整骨院の職場選びは見学より練習会。東武練馬院ルームツアー動画に見る空間と学習環境
セラピスト向け
駅徒歩30秒、とんとん1店舗目の中身。空間の意図ごと全部見せます
とんとん整骨院の発祥の地、東武練馬院のルームツアー動画が公開されました。設備の使い方や空間の作りには、その職場が何を大事にしているかが表れます。同業のセラピスト、これから職場を選ぶ柔道整復師・鍼灸師の方に向けて、動画の内容と、職場を見るときの観点を紹介します。
今回の動画は、とんとん整骨院の1店舗目である東武練馬院のルームツアーです。1階と地下の各フロア、物理療法機器や照明のこだわり、そして実際に働くスタッフ2名へのインタビューまで、院の中身をそのまま映しています。
▲東武練馬院のルームツアー動画。院内の様子とスタッフの声をそのまま見られます。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎駅徒歩30秒の1店舗目。外観と受付にある、地域との距離感
東武練馬院は、東武練馬駅から徒歩30秒ほどの場所にあります。外観には季節ごとの装飾を置いていて、動画の撮影時は夏祭りに合わせた骸骨のキャラクターが立っていました。オープン当初は「子供が怖がる」というお叱りをいただいて一度引っ込めたこともあったそうですが、出したり引っ込めたりを繰り返すうちに、今ではすっかり地域でお馴染みの存在になっています。
院内に入ると、木目調でこだわった受付と、オーソティックス(オーダーメイドのインソール・足底挿板)の紹介・体験スペースがあります。1店舗目ということもあり、内装にはかなりの気合いとお金が入っていると、動画内でも笑い話として語られています。受付には患者さんからいただいた豚の置物も飾られていて、地域との関係の近さが伝わる場面です。
ベッドを減らして、運動療法の場を作った1階フロア
1階の施術スペースは、元々ベッドが3台ありました。コロナ禍をきっかけに中央の1台を撤去し、空いたスペースを、足の測定器を置いたオーソティックスの計測エリアと、ヨガマットやストレッチポールを使う運動療法のエリアに切り替えています。ベッドを減らすのは売上だけを考えれば逆行ですが、施術の幅を優先した配置と言えます。
物理療法機器は、干渉波の機器と、ハイボルテージ・超音波の複合機が置かれています。動画で印象的なのは、その使い方の説明です。疼痛の抑制だけではなく、筋の促通、EMS(イーエムエス、電気的な筋刺激)的な使い方、電気を流しながら痛みの出る動作を繰り返してもらうモビライゼーション併用のアプローチまで、目的に応じて出力や周波数を選び分けていることが語られます。
スタッフインタビューでも、この点に触れる場面があります。入社3年目の稲田さんは、前の職場では機器をマニュアル通りに操作するだけだったのが、今は勉強会で周波数などの根拠を学び、意図を持って使えるようになったと話しています。同じ機器でも、扱う側の理解で中身が変わるという話は、物療を置いているどの院にも通じるところだと思います。
まなぶ先生
瀬谷崎半個室と照明。地下フロアの空間には学び方の設計がある
地下には、パーテーションで仕切られたベッドが3台と、鍼などで使う個室が2部屋あります。元々あった部屋の一つは、ソーシャルディスタンス確保をきっかけにデスクワークのスペースへ切り替えられています。
ここで注目したいポイントが2つあります。1つは照明です。地下はあえて少し明るさを抑え、患者さんが仰向けになったときに光が直接目に入らないよう、光の向きを計算したライトを選んでいます。仰向けの患者さんの視界は、施術者が立ったまま院内を見ていても気づきにくい部分です。
もう1つは、パーテーションを天井まで塞がず、上部を開けた半個室にしていることです。これは単なるコスト都合ではなく、隣のベッドで先輩がどう施術し、患者さんとどう会話しているかが自然と耳に入るようにするための設計だと説明されています。技術や接遇を先輩から吸収する機会を、空間の側で作っているわけです。
教子先生
まなぶ先生
瀬谷崎設備の豪華さそのものより、「なぜその配置・その明るさ・その仕切りなのか」を尋ねてみると、その院の優先順位が見えてきます。空間の意図を言葉で説明できる職場は、施術や教育にも同じように意図を持っている場合が多いはずです。
スタッフの声。入社前の印象と、入ってからのギャップ
動画の後半は、働くスタッフ2名へのインタビューです。飾らないエピソードが多く、職場選びを控えた方には特に参考になる部分です。
柔道整復師と鍼灸師の資格を持つ稲田さん(入社3年目)は、入社前、先輩スタッフと3日に1回、夜21時から22時のペースで3ヶ月間も面接練習を重ねたそうです。あまりに話し込んだ結果、本番の面接に自分の水筒を持ち込んで水分補給しながら臨んだという笑い話も出てきます。印象的なのは、入社前はSNS(エスエヌエス)での発信を見て「知識のある人ばかりで殺伐としているのでは」と身構えていたのに、実際は全員がとても優しかったと語っている点です。外から見える発信の印象と、中の空気は別物だという実例です。
大畑さん(入社2年目・業界5年目)は、学生時代に一度とんとんの採用試験で不採用になり、別の整骨院で3年働いたのち、事業拡大のタイミングで再挑戦して入社した経歴の持ち主です。技術テストになかなか受からない時期も、「練習やろうよ」と周りのスタッフが声をかけてくれるのでモチベーションが保てると話しています。テストの厳しさと、そこへ至る過程を支える温かさは両立するという話でもあります。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎職場のリアルを知りたければ、見学より練習会
動画の最後で代表の瀬谷崎が勧めているのが、店舗見学ではなく、毎週水曜日に開かれている全体練習会への参加です。見学の日程が決まっていれば、会社側が雰囲気の良いスタッフを揃えて、実際より良く見せることも構造上はできてしまいます。一方、普段の練習会に混ざれば、スタッフの素の様子や熱量がそのまま伝わります。撮影日も水曜日で、柔道整復師は包帯固定、鍼灸師は鍼の練習をしている様子が映っています。
これはとんとんに限った話ではありません。気になる職場があるなら、見学だけで判断せず、普段の練習会や勉強会に混ぜてもらえるか聞いてみる。受け入れてくれるかどうか自体も、その職場の風通しを知る材料になります。
- 設備は豪華さより、配置や照明の「理由」を説明できるかを見る
- SNSや求人票の印象と、中の空気は別物として確かめる
- 用意された見学より、普段の練習会・勉強会に混ざる機会を探す
瀬谷崎





