歩くときやしゃがむときに出ていた左膝の痛みが施術を経て楽になってきた例
主訴
2026年7月、左膝の痛みでご来院されました。4か月ほど前から続いていた症状で、歩くときや、しゃがみ込む動きで痛みが出る状態でした。
当院の評価
患者様への説明
立ち姿勢の確認では、すねの骨(脛骨)が外へねじれていました。片足を前に踏み出す動き(ランジ)では、膝が内側へ入る傾向がありました。歩くたびに膝が内側へ入ると、膝の関節に負担が寄りやすくなります。太ももの外側(大腿筋膜張筋)・内側(内転筋)・裏側(大腿二頭筋)が張っていて、膝の向きを外から支えるお尻の横の筋肉(中殿筋)を働かせていく必要がある状態でした。
日常動作・解剖学的動診
【日常】歩くと左膝が痛む/しゃがみ込むと左膝が痛む(4か月前から) 【所見】歩行・しゃがみ込みで疼痛誘発
身体機能評価
脛骨の外旋(アライメント検査)/ランジ動作で膝が内側へ入る(ニーイン)/大腿筋膜張筋・内転筋・大腿二頭筋の緊張/中殿筋後部・梨状筋の働きを引き出す必要あり
判断
歩くときに膝が内側へ入ることで膝に負担がかかり、痛みが出ていると判断しました。脛骨の外旋と、ランジで膝が内側へ入る動きが重なることで、歩くたびに膝へ負担が集まり、4か月続いていたと考えました。
施術の様子
患者様への説明
まず、張っていた太ももの外側・内側・裏側の筋肉をゆるめ、膝が内側へ引き込まれにくい状態をつくりました。膝の関節(脛骨と大腿骨のあいだ)にも動きをつける施術を行っています。そのうえで、膝の向きを外から支えるお尻の横の筋肉(中殿筋の後ろ側)を働かせるトレーニングと、お尻の奥の筋肉(梨状筋)を短く使えるようにするエクササイズを取り入れました。痛みを抑える目的で、物理療法もあわせて行いました。
専門的内容
【手技療法】大腿筋膜張筋・内転筋・大腿二頭筋のリラクゼーション/脛骨大腿関節モビライゼーション/【運動療法】中殿筋後部のトレーニング・梨状筋の短縮化エクササイズ/【物理療法】疼痛抑制を目的に実施
施術の経過
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初期
初回の施術後から、膝に体重をかけたときの痛みが軽くなりました。
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中期
5回目には、階段の上り下りで出ていた痛みも軽くなりました。
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後期
現在は症状のない日がほとんどですが、たまに痛みが出ることもあるため、継続して通っていただいています。全5回の経過です。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円
2回目以降の料金
施術 8,400円+物理療法 990円
通院の目安
施術回数
5回(たまに症状が出るため継続中)
施術期間
初回で体重をかけたときの痛みが軽くなり、5回目で階段の痛みが軽くなって現在も継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「4か月ほど前から、歩くときやしゃがみ込むときに左膝の痛みが出る状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
膝が痛いのに、どうして太ももやお尻の筋肉を確かめるの?
歩くときに膝が内側へ入る動き(ニーイン)があると、膝の関節の内側や前側に負担が寄り、同じところへ繰り返し力がかかりやすいと考えられています。すねの骨が外へねじれていると、膝が内側へ入る動きはさらに出やすいと言われています。膝に痛みが出ていても、負担のもとは太ももの筋肉の張りや、お尻の筋肉の働き方にあることが少なくありません。
太ももまわりの張りと、お尻の筋肉の関係
太ももの外側(大腿筋膜張筋)や内側(内転筋)が張っていると、膝は内側へ引き込まれやすくなります。一方で、お尻の横の筋肉(中殿筋)やお尻の奥の筋肉(梨状筋)は、歩くときに膝の向きを外から支える役割を持つと言われています。これらが働きにくいと、張った筋肉をゆるめただけでは同じ動きに戻りやすいと考えられています。
しゃがむ痛みと階段の痛みが、あとから軽くなる理由
体重をかけたときの痛みは、張っていた筋肉がゆるむと負担が減りやすいと考えられます。しゃがみ込みや階段の上り下りは、膝を深く曲げながら向きを支え続ける動きのため、お尻の筋肉が働くようになるまでは負担が戻りやすいと言われています。この症例の方も、初回で体重をかけたときの痛みが軽くなり、階段の痛みが軽くなったのは5回目でした。
数か月続く膝の痛みでは、膝そのものだけでなく、歩くときに膝が内側へ入っていないか、すねの骨のねじれがないか、お尻の横や奥の筋肉が働いているかを確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
伊藤 聡史膝が痛いと膝だけをなんとかしたくなりますが、確かめてみると歩くときの膝の向きが出どころということがよくあります。体重をかける痛みは早めに軽くなることが多い一方、しゃがむ動きや階段は膝を支える筋肉が育つまで少し時間がかかります。順番に進めていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 歩くと膝の内側や前側が痛む
- しゃがみ込むと膝が痛む
- 片足で立つ、踏み出すときに膝が内側へ入りやすい
- 太ももの外側や内側が張っている感じがある
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 歩くときは、つま先と膝の向きをそろえることを意識する
- 太ももの外側と内側を、痛みのない範囲でゆっくり伸ばす時間をつくる
- 横向きに寝て上の脚をゆっくり持ち上げ、お尻の横の筋肉を働かせる運動を無理のない回数で行う
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 膝が腫れて熱を持ち、安静にしていても痛みが続く
- 膝に体重をまったくかけられない、膝が抜けるような感じがある
- 膝の曲げ伸ばしが途中で引っかかって動かなくなる
- 転倒や強い衝撃のあとに痛みが出た
- 数週間たっても痛みが強まり続けている
よくある質問
4か月続いた膝の痛みは、何回くらいで変わりましたか?
この症例では、初回の施術後に体重をかけたときの痛みが軽くなり、5回目には階段の上り下りで出ていた痛みも軽くなりました。現在は症状のない日がほとんどですが、たまに痛みが出ることもあるため継続して通っていただいています。経過には個人差があります。
膝が痛いのに、太ももやお尻を施術したのはなぜですか?
この症例では、歩くときに膝が内側へ入る動きと、すねの骨のねじれによって膝に負担が集まっていました。太ももまわりの張りをゆるめ、膝の関節に動きをつけ、お尻の横と奥の筋肉を働かせることで、歩くときの膝の向きを支えられるようにしていきました。
痛みが軽くなったあとも通っているのはなぜですか?
この症例の方は、歩くときの膝の向きのくせが痛みの出どころでした。まだたまに痛みが出る日があり、同じ歩き方に戻ると負担がまた膝へ寄りやすいため、状態を確かめながら継続していただいています。
伊藤 聡史数か月続く膝の痛みは、膝だけでなく歩くときの膝の向きから確かめることで、進め方が見えてきます。歩くときやしゃがむときに膝がつらい方は、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








4か月続いていた膝の痛みでしたが、確かめてみると膝そのものより、歩くときに膝が内側へ入るくせが負担の出どころでした。太ももまわりの張りをゆるめると体重をかけたときの痛みは早めに軽くなり、お尻の横の筋肉が膝の向きを支えられるようになってきた5回目には、階段の痛みも軽くなりました。まだたまに痛みが出る日がありますので、同じくせに戻らないよう確かめながら続けていただいています。