バイクの運転や出張の移動でつらかった首の張りが施術を経て楽になった例(50代男性)
主訴
2021年11月、20年以上前から続く首まわりの張りと重だるさでご来院されました。仕事終わりに毎日つらいと感じるようになり、趣味のバイクも運転しているとつらくなってくる状態でした。普段はデスクワークで長時間の座位が多く、九州方面などへの出張も多いため、移動時間の負担も強くかかっていました。運動習慣はありませんでした。
当院の評価
患者様への説明
日常の動作そのもので痛みが出ることはありませんでしたが、動きの検査と姿勢の評価から、肩甲骨が外側・下方に開いた位置になっており、首や肩を支える僧帽筋がうまく働きにくい状態がみられました。長時間の座位や運転のたびに、首まわりへ負担が集まりやすくなっていた可能性があります。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】仕事終わりやバイクの運転で首まわりの張り・重だるさが強まる 【検査】日常動作での明らかな疼痛はなし。動診・アライメント評価で肩甲骨の外転・下制がみられる
身体機能評価
肩甲骨外転・下制のアライメント不良/僧帽筋の筋出力低下
判断
肩甲骨が外側・下方に開いた位置のまま僧帽筋がうまく働かず、長時間の座位や運転のたびに首まわりの筋肉へ負担が集まっていたことが主な要因と考えられます。
施術の様子
患者様への説明
この方は、肩甲骨が外側・下方に開いた姿勢で、首や肩を支える筋肉が働きにくくなっていると考えられました。胸の前や肩甲骨まわりの筋肉をゆるめて肩甲骨の位置を保ちやすくし、胸まわりのセルフケアをお伝えしながら、後半は支える筋肉のトレーニングへ進める方針で行いました。
専門的内容
【手技療法】小胸筋・前鋸筋・上腕二頭筋へのアプローチ/【運動療法】僧帽筋のトレーニング/【セルフケア】胸まわりのストレッチ指導
施術の経過
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初期
1〜3回目で、日常で感じていた張りや重だるさが軽くなってきました。
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中期
4〜6回目は、セルフケアの練習と日常生活動作の見直しを進めました。
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後期
7〜10回目で僧帽筋のトレーニングを行い、症状が気にならない状態になりました。以降は月1回のメンテナンスに移行し、ツーリングやお仕事のあとも症状を感じない状態が続いています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円+物療 1,650円
2回目以降の料金
施術 7,480円
通院の目安
施術回数
約7〜10回
施術期間
改善後、月1回のメンテナンスへ移行
ここでは、この症例の記録とは別に、「デスクワークや乗り物の運転で強まる首まわりの張り・重だるさ」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
どうして座っているだけで首が張ってくるの?
デスクワークや運転では、頭の重さを首や肩の筋肉が支え続けています。肩甲骨が外側・下方に開いた位置になると、首や肩を支える僧帽筋が働きにくくなり、一部の筋肉だけががんばり続ける形になると言われています。この状態で座位や運転の時間が長くなると、夕方や仕事終わりに向けて張りや重だるさが積み重なりやすいと考えられています。何年も続くこりの背景に、こうした姿勢の癖が関わっていることがあります。
長く続く首の張りでは、張っている場所そのものだけでなく、肩甲骨がよい位置にあるか・支える筋肉が働いているかに目を向けることが役立つと言われています。
塩谷 健太何年も続くこりだと、「もう体質だから」とあきらめてしまう方も多いです。ただ、肩甲骨の位置や支える筋肉の働きは、今からでも変えていける部分があります。どんな場面で張りが強まるかから、一緒に確かめていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- デスクワークや運転など、同じ姿勢の時間が長い
- 仕事終わりや夕方に首の張りが強まる
- 何年も首や肩のこりが続いている
- 運動の習慣がほとんどない
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 長く座る・運転するときは、休憩のたびに肩甲骨を軽く動かす
- 胸の前をゆっくり伸ばして、肩が前に入った姿勢をゆるめる
- 張りが落ち着いているときに、肩甲骨を寄せる運動を取り入れる(反動をつけず、痛みのない範囲で)
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 手や腕のしびれ・力の入りにくさを伴う
- これまで経験したことのない強い頭痛やめまいを伴う
- 発熱やうなじの強い張りを伴う
- 安静にしていても痛みが強まっていく
よくある質問
20年も続いたこりでも変わりますか?
続いた年数だけで決まるものではないと言われています。この症例の方も20年以上の経過がありましたが、肩甲骨の位置と支える筋肉に着目して進める中で、気にならない状態へ変化していきました。まずは今の状態を確かめることをおすすめします。
もんでもらうと楽になりますが、すぐ戻ります。なぜですか?
ゆるめるだけでは、負担の集まる姿勢そのものは変わりにくいと言われています。この症例の方も、ゆるめる施術に加えて僧帽筋のトレーニングまで進めたことで、戻りにくい状態に近づいていきました。
バイクや出張の多い生活は続けてもよいですか?
続けている方は多くいらっしゃいます。この症例の方も、ツーリングや出張を続けながら月1回のメンテナンスで良い状態を保っています。移動の合間にできる工夫もあわせてご提案します。
塩谷 健太首や肩は、毎日の姿勢の積み重ねがそのまま出やすい場所です。ゆるめて終わりにせず、支える筋肉を働かせるところまで進めておくことが、趣味や仕事を楽しみ続けるための備えになると考えています。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








20年以上続いたこりでも、肩甲骨の位置と支える筋肉の働きに着目すると、変化の糸口が見つかることがあります。この方はデスクワークに加えて、バイクの運転や出張の移動時間という同じ姿勢の続く場面が重なっていました。胸の前をゆるめるだけでなく、僧帽筋という支える筋肉を働かせるところまで進めたことで、趣味のツーリングを楽しみながら良い状態を保てている症例です。