻や体幹を使えるようにする。腰が一人で頑張らなくてすむ状態にしていきます。

伊藤聡史伊藤聡史

セルフケアの設計も結果を左右しますね。患者さんが自分で管理できる形にできるか。

瀬谷崎将也瀬谷崎

おっしゃるとおりです、伊藤先生。安全な範囲で股関節を動かす、長く同じ姿勢でいない。通うことが目的にならないよう、自立して付き合える体づくりまで一緒にやります。

ご自宅でできる工夫
  • 30分〜1時間に一度は立ち上がり、姿勢を変える
  • 痛みの少ない範囲で、股関節やお尻まわりを軽く動かす
  • コルセットは「ずっと」でなく、つらい場面で一時的に
  • 強い痛み・しびれがあるときは無理に動かさず、医療機関に相談する

対処の考え方は、テーマごとに記事にしています。腰痛コルセットで筋力は落ちるのか「痛くない範囲で動かして」が回復を遅らせることがあるEMSで腰痛は良くなるのか、そして腰痛で不安になりすぎないために。患者さんに伝えたい10の事実もどうぞ。

とんとんの腰痛アプローチの流れ

ここまでの考え方を、実際の進め方として整理すると、次のような流れになります。

  1. 原因を見極める痛い場所(腰)だけでなく、動きの中で痛みを再現し、股関節など全身の動きまで確認して、出どころを絞ります。
  2. 引き金にアプローチする腰そのものでなく、制限のある股関節などをゆるめ、動きを取り戻していきます。
  3. 腰の代償を減らすお尻や体幹を使えるようにして、腰が必要以上に動かなくてすむ状態を目指します。
  4. セルフケアと再発予防ご自身でできる工夫をお伝えし、自立して付き合っていけるようにします。

腰の痛みを「腰の問題」と決めつけない。股関節の制限を腰が代償していないか

腰が痛いと腰そのものを疑いがちですが、その痛みは、股関節の動きの低下や制限を腰が代償(代償)して、腰が必要以上に動くことから生じている場合があると言われています。だからこそ、危険なサインを外したうえで、腰だけでなく股関節まで含めて出どころを見極める。そして腰をゆるめるだけで終わらせず、股関節の動きを取り戻して腰の代償を減らしていく。これがとんとんの腰痛へのアプローチです。回復のしかたには個人差があります。

※本記事は一般的な情報です。症状の感じ方や経過には個人差があります。強い痛みやしびれ、安静時にも続く痛み、力が入りにくいなどがあるときは、自己判断せず医療機関への受診もご検討ください。

よくある質問

腰が痛いのに、腰でなく股関節を見るのはなぜですか?

腰の痛みは、股関節の動きの制限を腰が代わりに引き受けて起きていることがあるためです。痛い場所だけでなく、引き金になりやすい股関節まで確認します。

どのくらいで変化を感じますか?

変化の出方には個人差があります。状態や生活背景によって異なるため、経過を見ながら進めていきます。

強い痛みやしびれがあっても通えますか?

脚に強いしびれや力の入りにくさ、安静にしても続く痛みなどがある場合は、まず医療機関の受診をおすすめすることがあります。判断に迷うときは、来院前にお電話でご相談ください。

営業時間外でも予約できますか?

WEB予約・LINE・メール予約は営業時間外でもご利用いただけます。当日希望やお急ぎの確認は、お電話がスムーズです。

腰痛でお困りの方へ

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瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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